エイジングケアで注目の「NMN」とは?話題の成分を徹底解剖

  • 2022.02.08
NMN(β-ニコチンアミドモノヌクレオチド)とは

今回は、アンチエイジングが期待できるとして注目のNMN(β-ニコチンアミドモノヌクレオチド)についてのご紹介です。 その効果のメカニズムなどの詳細、OEM商品開発時の注意点などを解説します。

目次
1.NMNとは?
1-1.NMNとNADについて
1-2.サーチュイン遺伝子について
2.NMNを取り巻く状況
2-1.NMNが注目されている背景
2-2.NMNに関連する市況
2-3.その他、NMNにまつわる近況
3.NMNで期待されている効果と臨床試験
3-1.NMN摂取で期待されている効果
3-2.NMNの臨床試験
4.NMNの摂取について
4-1.NMNの摂取量
4-2.NMNを摂取する方法
5.NMNのOEM商品開発時の注意点
5-1.過剰摂取への注意喚起が必要
5-2.信頼できるOEMメーカーへ依頼をする
6.まとめ

NMNとは?

「NMN」とは、ビタミンB3群に含まれる「β-ニコチンアミドモノヌクレオチド」の略称で、あらゆる生物の細胞内に存在し、体内でも生成される物質です。

「NMN」は私たちの身体機能を保つのに必要な「NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」という物質に変換されます。NADはすべての生物種に存在する補酵素であり、老化や寿命を制御するとされる「サーチュイン遺伝子」を活性化させる働きがあります。しかし、年齢とともにNADは各臓器で減少し、「NMN」を体内で作る能力も減少してしまいます。

NMNとNADについて

専門家の研究によると、「NMN」を体外から投与することで、体内のNAD量が増加すると報告されており、その手段の一つとして「食品からの摂取」という方法があります。

「NMN」を多く含む食品は、枝豆、ブロッコリー、キュウリなどが挙げられますが、その含有量は極めて微量であり、老化現象を遅らせる効果を食事からの補給だけでは必要量を補うことが難しいとされています。そのため、「NMN」含有の栄養補助食品やサプリメントによる摂取が有効とされ、近年世界中で人気が高まっています。

現時点では、不老不死、つまり老化をなくしたり若返りを図ったりするまでには至っていません。それでも、加齢によって減少したNADを増やすなど、最先端の抗老化研究の成果を社会実現することで、老化を遅らせて実年齢よりも身体機能を若く保つなどのアンチエイジングが大いに期待できると考えられます。

NMNとサーチュイン遺伝子について

サーチュイン遺伝子とは、生物の老化や寿命を制御しているとされる遺伝子のことで、「長寿遺伝子」とも言われています。マサチューセッツ工科大学のレオナルド・グアレンテ教授とワシントン大学医学部の今井眞一郎教授が共に老化や寿命のメカニズムを研究した結果、サーチュイン遺伝子が作り出す「サーチュイン(SIRTUIN)」というタンパク質が、老化・寿命を制御する特別な酵素であることを突き止め、2000年にネイチャー誌にて発表しました。

このサーチュインは細菌から哺乳類まで幅広く存在し、ヒトには7種類存在することが明らかになっています。「老化・寿命を制御する」の具体的な働きとしては、免疫細胞を活性化させる、ストレス抵抗性が高まる、血管の老化を抑える、傷ついた遺伝子を修復するなど、さまざまな局面で重要な役割を果たしていることが分かってきました。

また、このサーチュインは普段「スイッチOFF」の状態になっており、上記の働きをするにはそのスイッチをONにする必要がありますが、そのトリガーの一種が「摂取カロリーの制限」です。カロリー制限によって解糖系代謝が低下し、ミトコンドリア呼吸が促進、ATP(エネルギー)が産生され、細胞内のNADが増えることで、サーチュイン遺伝子のスイッチがONになるというメカニズムであることが判明しています。

このように、種を超えて存在するサーチュイン遺伝子は、いわばカラダの中にある指揮者みたいな存在で、老化抑制の中心的な因子として働いています。しかし、常にカロリー制限をするのは、容易ではありません。そこで、人為的にサーチュイン遺伝子を目覚めさせるために役立つのが、NMNということになります。

