フレイル対策商品・OEM開発前に知っておくべきポイントと関連素材「バナバ葉エキス」

  • 2024.02.19

健康食品・サプリの高齢層市場拡大と共に、高齢者の自立支援や要介護状態などの重度化を防ぐ「フレイル」対策商品への注目度が高まっています。

そこで今回は、フレイル対策商品をOEMで商品開発する際に、抑えておくべきポイントと、注目の素材「バナバ葉エキス」をご紹介します。

フレイル対策・予防商品のOEM開発を検討中の方、必見です。

目次
1.フレイルとは?
2.フレイルの判定基準
3.フレイル対策をしないとどうなる?
4.フレイル対策を開始すべき年齢は50歳から
5.フレイル対策商品の市場・具体的な対策商品
6.健康寿命を延ばすための4つのフレイル対策
6-1.フレイル対策①:栄養バランスの取れた食生活
6-2.フレイル対策②:適度な運動習慣を持つ
6-3.フレイル対策③:口(オーラル)と歯の健康を維持する
6-4.フレイル対策④:外出や交流を通して社会参加する
7.フレイル関連商品をOEM開発する際の、4つのポイント
7-1.ポイント①:機能性表示食品に対応できるOEM企業に依頼する
7-2.ポイント②:ODM対応ができる企業に依頼する
7-3.ポイント③:安全性が高いこと
7-4.ポイント④:類似商品の実績があること
8.フレイル対策商品のOEM開発から販売までの流れ
9.<フレイル関連素材のご紹介>
9-1.バナバ葉エキスの機能性「フレイル予防」
9-2.なぜバナバ葉エキスを摂取すると
「「歩行能力の向上」や膝の違和感の軽減」
「肩や腰の負担の軽減」の効果が得られるのか?
10.まとめ

フレイルとは?

まず初めに、フレイルの概要について、正しく理解しましょう。

フレイルとは、医学用語である「frailty(フレイルティー)」の日本語訳。病気ではないけれど、年齢と共に筋力や心身の活力が低下して介護が必要になりやすくなる、「健康」と「要介護」の中間の、虚弱な状態のことを指す言葉です。フレイルは、健康な状況に戻ることが可能な状態であることが特徴です。

関連するワードに「オーラルフレイル」があります。オーラルフレイルとは、「噛む・飲む・話す」などの口腔機能の軽微な低下や、食の偏りなどを含む、身体の衰え(フレイル)の一つ。「早期からわかる老化サイン」の1つとして注目されています。

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フレイルの判定基準

フレイルの判定基準には、以下の5項目があります*1

1. 6か月間で、2㎏以上の(意図しない)体重減少
2. 握力が男性で28kg未満、女性で18㎏未満
3. (ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする
4. 歩行速度が1.0m/秒未満
5. 下記の2つのいずれも週一回未満の実施
1) 軽い運動・体操の実施
2) 定期的な運動・スポーツの実施

これらのうち、1~2項目にあてはまるとフレイル予備軍、3項目以上にあてはまると、フレイル状態に該当します。

*1:国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター フレイル研究部

フレイル対策をしないとどうなる?

フレイル対策をしないと、平均寿命と健康寿命との間には男性で9.13年、女性で12.68年*2もの差があると言われています。つまり、約10年の期間、不健康や要介護の状態で過ごさなければならなくなる可能性が高いのです。

また、65歳以上のフレイルの割合は20~25%(男女差は地域によって異なる)*3。膝や腰の痛み、可動性の低下などの身体症状が現れ始めたら、注意が必要です。

一方、フレイル対策をすれば心身の健康を維持でき、自身はもちろん、家族の介護負担の軽減にもつながります。

*2:厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部/健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料p25*3:東京都福祉局/フレイルって何歳ぐらいでなるの?

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フレイル対策を開始すべき年齢は50歳から

東京福祉保健局は、高齢期のフレイル対策を始めるべき年齢を「50歳〜64歳」と設定*4しています。

50歳からの対策が推奨される理由としては、メタボ対策からフレイル対策への転換期が50歳前後と言われているため。
メタボ対策としての糖質制限から、フレイル対策としての適切な食事・運動へと、年齢に合わせた対策の変更が重要です。

*4:東京都福祉局「年齢別のフレイル予防」

フレイル対策商品の市場・具体的な対策商品

高齢者の自立支援や要介護状態などの重度化を防ぐために注目されているフレイル市場は、2030年には1,270億円(2019年比:136.6%)*5 になると予測されています。つまり、今後5〜10年間、市場が伸び続ける可能性が高いということ。フレイル対策商品を開発・販売する企業にとっても、フレイル対策が進むことで顧客寿命が延び、結果としてLTV(顧客生涯価値)の拡大につながります。

