肌の潤いを守る―「大麦若葉末」と「米由来グルコシルセラミド」~健康食品・サプリOEM商品開発のヒント

  • 2024.04.25

今回は、乾燥肌に悩む方向けの、健康食品・サプリメントOEM商品開発のヒント。

「肌の潤いを守る」訴求が可能で、機能性に関するエビデンスがしっかり整っている素材「大麦若葉末」と「米由来グルコシルセラミド」をご紹介します。ぜひ、健康食品・サプリメントの商品開発時に参考にしてください。

目次
1.乾燥肌への有効な対策は?
2.「肌の潤いを守る」訴求が可能な素材のご紹介
2-1.①「大麦若葉末」
2-2.②「米由来グルコシルセラミド」
3.まとめ

乾燥肌への有効な対策は?

多くの方が悩む「乾燥肌」。改善には化粧水などで外側から潤いを与えるケアが一般的です。

しかし、根本的な対策には内側から水分を与えること、さらには与えられた水分を肌内部にキープできるように肌そのものを整えることが大切です。

ネットで検索すると、乾燥肌の方におすすめの食事、食べ物、栄養素などの情報もたくさん出てきます。日頃の食事はもちろんとても大事ですので、意識して乾燥肌によいものを食べるように心がけましょう。

無料OEM 商品企画~製造の流れガイド~【健康食品・サプリメント編】

「肌の潤いを守る」訴求が可能な素材のご紹介

①「大麦若葉末」

●「大麦若葉末」とは
大麦の出穂前の茎葉部を乾燥、微粉砕加工した機能性素材です。機能性表示食品としては、大麦若葉由来食物繊維を機能性関与成分とした「便通改善作用」「腸内環境改善作用」そして「肌の潤いを維持して肌の健康を守るのを助ける」旨の表示で届出公開実績があります。

肌の潤いに関するエビデンスがしっかりとある素材であることに加えて、緑は健康にも良いことが感じられる色です。商品開発の際の候補としていかがでしょうか。

●そもそも腸内環境とは?
ヒトの腸内には、100兆個、種類にして約1000種類もの細菌が住み着いており、腸内細菌叢(腸内フローラ)を形成しています。

腸内細菌は大きく分けて以下の3種類に分類され、身体に与える影響がそれぞれ異なっています。

・善玉菌
ビフィズス菌・乳酸菌・酪酸菌など、身体によい影響を与える菌の俗称。オリゴ糖や食物繊維を代謝して増殖し、短鎖脂肪酸を産生することで大腸の蠕動運動を促進し、排便をスムーズにするなどの作用をもたらす。

・悪玉菌
ウェルシュ菌や一部のサルモネラ菌など、身体に悪い影響を与える菌の俗称。タンパク質や脂質を代謝することによって増殖し、腐敗産物を産生し便秘や下痢の原因となる。

・日和見菌
バクテロイデス菌など、善玉菌と悪玉菌のいずれにも属さない菌の俗称。善玉菌と悪玉菌で、腸内に占める割合が優位な方と同じ働きをする。

腸内環境はこれら3種類の菌の腸内に占める割合によって、決定されます。

これらの理想的な比率は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7と言われています。善玉菌が悪玉菌より優位な状態を、「腸内環境が良い状態」と言います。

反対に善玉菌と悪玉菌の比率が逆転し、悪玉菌の占有率が善玉菌と比べ高くなってしまうと、腸内細菌叢の大部分を占める日和見菌が悪玉菌の味方をしてしまい、腐敗産物の産生が促進してしまいます。

そのため、善玉菌の割合を優位に保つことが重要なのです。

●「大麦若葉末」の、肌の潤いを守るメカニズム
大麦若葉末に含まれる大麦若葉由来食物繊維は、善玉菌である酪酸菌・乳酸菌を増殖させることで腸内環境を改善。腐敗産物の産生を抑制して血中への移行を抑制し、皮膚へ到達する腐敗産物を減らすことで、角化細胞の分化を正常化して皮膚の恒常性を維持し、肌の水分量を増加させると考えられています。

●大麦若葉末の腸内環境改善作用と肌改善作用について
ここまで、善玉菌の割合を優位に保つ重要性と、「大麦若葉末」の、肌の潤いを守るメカニズムについて説明してきました。ここからは、健康食品の商品開発に役立つ情報として、腸内環境改善作用と肌改善作用について「大麦若葉末」の実際にヒト試験で確認されているその効果についてご紹介します。

1週間あたりの排便回数が3~5回の20歳以上65歳未満の健常男女、55名を対象として、大麦若葉末配合粉末飲料(大麦若葉由来食物繊維として0.7g/日)、または大麦若葉末を含まない粉末飲料をそれぞれ4週間摂取させ、腸内細菌叢解析を実施しました。