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NMNを取り巻く状況

NMNが注目されている背景

2020年7月31日に厚生労働省が発表した2019年の日本人の平均寿命は、男性81.41歳、女性87.45歳。総務省統計局の調査によれば、2025年には65歳以上の人口割合が30%を超えると見込まれており、超高齢化社会に突入しています。そんな「人生100年時代」とも言われる昨今、「いつまでも元気に動ける身体でありたい」という意識の高まりを背景に長寿に関する研究が進んでおり、その中でもエイジングケア分野で近年急速に研究が進む素材が「NMN」です。

「若返りサプリメント」として中国や米国などで人気に火が付き、近年では日本における市場形成も本格化してきています。国内では、2020年3月31日に厚生労働省「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」(非医薬品リスト)に追加され、注目度が上昇しました。これまでも、「CoQ10」「L-カルニチン」など規制緩和後に人気に火が付いた前例もあり、「NMN」市場の形成に期待が膨らむと共に、「NMN」を取扱う原料サプライヤーも増加、Eコマースを中心にサプリ、化粧品の上市の動きが広がってきています。

NMNに関連する市況

厚生労働省による「非医薬品リスト」追加で、NMNがメディアでも取り上げられたほか、食品関連の展示会でもNMN関連商材が多数、出品されました。加えて、以前と比較して原料価格が下がったことも追い風となり、NMN関連商品の開発がますます活発化しています。大手企業がNMNサプリメントの販売に乗り出すなど、日本における市場形成が加速していると言えるでしょう。

それを裏付けるように、健康産業新聞がOEM企業を対象に行った調査では、2021年下期の人気受注素材として、2017年から4年連続で1位だった「乳酸菌」を抜き「NMN」がトップに。さらに、2022年上期の受注素材の予想1位も、「NMN」に。日本におけるNMNの2020年素材市場規模は26億円(見込み)、2027年には148億円の規模に達すると予想されています。
(2021年3月11日、健康産業流通新聞:https://www.him-news.com/news/view/5069

国内サプリメント市場では、2019年5 月に帝人のグループ会社NOMONがNMN配合サプリメント「ナダルタス®」を上市。1 粒あたり125mgのNMNを配合し、原料から最終製品まで日本国内で一貫製造、1ヵ月分で15万円という価格設定もあり、業界を賑わせました。
(2020年2月1日、健康産業新聞:https://www.kenko-media.com/health_idst/archives/13290

その他、NMNにまつわる近況

NMNの最新研究によると、ワシントン大学の今井教授を中心とした研究チームが「NMN」に顕著かつ広範囲な抗老化作用があり、血中循環中に存在するNAD合成系酵素「eNAMPT」が老化・寿命に重要な役割を果たすことを確認しています。
(2020年7月29日、健康産業新聞:https://www.kenko-media.com/health_idst/archives/14422

中国や米国の愛用者も増加傾向にあり、日本ではサプリ販売以外にクリニックでの点滴治療などの注目も高まっています。先日も実業家の堀江貴文氏がラジオ番組で「愛用している」と発言したことで、話題になりました。

以上のように、NMNは「若返り」など美容のイメージが強いのですが、加齢に伴い減退する臓器機能の回復など身体の老化抑制が確認されており、幅広い生理機能でもさまざまな展開が期待され、今後も市場が拡大していくとみられています。

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NMNで期待されている効果と臨床試験

NMN摂取で期待されている効果

NMNを摂取することで、主に以下のような効果が期待されています。
・老化の進行を緩やかにする
・免疫力の向上
・骨密度増大
・肥満や糖尿病などの生活習慣病予防 など

このような効果の裏付けとして、臨床試験が行われています。ただし、臨床実験数はまだまだ少ないといえるため、将来的な影響などの動向を注視する必要があります。

NMNの臨床試験

NMNは細胞の中に存在するビタミンの一種なので、加齢とともに減少する特徴があります。そこで、NMNを摂取して人為的に増やし、身体が持っている抗老化の機能を補正できるのではないかと考えられ、さまざまな実験が行われました。これまでの研究では、糖尿病の改善のほか、NMNを早いうちからマウスに摂取させることで、神経細胞の減少を食い止め、アルツハイマーの発症を抑える効果も確認されました。ただし、これらはマウスでの研究成果であり、人への効果が気になります。

