健康食品OEM開発のヒント ― 機能性表示食品における科学的根拠(エビデンス)は「質」が重要①

  • 2021.03.05

今や、あらゆることに「エビデンス」や「ソース」が求められる時代です。OEMでの健康食品の商品開発、プロモーションにおいても確かな「エビデンス(科学的根拠)」が、攻めの面でも守りの面でも非常に重要となっています。しかし、科学的根拠も玉石混交。ただ「ある」というだけでは商品の差別化は難しいでしょう。また信頼性の低い根拠を利用した「エビデンス・マーケティング」は、措置命令などのリスクにさらされます。

そこで今回は、主に機能性表示食品に焦点をあて、科学的根拠の質とは何か、またその重要性について解説します。

目次
1.そもそも「科学的根拠」とは?
2.科学的根拠は何のために必要?
3.科学的根拠の「質」とは?
4.科学的根拠の「質」が低いと何が問題?
5.まとめ

そもそも「科学的根拠」とは?

Wikipediaには「科学的証拠または科学的根拠(Scientific evidence)は、科学的理論や仮説を支持したり反論したりする働きをする証拠である」とあります。科学的根拠とは文字通り「ある事柄・主張を裏付ける根拠であり、かつそれが科学的な性質を帯びているもの(すなわち実験や観察などによって検証されているもの)」と考えられます。

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科学的根拠は何のために必要?

機能性表示食品のガイドラインには、機能性表示食品が機能性表示食品たる条件として、下記のような説明がされています。

“機能性表示食品は、食品表示法(平成25 年法律第70 号)第4条第1項の規定に基づく食品表示基準(平成27 年内閣府令第10 号)第2条第1項第10 号に規定する安全性及び機能性に関する一定の科学的根拠に基づき、食品関連事業者の責任において特定の保健の目的が期待できる旨の表示を行うものとして、消費者庁長官に届け出られたものである。”

上記から、機能性表示食品は、商品の安全性・機能性が科学的根拠に基づいていることが前提条件として求められていることがわかります。では、なぜ食品の効果・効能を表示するために科学的根拠が必要なのでしょうか?

例えば、健康食品が持つ価値について、消費者は主にその宣伝や広告の内容から、判断することになります。しかし健康食品は食品という性質上、その価値(効果・効能)が広告内容の通りなのか確かめるには、購入・摂取しなければいけません。場合によっては、消費者が考えていた価値と、実際の価値の間に乖離が発生し、問題となることもあります。

その際、その商品が持つ価値を客観的に裏付ける根拠があれば、消費者はその情報をもとに、商品が持つ価値を正しく判断することができます。そして、その際に客観的な根拠としてよく利用されるのが「科学的根拠』になります。なぜならば、実験や観察による学術的な検証が求められるという性質上、販売する側の主観が介入しにくく、ある程度の客観性が保たれるためです。

そのため、「機能性表示食品を販売するにあたって、なぜ科学的根拠が必要なのか」という問いに対する回答としては、狭義では、「機能性表示食品を届出・販売するのに必要」ということになりますが、本質的な意義を考えると、「消費者のより適切な商品選択に資するため」と言えるでしょう。

科学的根拠の「質」とは?

ここで、科学的根拠における「質」について、考えてみましょう。

科学的根拠の質は、研究の試験方法(偽薬と効果の比較を行っている/いない、被験者や試験実施者は、偽薬又は試験食品どちらを摂取したのか明らかにしている/いない、被験者の群分けは無作為に行っているのか、どのような性質の被験者をどの程度の規模で行った試験なのかなど)や、刊行物としての種類(社内報告書、論文、レビューなど)、研究実施者の利益相反(被験者や原料メーカーとの利害関係など)などによりその質が決まります。当然、質の高い文献と質の低い文献を比較した際、説得力を持つのは前者です。

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科学的根拠の「質」が低いと何が問題?

では、機能性表示食品の届出時に提出する科学的根拠はなんでもよいのでしょうか?答えはNOです。

まず前提として、機能性表示食品のガイドラインの中で、必要な科学的根拠の最低限の基準が明記されています。ガイドライン記載の基準を満たさない科学的根拠を使用した届出はできませんし、仮に届出公開となってもその後、撤回リスクがつきまといます。

では上記の最低限の科学的根拠があれば問題ないかといえば、必ずしもそうではありません。

2020年3月に公開された「事後チェック指針」(正式名称:機能性表示食品に対する食品表示等関係法令に基づく事後的規制(事後チェック)の透明性の確保等に関する指針)には、このような記載があります。

“新たな科学的知見により、届出された根拠資料が科学的な合理性を欠くこととなることが判明した場合には、食品表示基準に規定する機能性表示食品の要件を満たさなくなるため、ガイドラインに基づき速やかに届出の撤回を行う必要があるとともに、景品表示法上問題となるおそれが生じ得るが、当該事象を速やかに把握し、当該撤回の対応を速やかに行った限りにおいて、景品表示法上問題となるものとは取り扱わない。”

具体的に説明すると「研究レビューを作成し、それをもとに届出・販売となった後に、機能性関与成分に関するネガティブな論文が出された場合、すぐに修正すれば景品表示法上の問題として扱いません」ということです。

逆に言えば、研究レビューは実施したのみで終わりではなく、事業者は、届出した研究レビューについて、最新の知見を踏まえて問題ないかの定期的なチェックの責任が求められるということです。

ここで、科学的根拠の質が関わってきます。研究レビューの結論は「totality of evidence(採用文献全体を見て、総合的に肯定的といえるかどうかを判断)」の考えのもと行うため、より質の高いポジティブな結果の文献を採用文献としていれば、新たにネガティブな知見が出てきても、それによって結論が覆されるリスクは小さくなります(逆の場合、研究レビューの結論に覆される可能性は当然高くなります)。

上記は商品を販売する上でのリスクに繋がりますので、販売に力を入れたい商品ほど、より質の高い科学的根拠を用意するのが望ましいと考えられます。

もっと言うと、「質の低い科学的根拠」とは、「その食品に効果があると言える根拠が薄弱」ということです。つまり、質の高い厳密な試験を行った場合に効果が得られない可能性も高いわけです。このような成分は、本来効果を有さない成分です。それにもかかわらず、「〇〇の機能があります」と訴求して販売しているわけですから、消費者を欺くことになります。

近年、企業の社会的責任への関心が高まっている事も考慮すると、事業者は科学的根拠の質に対して、自らもっと厳しい目で見る責任を有すると考えられます。
更に言えばOEM企業選定時にも、この「科学的根拠」に対して厳しい基準を有する企業がパートナーとして相応しいでしょう。

まとめ

以上、科学的根拠についての解説、いかがでしょうか?今回は、科学的根拠の本質的な意義や、質の重要性に焦点をおいてお話しました。具体的にどういう科学的根拠が質の高いものと言えるのか、についてはまたの機会に解説したいと思います。

なお、本記事で紹介した「事後チェック指針」では、機能性の科学的根拠として不適切なNG例が具体的に記載されています。販売中の商品、ないし販売予定の商品に関しても、一度本指針に沿ったものであるか、いま一度確認してみてください。

出典:
・機能性表示食品の届出等に関するガイドライン
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/assets/foods_with_function_claims_210322_0002.pdf
・機能性表示食品に対する食品表示等関係法令に基づく事後的規制(事後チェック)の透明性の確保等に関する指針
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/pdf/about_foods_with_function_claims_200324_0003.pdf

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