機能性表示食品の商品開発について。設計と製造を解説

  • 2022.06.07
機能性表示食品 開発

本記事では、機能性表示食品の開発における「商品の設計と製造」を軸に解説します。商品を設計する際にどのようなことに気を付ければよいのか、また、製品の品質を管理するためにどのような取り組みが必要なのか、などを確認していきましょう。

機能性表示食品 OEM開発シリーズ
「機能性表示食品を開発、販売したい!」という場合、商品開発から消費者庁への届出、製造、販売までにさまざまなステップが必要です。そこでシリーズとして、本記事以外にも機能性表示食品OEM開発のポイントを解説しているので、合わせてご確認ください。

機能性表示食品の「エビデンス」を解説 ~有効性・安全性の担保
機能性関与成分とは?概要から分析方法まで解説
機能性表示食品の「表示」を解説。記載義務や禁止事項とは
機能性表示食品の「届出」を解説。事前準備から事後対応まで

*本シリーズは、消費者庁「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」1)に基づいています。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/assets/foods_with_function_claims_220401_0002.pdf

目次
1.機能性表示食品とは?
2.機能性表示食品を開発する際の流れ
3.機能性表示食品開発:商品企画・設計のポイント

3-1.製造時に機能性関与成分の有効量がきちんと入っている
3-2.機能性関与成分の賞味期限
3-3.機能性関与成分以外の原料の組み合わせ
4.機能性表示食品開発:商品製造のポイント
4-1.一定の品質を維持する製造体制
4-2.認証制度を活用した衛生管理体制
5.まとめ

機能性表示食品とは?

機能性表示食品とは、特定の保健の目的が期待されるような機能性の表示(ヘルスクレームの表示)ができる食品のことを指します。機能性表示食品は以下のように分類され、「保健機能食品」に属します。

この保健機能食品のうち「特定保健用食品(トクホ)」では、国が個別に審査・許可したヘルスクレーム表示が可能です。また、「栄養機能食品」では、国の規格基準に従ってビタミン・ミネラルなどのヘルスクレーム表示のみができます。

しかし、「機能性表示食品」は上記の2つとは異なり、国ではなく事業者自らの責任において、エビデンスを基にしたヘルスクレーム表示をすることができる制度となります。「睡眠」「ストレス」「血管の柔軟性」などのヘルスクレーム表示をすることが可能です。ただし、商品として販売する前に、国の定めるルールに基づき食品の機能性、つまり有効性と安全性に関する科学的根拠(エビデンス)などの必要事項を事業者が消費者庁に提出し、審査を受ける必要があります。

なお、一般食品や健康食品は機能性の表示(ヘルスクレームの表示)を行うことができません。

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機能性表示食品を開発する際の流れ

機能性表示食品をOEMで開発する際、大きく分けて以下の4つの工程で進むことになります。

①商品企画・設計
・市場動向や消費者ニーズの調査
・調査結果から商品コンセプトやイメージを具現化する

②試作/予算・スケジュール策定
・食感や色、香りなど味や体感性を試作品で実現する
・スケジュールや予算を確定する

③商品開発/食品表示法などの諸法規関連業務
・関連法規の調査
・デザインの作成
・機能性表示食品の届出~受理

④商品製造/納品
・製造・品質検査
・納品

これらのプロセスを経て、機能性表示食品を完成させることができます。納品後は、販売活動の工程となり、市場、消費者の調査を行い販売データを蓄積して課題を抽出します。それによって、売上改善につながることでしょう。

このうち本記事では、機能性表示食品開発においてより重要な点である「商品企画・設計」と「商品製造」におけるポイントを解説していきます。

なお、機能性表示食品を開発する際の流れについて、対応時間やタスクなどの詳細についてもっと知りたい方は以下よりご覧ください。

無料OEM 商品企画~製造の流れガイド~
【健康食品・サプリメント編】

機能性表示食品開発:商品企画・設計のポイント

まずは、機能性表示食品の商品企画・設計時のポイントについて解説します。機能性表示食品は、エビデンスに基づいた有効性を保証するために、製品にきちんと機能性関与成分(以下、関与成分)が有効量含まれていることが求められます。

そのため、商品の設計上、下記の注意点があります。

  • 製造時に機能性関与成分の有効量がきちんと入っている
  • 機能性関与成分の賞味期限
  • 機能性関与成分以外の原料の組み合わせ

製造時に機能性関与成分の有効量がきちんと入っている

機能性関与成分とは、機能性表示食品ごとに含まれている特徴的な有効成分のことを指します。「機能性表示食品」として販売するためには、この機能性関与成分が有効量含まれている必要があります。そのためには、製造時のロット間の差や原料中の成分含量のロット間の差など、さまざまな影響を加味した関与成分の配合量の設定が求められます。

機能性関与成分の賞味期限

上述の通り、機能性関与成分が有効量含まれている必要がありますが、ただ含まれているだけでは不十分です。賞味期限まで有効量が維持できているかどうか、が重要となり、それを担保できるかどうかを確認するための方法として安定性試験があります。

