「界面活性剤」とは? 化粧品に欠かせない乳化と可溶化

  • 2020.10.22

化粧品の商品開発を行う上でよく耳にする「界面活性剤」。今回は、そのはたらきについて、ご紹介します。

目次
1.界面活性剤と化粧品
2.界面活性剤とは?
3.水と油を混ざり合わせる『乳化』とは
4.水に溶けないものが、溶けているように見える「可溶化」
5.界面活性剤の種類
6.界面活性剤は肌に悪い?

界面活性剤と化粧品

化粧品は均一に混ざり合っているものがほとんどです。ご存じの方も多いかもしれませんが、化粧品の主成分は「水に溶けるもの(水溶性成分)」と「油に溶けるもの(油溶性成分)」です。通常、水と油は振っても混ざりあわず、時間が経つと二層に分かれてしまいます。ではなぜ、化粧品は均一に混ざり合っているのでしょうか?

この均一に混ぜるために多くの化粧品に含まれている成分が、界面活性剤なのです。

界面活性剤とは?

界面活性剤は水となじみやすい部分(親水基)と油となじみやすい部分(親油基または疎水基)が組み合わさっている成分。よく、オタマジャクシのような形と称されます。

この界面活性剤が水と油、二相の間にくっつき、化粧品は混ざり合っているように見えます。水と油を繋ぎ合わせる成分、それが界面活性剤です。

少し難しいですが、化学的には「界面活性剤は混ざり合わない2つの界面の界面張力を弱める働きをする」などと表現します。また、このような混ざり合わないもの同士を混ぜ合う成分を乳化剤といいます。界面活性剤は乳化剤の1つです。

界面活性剤にはさまざまな働きがあり、化粧品で主に使用される働きは以下の3つ。

①水と油を混ざり合わせる「乳化」
②水に溶けないものが溶けているように見える「可溶化」
③汚れを落とす「洗浄」

界面活性剤には種類があり、この働きや使用する油をはじめとした他成分の種類に応じて、界面活性剤を選択していく作業が化粧品処方設計のポイントになります。今回は、①②について詳しくご紹介していきます。

水と油を混ざり合わせる『乳化』とは

乳化は水と油のような本来混ざることのない液体同士を混ぜ合わせることです。では、なぜ界面活性剤を加えるだけで混ざり合うのでしょうか。

混ざり合わない液体のうち1つ(水)と界面活性剤の中にもう一方の液体(油)を入れてかき混ぜると、油が水の中で球状になってその周りに界面活性剤がくっつきます。この時に、界面活性剤の「水にも油にも馴染む部分をもつ」という性質が生かされます。界面活性剤は水の相には水に馴染む親水基、油の相には油に馴染む親油基、となるように、くっつくことができるのです。この乳化の技術はマヨネーズなどの食品にも用いられています(ちなみに、マヨネーズの界面活性剤は卵黄)。

一般に乳化したものは白く濁っており、化粧品では乳液やクリーム、ファンデーションが代表的です。
少し専門的になりますが、白く濁るのは光の波長よりも球状になっている液体の粒子が大きく、光が乱反射するためです。

さて、この乳液やクリーム、さまざまな感触のものがあります。たとえば、しっとりやさっぱり、みずみずしい感触、コク感のあるリッチな感触など…。

この感触の違いは主に、乳化タイプが異なることによって生じます。みずみずしい感触のものは水の中に油が混ざり合っているO/W型(Oil in Water)、コクのあるリッチ感触のものは油の中に水が混ざり合っているW/O型(Water in Oil)です。

クリームを手に取ったとき、はじめに触れる部分が水か油かによって、感触に違いがでます。また、メイク持ちのよいファンデーションなどはW/O型のものが多いです。外側に油の相があり、汗や水をはじいてくれるためです。

水に溶けないものが、溶けているように見える「可溶化」

乳化は白く濁っているとお伝えしました。でも、化粧水の多くは透明ですよね。しかし、化粧水にも油溶性の成分が使われています。

化粧水など透明なものには、②水に溶けないものが溶けているように見える「可溶化」という技術が使われています。

界面活性剤は量が少ないと液体中にばらばらに散っています。しかし、界面活性剤の量を増やすと界面活性剤同士が球状に集まります。集まった球状の集合体をミセルと呼びます。水が苦手な疎水基同士が集まって水から逃れようとするからなのです。

このミセルの中には水には溶けない油を取り込むことができます。取り込んだ状態のミセルの粒子の大きさは光の波長よりも小さく、光を通すので透明に見えます。

界面活性剤の種類

ここからは、化粧品のパッケージ裏面の成分表示に関わる、さらに専門的な話になります。

界面活性剤には、いくつかのタイプがあります。先ほどもお伝えしましたが、油との相性や目的によって使用する活性剤が変わります。この界面活性剤のタイプは元になる原料やイオン性によって分類があり、それぞれ特徴があります。

◆アニオン型(陰イオン)
水に溶けると親水基が陰イオンになり、洗浄、可溶化、乳化助剤を目的として、シャンプーや洗顔料に含まれています。「~硫酸ナトリウム」とつくものやカリ石けん素地など「~石けん」とつくもの、「~K」とつく界面活性剤が多いです。

◆カチオン型(陽イオン)
水に溶けると陽イオンになり、帯電防止や繊維への吸着効果、柔軟性、殺菌を目的としてトリートメントやコンディショナー、制汗剤に含まれています。「~クロリド」や「~アンモニウム」とつくものが多いです。

◆両性イオン(アンホ型)
水に溶けるとその水のpH値によって陽イオンにも陰イオンにもなります。洗浄や乳化助剤を目的として高級シャンプーや低刺激のため、子供用にも利用されます。「~ベタイン」とつくものが多いです。

◆ノニオン型
水に溶けてもイオン化しないものを指します。様々な界面活性剤と組み合わせて使用ができ、乳化・可溶化、洗浄、浸透など様々な目的で幅広い化粧品に使われています。オレイン酸ポリグリセリル-10など「~ポリグリセリル-数字」や「PEG-数字」とつくものがあります。

最近よく聞くアミノ酸系シャンプーや石けんも界面活性剤と深く関わっています。長くなりますので、こちらはまたの機会に・・・。

界面活性剤は肌に悪い?

界面活性剤は、水と油を混ざり合わせる目的以外にも、汚れを取り除く作用や肌に馴染ませる役割もあります。しかし、皮膚への刺激が強い成分の場合もあり、肌のバリア機能を下げる一因ともいえます。

しかし、ご安心を。現在の化粧品開発では、刺激の強い成分は最新の注意を払い、使用用途や量を限定し、製品でもさまざまな試験を実施した上で安全性を確認したもののみをお客様へ提供しています。

<参考>
日本化粧品工業連合会JCiA
https://www.jcia.org/user/public/knowledge/explain/surfactant
新化粧品学第二版
https://jp-surfactant.jp/surfactant/nature/index.html

無料三相乳化法のご紹介

神奈川大学が発明した界面活性剤を使わない乳化特許技術と化粧品への活用例をご紹介します。

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