健康食品トレンド分析~1970年代から現在までの変遷

  • 2020.11.09

若者が昭和の歌謡曲にハマったり、過去に流行ったファッションが再ブレイクすることは往々にしてありますよね。実は、健康食品も同じようなことが起こります。そこで今回は、健康食品の過去に流行したトレンド、ヒット商品を振り返り、新たなトレンドの兆しを探ってみたいと思います。

例えば、1970~80年代に新しいダイエット法として流行した「紅茶きのこ」。当時は一時的なブームに終わりましたが、「コンブチャ」としてよみがえりました。コンブチャは知る人ぞ知る、昆布茶とは別の飲み物。モンゴルで古くから親しまれていた紅茶などに種菌と砂糖を入れて発酵させる発酵飲料のことで、ハリウッドセレブたちがこぞって飲み、健康や美容マニア、健康食品業界で注目を集めています。

このように、健康食品には過去に話題になったものが形を変え、再びトレンドになる兆しが潜んでいるかもしれないのです。2022年、変化の時代で売れる健康食品を開発するために是非ご覧ください。

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目次
1.ダイエットのトレンド変遷
2.健康食品の成分にもトレンドあり
3.これからはトクホから機能性表示食品へ
4.まとめ

ダイエットのトレンド変遷

過去、〇〇ダイエットとして流行したものは、代表的なものだけでもこれだけあります。

今の40~60代の方には「こんにゃくダイエット」「リンゴダイエット」「ハトムギダイエット」「ゆでたまごダイエット」「ドクダミ茶ダイエット」などが記憶にあるかもしれません。1970年代の「紅茶きのこ」以降、次々に登場しては話題を呼びました。

80年代には食物繊維をキーワードとした「こんにゃくダイエット」「りんごダイエット」もあり、これは今なお人気があります。話題になったものでは「ビバリーヒルズダイエット」もありました。これは食べる順番に着目し、果物を集中して食べた後に炭水化物・・・ということから派生して「パイナップルダイエット」として定着しました。パイナップルには酵素が含まれている、ということも騒がれました。

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90年代に入ると、「寒天ダイエット」や「小麦ふすま(に含まれる食物繊維による)ダイエット」、カニやエビからつくられる食物繊維のキトサンが脂質を吸着する作用があるとして「キトサンダイエット」が注目を集めました。

「ダイエット」とはそもそも減量の意味ではなく、英語では「食習慣、食生活」といった意味の言葉。ですので、“朝食などをある食物に置き換え、カロリー制限をしながら効率的に体重をコントロールする”というのが、これらのブームの本質です。

ところが、こういったダイエットは偏った食事により、栄養バランスが乱れるという弊害もあります。そのため、徐々にビタミンやミネラルなど、必要な栄養素をバランスよく配合した置き換えダイエット商品が、この頃から認知度を広げました。

2000年になると、記憶に新しい「納豆」「朝バナナ」「夜トマト」「ヨーグルト」などを用いたダイエット法がTV番組で取り上げられ、スーパーから消えるほどのブームになりました。そしてこの頃から、現在の「糖質制限ダイエット」にもつながる「低インスリンダイエット」が流行します。

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インスリンは血糖値を下げてくれるホルモン。インスリンが正常に働かずに血液中に増えると太りやすくなることから、「インスリンを抑えると痩せる?」と注目が集まりました。

また、この頃になると、食薬区分改正でこれまで医薬品だった「コエンザイムQ10」や「L-カルニチン」という成分が代謝経路に作用することで注目され、また「ガルシニア」や「ギムネマ」「白いんげん」などの聞きなれない植物、植物に含まれる成分では特に「ポリフェノール」が商品に使われるようになりました。

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特定保健用食品の商品も増え、体脂肪を訴求する「カテキン(お茶に含まれる成分)」や「クロロゲン酸(コーヒーに含まれる成分)」「ケルセチン配糖体(エンジュという植物に含まれる成分)」などの、いわゆる“トクホ商品”が流行します。