中でも、食事量が減っていく高齢者が手軽に摂取できるフレイル対策食品や、口腔ケア製品などの需要が高まると予測されます。

具体的には、栄養サプリメントや口腔スポンジブラシ・保湿剤などの商品が挙げられます。

*5:富士経済グループ/10年間で3000億円近く拡大 介護関連製品

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健康寿命を延ばすための4つのフレイル対策

それではここからは、フレイル対策商品をOEM開発するための基礎知識として、「健康寿命を伸ばす」という観点から、主なフレイル対策を4点、紹介します。

フレイル対策①:栄養バランスの取れた食生活

低栄養になることで筋力や身体機能の減弱などを引き起こし、フレイルになりやすくなります。特に認知機能や食欲の低下、咀嚼・嚥下(えんげ)障害などがある高齢者は、食事だけでは必要栄養素を摂取しきれていない可能性があります。そこで重要なのが、五大栄養素(たんぱく質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラル)の摂取です。

しかし、これら五大栄養素をバランスよく摂取することは、容易ではありません。そのため、フレイル対策食品を活用することで効率良く摂取、フレイル予防につながります。

高齢者の低栄養やフレイル予防には、たんぱく質食品が有効です。たんぱく質は筋肉をはじめ、体づくりの源であるためです。たんぱく質の1日の摂取目安や多く含まれる食品については、厚生労働省のホームページを参照ください。

参考:厚生労働省/食べて元気にフレイル予防

フレイル対策②:適度な運動習慣を持つ

運動習慣が減ることで、筋力や活動量の低下からフレイルになるリスクが高まります。
筋肉量が落ちる理由は、加齢変化とともに筋繊維数が減って筋萎縮が進むこと。「動くスピードが鈍くなった」「少し歩いただけで疲れる」などの症状をお持ちの高齢者の方は、プレ・フレイルが疑われます。

そのため、運動習慣をつけることがフレイル予防になります。そして、運動習慣と共にMg商品(マグネシウム)が有効です。
マグネシウムは運動をはじめとした身体活動をする上で重要な栄養素です。筋肉の緊張を和らげ、運動後の回復を促す役割があります。特に汗をかくとマグネシウムが失われるため、サプリメントで補うことが重要です。

参考:公益社団法人 長寿科学振興財団/運動機能の老化

フレイル対策③:口(オーラル)と歯の健康を維持する

口と歯の健康を保つことで、オーラルフレイルを予防できます。
近年の研究*6では、口腔内の健康状態が全身の健康状態に影響を及ぼすことがわかってきました。例)誤嚥性肺炎や無呼吸症候群など

「食べ物が飲み込みにくい」「唾液量が減った」などの自覚がある方は、オーラルフレイルの進行が疑われます。また、オーラルフレイルが進行するとサルコペニア(全身の筋肉低下)やロコモティブシンドローム(移動機能低下)を誘発します。

オーラルフレイル対策としては、口腔内の清潔を維持・向上させるために、自浄作用の強化および口腔内筋の強化を促す食品・グッズの活用が挙げられます。加えて、医薬部外品として洗口液やデンタルリンスなどを使うのも、有効です。

*6:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究室/高齢期における口腔機能の重要性

フレイル対策④:外出や交流を通して社会参加する

外出や交流を通して社会参加することも、フレイルの進行を抑える効果的な対策の一つです。人と関わることで認知機能低下、ひいては死亡リスクを下げる効果も期待できます。
また、世代を問わず人とのつながりがあれば、フレイル対策のモチベーションに繋がるメリットも挙げられます。

社会とのつながりを持つためには、社会活動が有効的です。
生涯現役で仕事を続けることや、趣味・ボランティアなどさまざまな手段があります。

参考:東京都福祉局/予防のポイントその3「つながる(社会参加)」

フレイル関連商品をOEM開発する際の、4つのポイント

ここでは、フレイル関連商品のOEM開発する際の4つのポイントを、解説します。

ポイント①:機能性表示食品に対応できるOEM企業に依頼する

機能性表示食品とは?について、消費者庁は以下のように述べています。

事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものです。(消費者庁/「機能性表示食品って何?」)

「機能性表示食品」は、「特定保健用食品(トクホ)」や「栄養機能食品」よりも幅広いヘルスクレームで届出されています。しかし、安全性を証明するための実証研究には膨大な費用と期間がかかるため、企業が新たな企画を立ち上げるのは、容易ではありません。

その一方、機能性表示食品の実績があるOEM会社に依頼することで、スピーディーかつ確実に対応してもらえるメリットがあります。

ポイント②:ODM対応ができる企業に依頼する

ODMとは、「Original Design Manufacturing」の略称。発注元企業に開発ノウハウがなくても、製品の設計から生産までを依頼できます。そのため、初めてフレイル関連のOEM商品企画を検討中の場合、「発注先がODMであるか?」が、非常に重要になります。

ODMに商品開発を依頼するメリットは、「企画・開発・設計・製造」の時間およびコストが抑えられる点です。そしてその分、商品のブランディングや集客などマーケティング活動に、自社のリソースを集中できます。

