賞味期限の決め方とは?消費期限との違いも解説

  • 2021.01.28
賞味期限 決め方

「賞味期限」は商品の企画開発の際に考慮すべき、重要な検討要素です。今回は期間表示の基礎知識として、そもそも賞味期限とは何か、消費期限との違い、健康食品での適切な賞味期限の決め方などをご紹介します。

目次
1.賞味期限とは?消費期限と何が違う?
1-1.賞味期限と消費期限の定義
1-2.賞味期限と消費期限の違い
2.賞味期限の設定が商品企画・開発において重要である理由
3.賞味期限の決め方は?誰が、どうやって決める?
3-1.「誰が」賞味期限を決めるか
3-2.「どうやって」賞味期限を決めるか
3-3.賞味期限の決め方まとめ
4.賞味期限、長ければ長いほど良い?
5.まとめ

賞味期限とは?消費期限と何が違う?

賞味期限と消費期限の定義

食品表示基準によると、

賞味期限の定義:
「定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする」

消費期限の定義:
「定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日をいう」

とあります。

賞味期限と消費期限の違い

上記の定義を要約すると、

・品質の劣化が急速に進む食品に表示されているものが消費期限
・比較的品質が劣化しにくい食品に表示されているものが賞味期限

ということになります。つまり、「消費期限」を過ぎたものは食べてはいけませんが、「賞味期限」はおいしく食べられる目安、という違いがあります。
そのような違いをよりイメージしやすく、図解したものが以下になります。

賞味期限とは?消費期限と何が違う?

賞味期限とは?消費期限と何が違う?

出典:
東京都西多摩保健所「たべもの安全情報」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/nisitama/shokuhin/anzen.files/kigenhyouji.pdf

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賞味期限の設定が商品企画・開発において重要である理由

店頭販売では、設定した賞味期限の1/3(例:賞味期限24カ月の場合、賞味期限の8カ月前の状態)でないと受け入れてもらえない「1/3ルール*1」というものが存在します。また、通信販売においては、賞味期限ギリギリの商品が届くと消費者からのクレームが多発し、信頼を損ないます。

賞味期限が短いと、出荷できず廃棄が増える、生産数量を抑える必要がある、生産数量を抑えることで製造原価が上がり、利益率が低下します。

一方で賞味期限を長く設定するためには、有効成分(ビタミン等)の経時的な減衰(時間と共に有効成分が減ること)を考慮して多めに配合する必要があり、こちらも製造原価を上昇させ、結果的に利益が減少します。

また、打錠品や顆粒品のサプリメントと比べて液体のドリンクやゼリーなどは、時間の経過による外観や風味の変化が大きいため、比較的賞味期限が短く設定されています。

このように賞味期限の設定は商品や剤型の性質や販売方法、そして商品原価や利益にも影響を与えます。そのため、「賞味期限の設定は、商品企画・開発における重要な検討課題」と言えるのです。

*1参考:
賞味期限1/3ルール
https://www.mottainai-shokuhin-center.org/now/
生産数量と製造原価
https://costsouken.jp/magazine/380/

賞味期限の決め方は?誰が、どうやって決める?

賞味期限は誰が、どうやって決める?

「誰が」賞味期限を決めるか

消費者庁食品表示課によれば、

「消費期限又は賞味期限の設定は、食品等の特性、品質変化の要因や原材料の衛生状態、製造・加工時の衛生管理の状態、容器包装の形態、保存状態等の諸要素を勘案し、科学的、合理的に行う必要があります。このため、その食品等を一番よく知っている者、すなわち、原則として、
① 輸入食品等以外の食品等にあっては製造業者、加工業者又は販売業者が、
② 輸入食品等にあっては輸入業者(以下、製造業者、加工業者、販売業者及び輸
入業者をあわせて「製造業者等」という。)が責任を持って期限表示を設定し、表示することとなります。」

としています。

つまり、国や自治体は期限の設定や検査方法についてガイドラインを定めてはいるものの、そこから先は食品の情報を正確に把握している者の責任となるため、「製造業者・加工業者・輸入業者・販売業者が賞味期限を決める」ということになります。

「どうやって」賞味期限を決めるか

賞味期限の決め方については、平成17年に農林水産省と厚生労働省が共同で策定した「食品期限表示の設定のためのガイドライン」に、設定に関するガイドラインが示されています。

①食品の特性を踏まえた客観的な指標(理化学試験、微生物試験、官能検査)を設定します。
②流通する際の温度帯を考慮した上で保管をします。
③保管した一定期間ごとで①で設定した指標の試験を行います。
④の結果をもとに、期限を設定します。
⑤商品ごと・原材料ごとの品質のばらつきがあります。その不確定な要素を踏まえ、④で設定した期限に安全係数(1未満の係数)を掛けたものが流通時の賞味期限になります。

<客観的な指標の具体例>
・理化学試験:水分値、硬度、摩損度、崩壊性、pH、Brixなど
・微生物試験:一般生菌数、大腸菌群、真菌数など
・官能検査:外観変化、食味・食感変化など

賞味期限の設定に関する関連諸法規というものはありません。上記のような「食品期限表示の設定のためのガイドライン」は示されていますが、具体的な決め方についてはメーカー各社によって考え方が異なり、温度、期間、類似処方からの推測など、総合的な判断が求められます。
なお、賞味期限の表示については、食品表示法という法律に則って記載する必要があります。

賞味期限の決め方まとめ

上述の内容をまとめると、

誰が:製造業者、加工業者、販売業者、輸入業者を合わせて「製造業者等」
どうやって:ガイドラインを参考に、温度、期間、類似処方からの推測といった「総合的な判断で」

ということになります。

出典:加工食品の表示に関する共通Q&A(第2集:消費期限又は賞味期限について)
https://www.maff.go.jp/j/jas/hyoji/pdf/qa_ka_2_h2304.pdf

参考:食品期限表示の設定のためのガイドライン
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/expiration_date/pdf/syokuhin23.pdf

賞味期限、長ければ長いほど良い?

販売する側としては、期限切れで販売できないことによるロスを防ぎ、一定量をまとめて作れることから、賞味期限は長く設定したいもの。

しかし、長く設定するためには有効成分の配合量の調整や、品質の劣化を抑えるために保存料や酸化防止剤などの配合の工夫が必要なことから、製造原価のアップや検証期間の長期化につながります。

【賞味期限を長く設定するメリット】
・製造や在庫を計画的、効率的に行うことができる
・廃棄処分(食品ロス)を減らすことができる

【賞味期限を長く設定することのデメリット】
・有効成分(ビタミン等)の経時的な減衰(時間と共に有効成分が減ること)を考慮して多めに配合する必要がある(検証にも時間がかかる)。
・保存料や酸化防止剤など、食品添加物を多く使う必要が出てくる。
・結果として製造原価の上昇、利益減少につながる。

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まとめ

いかがでしょうか。今回は期間表示の基礎知識として、賞味期限と消費期限の違い、そして賞味期限の決め方について解説しました。商品企画・開発において、賞味期限は検討すべき事由であり、ガイドラインなどを基にして食品情報を把握している事業者が適切な賞味期限を設定するということになります。
このような賞味期限の設定を含む、通販健康食品の商品開発でお悩みの際は、東洋新薬にご相談ください。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2023年1月20日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2022年8月31日時点、自社調べ)

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