そして「スーパーフード」が注目され「糖質制限ダイエット」「ケトジェニックダイエット」「腸活ダイエット」など、現代に至るのです。

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昔も今も、極端な食事制限は栄養バランスの乱れにつながるとして、問題視されます。現代では単に「痩せる」のではなく、筋肉はしっかり付けつつ、体重をコントロールする傾向がみられます。栄養バランスと適度な運動と共に、理想のプロポーションづくりを補助する商品企画が、健康食品業界には求められているのです。

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健康食品の成分にもトレンドあり

ここまではダイエットの変遷をご紹介しましたが、健康食品の「成分」についても時代と共に、流れがあります。

80~90年代では、「食物繊維」がブームでした。「ファイブミニ(大塚製薬)」などに代表される、食物繊維を含有した商品が続々と誕生しました。食物繊維は現代でも日本人に不足しがちな栄養素で、摂取しやすい商品が求められています。90年代後半以降には食物繊維を摂取する飲み物である「青汁」が一大ジャンルを形成して、市場を伸ばしました。

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1997年 には13種類のビタミンが食品として販売可能になり、1998年には 100種以上のハーブが食品に、1999年 には12種類のミネラルが食品として販売可能になるなど、食品で使えるものが増え、健康食品にも多様になっていきました。

そのような背景の中、2001年にはアミノ酸23種類が食品として販売可能になり、「アミノ酸ブーム」が起こります。その後「ポリフェノール」などの植物成分に注目が集まり、その他、お酒に「ウコン」、関節に「グルコサミン」、眼には「ブルーベリー(アントシアニン)」など、各訴求に代表的な成分が市場に浸透していきました。

特にこの頃は健康食品に対する表示規制が強化され、身体に含まれる成分を補う形の商品が増えてきました。2010年代には「エナジードリンク」と呼ばれるジャンルが台頭、アスリート向けではない「プロテイン」が浸透するなど、さらに多様化しています。

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これからはトクホから機能性表示食品へ

健康食品の法律上の定義はありません。そのため、医薬品と区別され、機能性の表示ができません。機能性の表示ができるものは「保健機能食品」に分けられます。「保健機能食品」は「特定保健用食品(トクホ)」「栄養機能食品」「機能性表示食品」に分類されるのですが、これらもいつ登場しどのような違いがあるか、明確に理解している方は少ないのではないでしょうか。こちらではそれぞれの定義を、登場順にご紹介します。

特定保健用食品(トクホ) 1991年~
特定保健用食品(トクホ)とは、健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている食品です。表示されている効果や安全性については国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可しています。誕生当時は認知度が低かったのですが、1998年以降、許可取得数が増えてメジャー化しました。 

関連情報:【法律】保健機能食品制度とは

栄養機能食品 2001年~
「栄養機能食品」とは、一日に必要な栄養成分(ビタミン、ミネラルなど)の補給・補完のために利用できる食品です。一定の基準量含む食品であれば、特に届出などをしなくても、国が定めた表現によって機能性を表示することができます。

機能性表示食品 2015年~
機能性表示食品とは、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などを消費者庁長官へ届け出する必要があります。ただし、トクホとは異なり、消費者庁の個別の許可を受けたものではありません。そのためトクホよりも開発スピードが格段と上がり、誕生からの短期間でトクホの許可取得件数を上回るほど、拡大しています。

2020年に新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、消費者の健康意識が高まり、機能性表示食品の国内市場の拡大が続いています。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?健康食品のこれまでの流行の歴史を知ると、そこかしこにこれからの流行、トレンドのヒントが隠れているような気がしませんか?

これまでの健康食品はサプリメント形態の商品が多かったのですが、現在は食品形態のものも増えてきました。また、機能性表示食品という制度が始まったことにより、機能性を表示できる商品が続々と市場に増えてきています。

「売れる商品開発」に向けて、過去の流行を分析してみるのも面白いと思います。

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商品開発に携わってきた東洋新薬の視点から、過去実際に「売れた商品」に共通した7つのポイントを、ご紹介します。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2023年1月20日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2022年8月31日時点、自社調べ)

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