そして2021年4月22日、米ワシントン大学医学部の研究チームによる「世界初のNMN臨床試験に関する成果論文」が米科学誌「Science」のオンライン版に掲載されました。この臨床試験を行ったのは、同大医学部部門・人間栄養センター長のサミュエル・クライン教授と同大医学部発生生物学部門・医学部門の今井眞一郎教授の研究チーム。前糖尿病(糖尿病予備軍)で肥満、閉経後の女性25人(55~75歳)を無作為に2群に分け、13人は1日250mgのNMN、12人はプラセボ(偽薬)を10週間経口摂取しました。

結果①:NMN を飲んだグループで、骨格筋でのインスリンの働きが 25 %上昇。Ⅱ型糖尿病やその予備軍で低下する糖の取り込み機能が改善した。

結果②:筋肉の再構築を促す遺伝子の働きが高まった。(臨床試験で初めて確認)

糖の取り込み機能が改善すると結果的に内臓脂肪が低下するなど、次の仮説が立てられそうです。今後もさらに、研究が進んでいくでしょう。

参考:https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00004/051400277/

NMNの摂取について

NMNの摂取量

NMN自体は薬ではないため、最適な量は明確になっていないものの、上記の臨床試験では1日250㎎を10週間摂取しています。また、今後の臨床試験では、1日300㎎のNMNを投与する計画も進行中です。研究次第ではありますが、安全性が確認されている上限量を理解したうえでの摂取が推奨されます。

NMNの摂取方法

NMNを摂取するには、以下のような手段が考えられます。
・食品:野菜などの自然食品からの摂取
・サプリメント:経口摂取
・美容液、シートマスク:NMN成分配合製品による肌からの摂取
・点滴療法:NMN成分配合の製剤を点滴で摂取する医療行為

自然食品に含まれるNMNの量は以下の通りです。

食品 NMN含有量 mg/100g NMN250㎎摂取するには
枝豆 0.47~1.88 53,000粒
アボカド 0.36~1.6 600個
ブロッコリー 0.25~1.12 6,700房
トマト 0.26~0.30 600個

多く含まれている枝豆ですら53,000粒で250mgに相当し、他の野菜も現実的でないため、1日250mgの摂取を仮定した場合、他の方法を検討しましょう。

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NMNのOEM商品開発時の注意点

過剰摂取への注意喚起が必要

NMNは摂取し過ぎた場合の副作用として、「フラッシング症状」と呼ばれる顔のほてり、かゆみのほかに、胃腸障害、肝機能障害などを引き起こす場合があります。

ですので、NMNをサプリメントとしてOEM商品開発する場合は、1日の摂取量を越えないように調整する必要があるとともに、過剰摂取を防ぐ注意喚起が必要です。

信頼できるOEMメーカーへ依頼をする

NMNは中国の富裕層を中心に注目が高まった経緯から、初期は中国産の原料が主流でしたが、最近では国内製造も増えてきており、その製造先は玉石混交と言えます。研究機関の調査で、「一部のNMNサプリで、生体には存在しない不純物が検出された」との報告もあったとのことで、粗悪品や含有量かさ増しなどのリスクがあり、原料には特に注意しましょう。
参考:https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00043/090800005/?P=3

NMNサプリの商品製造をOEMメーカーに依頼する場合は、食品として正規輸入された原料を扱う、また製造管理がしっかりとした信頼できるOEMメーカーに依頼しましょう。

関連情報:失敗しない化粧品OEMメーカーの使い方

まとめ

いかがでしょうか。今回は「若返りサプリ」としてエイジングケアなどで注目されているNMN(β-ニコチンアミドモノヌクレオチド)について、概要から最新情報、効果の裏付けとなる臨床試験、そしてNMNのOEM商品開発時の注意点をお伝えしました。

東洋新薬では品質にこだわり、NMNの原料も純度99%以上のものを主に、お客様のご希望に合わせて、国内製造のものや、他国で価格を抑えられるものなど、幅広く取り揃えております。また、サプリメントの形状についても、剤型やハードカプセル、顆粒品など、摂取しやすい形をご提案します。

どんなターゲットに向けて、どのようなコンセプトの商品を開発したいのかによって、ベストな成分・処方をご提案しますので、NMNサプリのOEM商品開発の際は、ぜひお気軽にお声がけください。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2023年1月20日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2022年8月31日時点、自社調べ)

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