食物繊維とは?種類や有効性を発揮するメカニズムを解説

  • 2020.12.03
食物繊維 種類

一般的に「食物繊維」と聞くと「吸収されずに排出されるだけ」「便通改善くらいにしか効かない成分」というイメージを浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実際には食物繊維にはさまざまな特性があり、幅広い有効性を示すことが報告されています。

今回は、食物繊維の知られざる特徴・効果についてご紹介します。

目次
1.食物繊維とは
2.食物繊維の種類と食物繊維を多く含む食品
3.水溶性と不溶性食物繊維の違いとそれぞれの作用
4.食物繊維の有効性 ~予防できる病気や症状~
5.食物繊維が有効性を発揮するメカニズム
6.まとめ

食物繊維とは

食物繊維とは、私たちの健康を支える不可欠な栄養素の一つで、消化管を介して健康の維持に役立つ生理作用を発現する食物成分と定義されています。

食物繊維は、主に植物性の食品に多く含まれ、ヒトの小腸内で消化・吸収されにくい特性を持っています。これにより、腸内環境を整える働きがあります。

食物繊維が豊富な食べ物には、野菜や果物、全粒粉のパンなどがあり、便通を良くし、便秘の解消にも役立つとされています。食生活において食物繊維の摂取は健康を維持、向上させるために不可欠のため、健康食品やサプリメントの成分の1つとしてもおすすめです。

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食物繊維の種類と食物繊維を多く含む食品

食物繊維の種類は大きく、植物由来のものと動物由来のものに分類することができます。またその中でも、水に溶けにくい不溶性の食物繊維と水に溶ける水溶性の食物繊維があります。

まずは植物由来と動物由来の食物繊維をそれぞれご紹介します。

植物由来の食物繊維としては、

  • 穀物に含まれる「セルロース」
  • カカオに含まれる「リグニン」
  • 紅藻類に含まれる「アガロース」
  • 果物に含まれる「ペクチン」
  • グアー豆に含まれる「グアーガム」
  • こんにゃくに含まれる「グルコマンナン」
  • 褐藻類に含まれる「アルギン酸ナトリウム」
  • 野菜に含まれる「イヌリン」
  • 大麦に含まれる「βグルカン」
  • トウモロコシなどから加工される「難消化性デキストリン」「ポリデキストロース」

などの成分が挙げられます。

動物由来の食物繊維としては、

  • 甲殻類に含まれる「キチン」
  • 豚皮などに含まれる「コラーゲン」
  • 軟骨に含まれる「コンドロイチン硫酸」

などが挙げられ、非常に幅広い食品に含有される成分です。

「食物繊維の分類」

水溶性と不溶性食物繊維の違いとそれぞれの作用

不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の違いと作用を理解することは、健康的な食事を摂るためにとても重要です。これらの食物繊維は、それぞれ異なる作用を持つため、作用や特徴を理解しましょう。

不溶性食物繊維は、その名の通り水に溶けず、体内を通過する際にその形状を保ちます。これにより、便のボリュームを増やし、腸の動きを活発にする作用があります。これは便秘解消に有効であり、穀物の外皮や野菜、果物の皮に多く含まれています。

一方、水溶性食物繊維は、水に溶ける性質を持ちます。水と混ざるとゲル状になり、腸内でゆっくりと消化されます。この過程で、糖質の吸収を遅らせる効果があり、血糖値の急上昇を防ぐ役割を持っています。また、コレステロールを体外に排出する作用もあります。これらの食物繊維は、海藻や果物、豆類などに多く含まれています。

不溶性食物繊維と水溶性食物繊維、それぞれの特徴を理解し、バランス良く摂取することで、便秘解消や血糖値管理など、体の健康維持に役立てることができます。自身の生活習慣や食事内容を見直し、これらの食物繊維を意識的に摂取することをおすすめします。

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食物繊維の有効性 ~予防できる病気や症状~

かつて食物繊維は、体内に吸収されず、栄養素の利用効率を阻害する物質として位置づけられ、むしろ不要なものとして取り扱われていました。

しかし、1930年代からその有効性が次第に証明され、腸疾患や代謝性疾患の予防に有用である可能性が明らかにされてきました。

現在では、大腸がん、高血圧、肥満、糖尿病、高脂血症、胃潰瘍、虫歯などさまざまな病気・疾患の予防に有効であることが示唆されています。口腔内での咀嚼回数増加、唾液分泌促進、満腹感による過食抑制といった効果もあります。

「食物繊維の作用と疾病予防」

食物繊維が有効性を発揮するメカニズム

上記のような幅広い有効性を発揮する背景には、食物繊維がもつユニークな物理化学的特性や、腸内微生物の資化性も関与していると考えられます。

食物繊維の物性は、その種類によって大きく異なります。食物繊維は大別すると水溶性・不溶性があります。

水溶性のペクチンは高い粘性を有する一方で、水溶性の難消化性デキストリンは低い粘性を示し、不溶性のセルロースは高い保水性を有するといった特性の違いがみられます。各素材固有の物理化学的特性が、腸管内の通過時間、栄養素の拡散性、小腸の蠕動運動、消化酵素や消化管ホルモン分泌などに影響を及ぼします。

また、イオン交換能を有するリグニン・キトサン・ペクチン・アルギン酸などは、コレステロールの吸収時におけるミセル形成に必要な胆汁酸や脂肪酸を吸着し、油脂の排出促進や胆汁酸の腸肝循環に関与することも報告されています。

さらに、食物繊維はヒト小腸において消化・吸収されませんが、大腸内の一部の微生物にとっては利用可能な栄養源となるため、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増加させ、短鎖脂肪酸の産生や腸管の酸性化を促し、クロストリジウムなどの腐敗菌の増殖を抑制することも知られています。

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まとめ

食物繊維は、素材によって異なる物理化学的特性(水溶性・粘性・吸着性)を有しており、便通改善だけでなく、腸内環境改善・有害物排泄促進・血圧低減・体脂肪低減・血中コレステロール低減・血中中性脂肪の上昇抑制・血糖値の上昇抑制・免疫力向上など、非常に幅広い有効性を発揮することが報告されています。

また、食物繊維は効果効能を体感しやすいという特性と、どのような剤型(明らか食品、ドリンク類、サプリメント)にも対応可能という汎用性の高さから、機能性表示食品では409件(2020年11月4日時点)もの届出実績があり、さまざまな訴求の商品が受理されています*1。

一方で、厚生労働省が策定した日本人の食事摂取基準では、食物繊維の目標量として「男性20g/日以上、女性18g/日以上」と設定されていますが、現状の平均摂取量は14g/日程度であり、多くの日本人が食物繊維不足であることが指摘されています*2。

そのため、食物繊維を多く含む食事や健康食品を摂取することは、健康機能の維持・増進に大いに役立つと考えられます。

【参考】
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出典:
*1 消費者庁, 機能性表示食品の届出情報検索
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/search/
*2 厚生労働省, 食物繊維の必要性と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html

>関連情報:健康食品・サプリメントOEMサービス

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2023年1月20日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2022年8月31日時点、自社調べ)

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