安定性試験は、経時的に関与成分分析を行い、減衰の有無を確認する方法です。安定性試験を行った結果、もし事前に想定していた賞味期限より前に成分が減衰してしまった場合は、賞味期限を短く設定したり、商品を再設計したりして、表示値を下回らないようにしなければなりません。もちろん、関与成分以外にも、風味や水分等の品質に劣化が生じていないことの確認も必要です。

機能性関与成分や安定性試験の詳細は以下の関連記事よりご覧ください。

機能性関与成分とは?概要から分析方法まで解説

機能性関与成分以外の原料の組み合わせ

機能性関与成分以外の原料においても、組み合わせに注意が必要です。原料によっては、機能性関与成分の分析や製造がうまくできなくなる可能性があります。

一方で、組み合わせ次第では付加価値が高まる場合もあります。効果を助長するような組合せ特許や嗜好性を高める特許のほか、ダブルヘルスクレーム、つまり2つの有効性・機能を示すことができる機能性表示食品を開発できるかもしれません。

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機能性表示食品開発:商品製造のポイント

商品企画・設計に続いては、実際に機能性表示食品を製造する際のポイントについて解説します。当然のこととして、製造においては商品が一定の品質で、かつ衛生的につくられることが大切です。加えて機能性表示食品においては、「製造したすべての製品に、表示された量の関与成分が含まれること」が求められます。

一定の品質を維持する製造体制

実際に機能性表示食品を製造すると、関与成分の含有量が一定でなかったり、製造初期と製造終了間際で含有量が大きく異なったりする場合があります。これを防ぐために以下のような対策を行い、一定の品質を維持することが大切です。

  • あらかじめ関与成分量のバラつきがないような製法を検討しておく
  • 製造された製品からサンプリングを行い、出荷前に検査をする

認証制度を活用した衛生管理体制

機能性表示食品においては、届出しようとする食品を「生産・製造するすべての施設ごとに、品質管理の取り組み状況について、届出資料中に記載すること」が求められます。

そのため、下記のようなさまざまな認証制度1, 2)を活用して、衛生管理の体制を整えることが重要です。主な認証の種類としては、以下のようなものがあります。

認証の種類 概要
GMP Good Manufacturing Practice の略称。製造業者に求められる「適正製造規範」(製造管理・品質管理基準)。品質管理とは、原材料の入荷、検品から製造、製品の包装、出荷管理、製品保管、回収処理などに係る業務のこと。
HACCP
(ハサップ)
Hazard Analysis and Critical Control Point の略称、「危害要因分析重要管理点」。原材料の受入れから最終製品までの工程ごとに、①微生物、化学物質、金属の混入などによる潜在的な危害を予測(危害要因の分析)した上で、②危害の発生防止につながる特に重要な工程(重要管理点)を継続的に監視・記録する工程管理のシステム。コーデックス委員会により、HACCP システムとその適用のためのガイドラインが示されている。
ISO 22000 ISO(International Organization for Standardization / 国際標準化機構)が策定した、食品安全マネジメントシステムに関する国際規格。危害要因を分析した上で重要管理点を継続的に監視・記録する工程管理システムを HACCP から、品質マネジメントシステムの考え方をISO 9001 から、それぞれ取り入れたISO規格。
FSSC 22000 Food Safety System Certification 22000 の略称。ISO 22000を追加要求事項で補強した食品安全マネジメントシステムに関する国際規格。GFSI(Global Food Safety Initiative)によって、ベンチマーク規格の一つとして承認されている。

FSSC 22000とISO 22000、ISO 9001-HACCPとの関係は下図のようになります。

出典:JQA 一般財団法人 日本品質保証機構
https://www.jqa.jp/service_list/management/service/fssc22000/

ガイドラインの中には「サプリメント形状の加工食品については、GMPに基づく製造工程管理が強く望まれる」という記載があるように、衛生・品質管理体制が整った製造所で製造を行うことは非常に重要です。

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まとめ

いかがでしょうか。今回は、機能性表示食品の商品開発をメインテーマに、企画・設計と製造工程におけるポイントについて解説しました。

機能性表示食品を開発する上で、この2つの工程は商品として販売できるかどうかを左右するほど、非常に重要です。本記事でご紹介した点以外にも、細かく守るべき注意点が存在しますが、すべてを遵守するのは難しいでしょう。

その際は、東洋新薬にお任せください。これまで多くの機能性表示食品の届出を行ってきた実績があり、届出件数、独自エビデンス数、ラインナップ数(ヘルスクレーム+関与成分数)でいずれも業界No.1*を誇ります。

商品設計に関してもさまざまなノウハウがあり、お客様の商品開発をしっかりとサポートすることが可能です。また品質管理に関しても国内GMP、米国GMP、FSSC 22000の認証を取得しており、安心して製造をお任せいただけます。

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機能性表示食品の商品開発を例に、健康食品・サプリメントのOEM製造の流れを細かくまとめた資料です。お客様側とOEM側のそれぞれの対応や注意点などをご紹介します。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2023年1月20日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2022年8月31日時点、自社調べ)

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