「動脈硬化」の防ぎ方~人間ドックで受けられる検査4選

  • 2021.10.05

日本人のおよそ20%が、動脈硬化による心疾患や脳血管疾患で亡くなることをご存じでしょうか1)。動脈硬化は自覚症状なく進行することが多く、早めのケアが重要です。

しかし、健康診断では動脈硬化の危険因子であるコレステロール、血圧、血糖値は測定できますが、動脈硬化の程度や血管機能を測定する検査は通常の項目に入っていないのが現状です。これらの検査は、健康診断より詳しい検査を行う人間ドックで受診することが可能です。

そこで今回は、人間ドックで受診可能な動脈硬化検査を4つ、ご紹介します。

監修:さくら総合病院 循環器センター長 梅津 拓史 先生

目次
1.人間ドック健診で受けられる動脈硬化検査とは
1-1.血管拡張機能検査(flow-mediated dilation ; FMD)
1-2.血圧脈波検査
1-3.頸動脈エコー検査
1-4.冠動脈CT検査
2.まとめ

人間ドック健診で受けられる動脈硬化検査とは

動脈硬化とは「血管内が狭くなり、また通常はしなやかな血管が厚く・硬くなった状態」のこと。詳しくは「血管内へのプラーク(コレステロールをはじめとした脂質の塊)の形成と、動脈壁の肥厚・硬化が生じている」症状です。

動脈硬化の初期病変である血管内皮機能を評価できる検査としては「血管拡張機能検査(flow-mediated dilation ; FMD)」、硬化病変を評価する検査としては「血圧脈波検査」、硬化病変以降の進行度を評価する検査としては「頸動脈エコー検査」や「冠動脈CT検査」があります。

上記4種類の検査は人間ドックの基本項目には含まれていませんが、オプションの1つである「動脈硬化ドック」(施設によっては「血管ドック」と呼ばれることもあります)で簡単に受けることができます。

以下、それぞれの検査の概要について、説明します。

動脈硬化と人間ドックで受けられる検査

①血管拡張機能検査(flow-mediated dilation ; FMD)

FMDは初期の動脈硬化病変である血管内皮機能低下を評価する検査方法です。具体的には、腕の動脈を締め付けて血流を止め、その後血流量の増加により血管内皮細胞から一酸化窒素(NO)が放出される際の血管の拡張度を見ることで、血管内皮機能を評価します。

FMDの値には男女差があり、加齢に伴って減少することが知られています。男性では、50~60代以降で約5%程度に低下し、女性では、50代で約6%、60代以降で約5%程度まで低下する2)ことが報告されています。まだ明確な基準値は設定されていませんが、6%以上が正常範囲と考えられており3)、3%未満になると心血管疾患が増えるという報告があります4)

②血圧脈波検査

血圧脈波検査は血管の硬さの指標である上腕‐足首間脈波伝播速度(Brachial-ankle Pulse Wave Velocity ; baPWV)あるいは心臓足首血管指数(Cardio Ankle Vascular Index ; CAVI)や、詰まり具合の指標である足間接上腕血圧比(Ankle Brachial Index ; ABI)を測定することで、動脈硬化の進行度を知ることができます5)

血管の硬さの指標の1つであるbaPWVは、個々の動脈硬化リスクで値が上昇するだけでなく、心血管リスクの総和を反映する指標と考えられています2)。また、心血管疾患の発症は約1800cm/secを境に増加するとされています5)。同じく血管の硬さの指標の1つであるCAVIは、脈波伝播速度と上腕血圧から求めた、測定時血圧に依存しない指標となります。心血管疾患で高値を示し、その境となる値は9.0とされています6)
血管のつまり具合の指標であるABIは、上腕収縮期血圧の左右いずれか高い値と足間接収縮期血圧の比から求められます。値が小さくなるほど脳心血管病発症リスクが高まり、その境となる値は0.90とされています5)

③頸動脈エコー検査

頸動脈エコー検査は、脳に血液を送る首の動脈である頸動脈の様子について、超音波を用いて観察する検査であり、動脈硬化の早期発見や進行具合を評価することができます7)

その際に計測されるのが、動脈硬化の指標の1つである内膜中膜複合体肥厚度(Intima Media Thickness ; IMT)およびプラークです。IMTは、内膜、中膜、外膜の三層からなる血管の構造のうち、内膜と中膜を併せた厚さのことです。頸動脈のIMTは加齢により肥厚することが知られていますが、1.1mmを超えると動脈硬化ありと診断されます7)。プラークは、血管壁に限局的に突出した隆起性病変のことで、粥腫ともいわれています。部位、サイズ、表面の形態、内部の性状、可動性などで評価しますが、注意すべきプラークは可動性プラーク、低輝度プラーク、潰瘍形成を認めるプラークなどが挙げられます8)

また、頸動脈IMTやプラークは、全身の動脈硬化の程度を推定する指標となります。

④冠動脈CT検査

冠動脈CT検査では、これまで心臓カテーテル検査でしか分からなかった心臓の冠動脈の内腔状態(狭窄度など)を比較的非侵襲的に評価することができます9)。また、冠動脈内腔の情報ばかりでなくプラークの存在や性状を含めた血管内壁の状態を画像化することができます10)

特に、冠動脈狭窄の診断精度について陰性適中率(検査結果が陰性となったとき、実際に陰性である確率)が極めて高いことから,冠動脈CT検査で有意狭窄が認められなかった場合は,冠動脈狭窄はほぼ否定されるとされています10)

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まとめ

いかがでしょう。今回は、人間ドックで受診可能な、動脈硬化の程度や血管内皮機能を評価する4つの検査をご紹介しました。血管内皮機能が低下し始めた段階であれば適度な有酸素運動、減量、禁煙や食塩摂取制限などの生活習慣の改善により11)、回復させることが可能です。血管内皮機能を直接評価できる血管拡張機能検査(FMD)を受けることで、自身の状態をいち早く把握、早めにケアすることが大切です。併せて血圧脈波検査や頸動脈エコー検査、冠動脈CT検査などを受けて自身の血管状態をトータルで知ることが、動脈硬化を進行させないためにも非常に重要です。目に見えない状態で進行する動脈硬化だからこそ人間ドックと併せて検査を受け、早期発見に努めてはいかがでしょうか。

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1) 令和元年(2019)人口動態統計(確定数)の概況(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei19/index.html
2) Tomiyama H. et al., The Relationships of Cardiovascular Disease Risk Factors to Flow-Mediated Dilatation in Japanese Subjects Free of Cardiovascular Disease. Hypertension Research. 31, 2019-25, 2008.
3) 人間ドック健診における動脈硬化対策に実施するべき検査,人間ドック,2016;30(5):809-21
4) Masato K. et al., Combination of Flow-Mediated Vasodilation and Nitroglycerine-Induced Vasodilation Is More Effective for Prediction of Cardiovascular Events. Hypertension. 67, 1045-52, 2016.
5) 循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2011‒2012 年度合同研究班報告)血管機能の非侵襲的評価法に関するガイドライン
6) 高血圧治療ガイドライン2019
7) 厚生労働省 e-ヘルスネット
 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-097.html
8) 超音波による頸動脈病変の標準的評価法 2017
9) 慢性冠動脈疾患診断ガイドライン(2018年改訂版)
10) 冠動脈病変の非侵襲的診断法に関するガイドライン
11) 血管内皮機能測定の意義, 心臓, 48, 476-479, 2016.

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