乳酸菌の基礎知識~「生菌」「死菌」それぞれの違いや役割とは

  • 2021.09.13
乳酸菌 役割

「乳酸菌」にはお腹に良い、免疫を高める、コレステロールを下げる作用があるなどさまざまな情報があり、健康に良いイメージを持つ方が多いと思います。では、乳酸菌にどんな種類があり、それらにどのような違いがあるのかご存じでしょうか。今回は実に奥深い、「あなたの知らない乳酸菌の世界」をご紹介します。

目次
1.奥の深い乳酸菌の世界
2.「生菌」と「死菌」とは?
3.腸内には「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」が存在している
4.「生菌」の特長~継続的な摂取が大切
5.「死菌」の特長~腸内環境を整えるのに役立つ
6.まとめ

奥の深い乳酸菌の世界

乳酸菌=ヨーグルト、のイメージが強いと思います。ヨーグルトは乳酸菌が乳酸発酵することで作られています。その他にもみそ、しょうゆ、漬物、チーズなどの発酵食品もまた、乳酸菌の働きを利用して作られています。

乳酸菌の主な種類としては、球状の「球菌」(ラクトコッカス/ストレブトコッカス/ベディオコッカス/ロイコノストック)、棒状の「桿菌」(ラクトバチルス)のほか、細かく分類された菌種や株があり、同じヨーグルトでも会社や商品ごとに使われている乳酸菌の種類や製造方法が異なります。そのため、商品ごとに風味も効果も異なる、特色のある商品が販売されています。

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「生菌」と「死菌」とは?

「生きて腸まで届く乳酸菌」という宣伝コピーを聞いたことがあると思います。「生きて腸まで届く」のは食品中の乳酸菌が生きている、いわゆる「生菌」のことを指します。

「生菌」があるということは、「死菌」も存在します。「死菌」は食品の製造工程(殺菌)などにより、食品中では死んでしまっています。また、たとえ食品中では生きていても、私たちの体の中で胃酸や胆汁酸にさらされるため、多くの乳酸菌は腸に届く前に死んでしまうといわれています。

こう聞くと、「生きて腸まで届く乳酸菌の方が体に良い?」と思いますよね。でも、死んだ乳酸菌もまた、ちゃんと私たちの体の役に立っているのです。

腸内には「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」が存在している

腸には多くの腸内細菌が生息。その数は約100兆個とも言われ、「腸内フローラ*」を形成しています。

私たちの体にとって良い働きをする「善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌など)」だけでなく、増えすぎると身体に悪影響がある「悪玉菌(ウェルシュ菌、病原性大腸菌など)」も住んでおり、さらに状況によって善玉菌の味方をしたり悪玉菌の味方をしたりする「日和見菌」と呼ばれる菌が、バランスを取りながら腸内環境を保っています。

善玉菌だけが存在すればよい訳ではなく、「善玉菌2・悪玉菌1・日和見菌7」が理想のバランスといわれています。健康な腸内では善玉菌が悪玉菌の定着や増殖を抑えています。しかし、食生活の乱れ、特に高脂肪の食生活などにより脂質や動物性たんぱくを好む悪玉菌が増殖して腸内環境が乱れてしまうと、便秘や下痢といったおなかの調子や、肌荒れ、免疫力の低下などさまざまな身体の不調に繋がります。そのため、「健康管理には腸内環境を整えること」が重要と考えられているのです。

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「生菌」の特長~継続的な摂取が大切

生菌の特長は「生きて腸まで届く」こと。生きて腸まで届き、腸内で乳酸を作ることで腸内が酸性に傾くため、アルカリ性を好む悪玉菌の増殖を抑え、腸内環境を整える働きが期待できます。乳酸菌の生菌はプロバイオティクス*の代表といえます。

ただし、私たちが食物として食べた生きた乳酸菌がもともと腸内に生息している菌と共生できる可能性は低く、腸に留まって住み着くことはないとされています。そのため、生菌は継続的に摂取して腸に補充してあげることが重要です。

「死菌」の特長~腸内環境を整えるのに役立つ

死菌は生菌とは異なり、自らの力で腸内環境を整えることはできません。しかし、生菌や常在する腸内細菌のエサとなることで、善玉菌を増やして腸内環境を整えるのに役立つといわれています。オリゴ糖や食物繊維などと同様、プレバイオティクス*としての働きが期待されます。