その結果、大麦若葉末を含まない粉末飲料を摂取した被験者と比較して、大麦若葉末配合粉末飲料を摂取した被験者では、善玉菌である乳酸菌(Lactobacillus)および酪酸菌(Faecalibacterium, Roseburia)について、摂取前から摂取4週間後の占有率の変化値が有意に増加しました*1

また、肌の乾燥・かさつきを有する35歳以上50歳未満の女性を対象として、大麦若葉末配合粉末飲料(大麦若葉由来食物繊維として0.7g/日)、または大麦若葉末を含まない粉末飲料をそれぞれ8週間摂取させ、試験期間中の角層水分量を測定した結果、大麦若葉末を含まない粉末飲料を摂取した被験者と比較して、摂取4週間後および8週間後の角層水分量の有意な増加が確認されました*2

このように、大麦若葉の機能性関与成分である大麦若葉由来食物繊維は、プレバイオティクスとして効果を発揮し腸内の善玉菌を増殖させることが明らかになっており、この作用を介して皮膚状態の改善作用を示すと考えられています。

●大麦若葉末由来食物繊維を使った商品開発例
大麦若葉といえば青汁やグリーンスムージーという方もいらっしゃるのではないでしようか。もちろん青汁やスムージーなどにも可能ですし、形態も粉末や紙パック飲料、乳製品、菓子、麺、サプリメントなども可能です。

②「米由来グルコシルセラミド」

●「米由来グルコシルセラミド」とは
日本人の主食であるコメ(玄米)から得られる植物性セラミドです。本来、セラミドは水に溶けにくいと言われていますが、東洋新薬の扱うセラミドは特殊な製法を採用しており、高純度を保ちつつも高い溶解性を持ち、雑味が少ないことを特徴としています。機能性表示食品としては、米由来グルコシルセラミドを機能性関与成分とし、「肌の潤いを守るのを助ける」旨の表示で届出公開実績があります。こちらも、肌の潤いに関してしっかりとエビデンスがある素材です。

大麦若葉末由来食物繊維とともに、機能性表示食品の届出実績がありますので、届出表示内容をパッケージなどに示すことができ、消費者にも伝わりやすいと思います。

●セラミドとは
セラミドとは、肌の角質層に多く含まれる脂質成分。乾燥や外部刺激から肌の内部を守っており、加齢に伴いセラミドが減少することが報告されています。

●肌が乾燥する原因
私たちの肌は表皮で覆われています。乾燥と密接な関係にあるのが、表皮の一番外側にある角層です。

角層には「バリア機能」の役割があり、バリア機能が正常に働いていると肌の水分を保ち、蒸散を防ぐとともにアレルゲンなどの侵入や外部刺激から肌を守ります。

その角層は、角質細胞と細胞の間を埋める細胞間脂質から成り立っています。角質細胞はアミノ酸などの天然保湿因子(NMF)で満たされ、細胞間脂質はコレステロール、セラミドや脂肪酸などで満たされています。

正常に肌のバリア機能が働いている状態であれば、角層が外的刺激から肌を守り、肌内部の水分・脂質が逃げるのを防ぎ、潤いのある肌を保つことができます。ところが、下記に示すような原因によりバリア機能が低下すると、水分が逃げてしまいます。つまり、乾燥肌を起こさないためには、肌のバリア機能を守ることが大切なのです。

●「米由来グルコシルセラミド」の肌の潤いを守るメカニズム
米由来グルコシルセラミドはこのセラミドを増やすだけでなく、物理的・化学的な刺激から角層細胞を守る「コーニファイドエンベロープ」の形成を促すことや、細胞と細胞の隙間をシールして水分が体外に漏れ出してしまうのを防ぐ「タイトジャンクション」の働きを高めることで、肌から水分が蒸散するのを防ぐと考えられています。

●米由来グルコシルセラミドを使った商品開発例
セラミドといえば化粧品をイメージされる方が多いかと思いますが、飲料、乳製品、菓子、サプリメントなどの剤型にも使用可能です。

まとめ

いかがでしょうか。今回は、エビデンスがしっかりしていて「肌の潤いを守る」という訴求が可能な素材として「大麦若葉末」と「米由来グルコシルセラミド」をご紹介しました。

機能性表示食品や健康食品として豊富な実績のある「大麦若葉末」、「米由来グルコシルセラミド」にご興味ある方は、ぜひお気軽に東洋新薬までお問合せください。


【引用】
*1:松岡ら, 大麦若葉末含有食品が腸内細菌叢, 体調および便性状に与える影響-プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験-, 薬理と治療, 49, 1681-1688, 2021.
*2:上田ら, 大麦若葉末含有食品が皮膚状態に与える影響-プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験-, 薬理と治療, 49,1689-1695, 2021.

無料OEM 商品企画~製造の流れガイド~【健康食品・サプリメント編】

機能性表示食品の商品開発を例に、健康食品・サプリメントのOEM製造の流れを細かくまとめた資料です。お客様側とOEM側のそれぞれの対応や注意点などをご紹介します。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2023年1月20日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2022年8月31日時点、自社調べ)

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