また、死菌は「バイオジェニックス」としても注目を集めています。バイオジェニックスとは、腸内フローラを介さず体に直接働きかける食品成分で、死んだ菌も含めて乳酸菌の作り出す物質(代謝産物や菌体成分)を指します。

腸内には体中の免疫細胞のおよそ7割が存在し、体内に侵入してきた病原菌などから防御してくれていますが、この免疫細胞を刺激し免疫力を高める働きは、菌の細胞壁や菌細胞の中にあるDNAやRNAなどの菌の構成成分にあります。そのため、乳酸菌は死菌でも、免疫力に対して効果があるといわれているのです。

*「腸内フローラ」「生菌」「死菌」「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」はこちらの記事で詳しく解説しています。

【機能性表示食品として届出実績のある乳酸菌の一例】 ★は「生菌」であると分かっているもの

<整腸・便通改善>
・乳酸菌シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)★
・乳酸菌ブレビスT001株(Lactobacillus brevis NTT001)★
・乳酸菌NY1301株★
・有胞子性乳酸菌(Bacillus coagulans SANK70258)★
・有胞子性乳酸菌(Bacillus coagulans) lilac-01★
・クレモリス菌FC株(L. lactis subsp. cremoris FC)★
・ラブレ菌(Lactobacillus brevis KB290)★
・LGG(R)乳酸菌(L. rhamnosus GG)★
・L.カゼイ菌 (L.paracasei, DSM19465株)★
・Q-1乳酸菌(L. plantarum TK61406)★
・ガセリ菌CP2305株(L. gasseri CP2305)
・殺菌乳酸菌EC-12株
・植物性乳酸菌K-1(L. casei 327)
・Enterococcus faecalis KH2株 (ナノ型乳酸菌nEF)

<おなかの脂肪(体脂肪)を減らす>
・ガセリ菌SP株(Lactobacillus gasseri SBT2055)★
・Pne-12乳酸菌とフラクトオリゴ糖★
・乳酸菌CP1563株由来の10-ヒドロキシオクタデカン酸(10-HOA)

<肌の潤いを維持する>
・クレモリス菌FC株(L. lactis subsp. cremoris FC)★
・乳酸菌クレモリスH61株(L. lactis subsp. cremoris H61)★
・乳酸菌ラクトバチルスGG株(Lactobacillus rhamnosus GG)★
・ラブレ菌(Lactobacillus brevis KB290)★
・LGG(R)乳酸菌(L. rhamnosus GG) ★
・植物性乳酸菌K-1(L. casei 327)

商品開発で知っておきたい「腸内環境」~お肌にも有効?オススメの素材とは?

<口腔内環境、健康な歯ぐきを維持する>
・乳酸菌LS1(Lactobacillus salivarius TI2711株)★
・ロイテリ菌(L.reuteri DSM 17938株)★
・ラムノーザス菌L8020株(ラクトバチルス ラムノーザスKO3株)★

<免疫機能を維持する>
・プラズマ乳酸菌(L.lactis strain Plasma)

<アレルギー系(目や鼻の不快感を緩和する)>
・L. helveticus SBT2171(乳酸菌ヘルベ)
・L-92乳酸菌(L. acidophilus L-92)

<食後の尿酸値の上昇を抑制>
・PA-3乳酸菌

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まとめ

いかがでしょうか。奥が深い乳酸菌の世界を少しでもご理解いただけたら幸いです。生きて腸まで届く「生菌」だけでなく、「死菌」にも役割と効果があります。生菌はプロバイオティクスとして、死菌ではプレバイオティクス及びバイオジェニックスとしての効果が期待されますが、乳酸菌の種類によっても効果はさまざまです。また、私たちに個性があるように、お腹の中の腸内フローラ(腸内環境)も人それぞれ。誰かに合う乳酸菌が自分に合うとは限りません。その意味で、まだまだ乳酸菌商品開発にはビジネスチャンスがあると言えるでしょう。

東洋新薬では、乳酸菌を配合した商品開発をさまざまご提案できます。興味のある商品開発担当の方は、ぜひ当社までお問い合わせください。

<併せて読みたい!「乳酸菌」関連記事>
「腸活」ブームのこれから~腸の健康が注目の的
「乳酸菌」商品開発のヒント①~コロナ禍で需要急増?市場を勝ち抜くために知っておきたいキーワード
「乳酸菌」OEM商品開発のヒント②~乳酸菌の効果を高める、新たな秘策とは?

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2023年1月20日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2022年8月31日時点、自社調べ)

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