ポイント③:安全性が高いこと

健康食品やサプリメントなどのOEM商品企画を行う際、安全性は必須条件であり、細心の注意を払う必要があります。
お客様の体内に入り直接作用するため、健康被害などが発生した場合、取り返しのつかないことになりかねないためです。

原材料や輸入ルート、品質管理基準はOEM会社によって異なります。そのため、発注先の安全管理方法や安全レベルについて、事前にしっかりと確認しておく必要があります。

ポイント④:類似商品の実績があること

OEM会社ごとに、得意なジャンルや開発商品が異なります。そのため、類似商品の実績があることもフレイル関連の製品をOEMする上で重要なポイントです。
OEM会社によっては得意分野に関する専門家が常駐しており、企画時に直接相談できることで、顧客ニーズを満たす質の高い製品の開発がしやすいメリットがあります。一方で、実績がないOEM会社を選ぶと、原材料の仕入れルートから開拓する必要があるなど、余計なコストがかかります。トラブルになってからでは遅いため、類似の実績があるOEM会社を選ぶようにしましょう。

無料OEM 商品企画~製造の流れガイド~【健康食品・サプリメント編】

フレイル対策商品のOEM開発から販売までの流れ

フレイル対策商品の開発から製造、販売までの流れは、およそ以下の通りです。

① お問い合わせ
② ヒアリング・見積もり
③ 原料や製品に関する相談や企画
④ サンプル作成と商品スペックの確定
⑤ 正式発注
⑥ 製造
⑦ 納品

OEM会社によって工程は多少前後しますが、概ねこのような流れで行われます。サンプル数については、回数や数量などに制限を設けているOEM会社もあるため、ヒアリングの段階で確認しておきましょう。

参考資料:「OEM 商品企画~製造の流れガイド~【健康食品・サプリメント編】」

<フレイル関連素材のご紹介>

バナバ葉エキス

それではここで、フレイル対策商品開発で注目の素材「バナバ葉エキス」をご紹介します。

バナバとは、フィリピンを始めとする東南アジアからオーストラリアにかけた地域に広く生息する落葉高木です。その葉は健康茶として飲用されており、一説によると1000年も前から、健康維持のために飲用されていると伝えられています。

バナバ葉エキスの機能性「フレイル予防」

バナバ葉から抽出した機能性素材が、バナバ葉エキスです。
バナバ葉エキスには、これまでに血糖値を下げる作用があることが臨床試験で確認されていますが、東洋新薬の研究により、バナバ葉エキスの新たな有効性として「加齢に伴い低下する歩行能力の向上」、「膝の違和感の軽減」、「腰や肩の負担の軽減」などの作用を発見しました。

試験では、定期的な運動をしておらず、以前より筋力が衰えたという自覚がある50歳以上70歳未満の方が、スクワットなどの運動負荷の実施と共に、バナバ葉エキスを含む食品を8週間摂取しました。

その結果、バナバ葉エキスを含まないプラセボ食品を摂取した被験者と比較して、下記の改善作用が確認されました。

  • 歩行速度を向上させる作用
  • 着席時および立席時の違和感を軽減する作用
  • 肩のこりおよび腰の痛みを軽減する作用

出典:藤木ら, 薬理と治療, 50, 711-720, 2022

なぜバナバ葉エキスを摂取すると「歩行能力の向上」や「膝の違和感の軽減」 「肩や腰の負担の軽減」の効果が得られるのか?

骨格筋は常にタンパク質の合成と分解を繰り返しており、そのバランスによって骨格筋量が増加したり減少したりします。骨格筋量は加齢に伴って低下することが知られていますが、これはタンパク質の合成と分解のバランスの変化によるものと考えられています。

筋タンパクの合成を促進するには、運動による刺激を伴う筋タンパク合成因子である「mTOR:mammalian target of rapamycin」の活性化が重要だと考えられていますが、mTORの活性は加齢によって減弱することが報告されています。そのため、加齢による筋肉量の低下を抑制するためには、mTORを活性化させることが重要です。

バナバ葉エキスには、トリテルペノイドの一種であるコロソリン酸という成分が含まれています。コロソリン酸はインスリン受容体のリン酸化を促進することで、下流のmTORを活性化させることが示唆されていることから、運動と共に摂取することで、加齢によって低下した筋合成の活性を高め、筋肉量や筋力を維持し、「歩行方向能力の向上」「膝の違和感の軽減」「肩や腰の負担感の軽減」といった効果を発揮すると考えられます。

無料OEM 商品企画~製造の流れガイド~【健康食品・サプリメント編】

まとめ

いかがでしょうか。今回は、高齢者の自立支援や要介護状態などの重度化を防ぐことで注目の高まるフレイルの概要から予防対策、そしてOEM商品開発時の注意ポイントと、フレイル対策で注目の関連素材「バナバ葉エキス」をご紹介しました。

フレイル対策商品のOEM開発をご検討中なら、機能性表示食品において高い実績を誇るOEM/ODMの東洋新薬まで、ぜひお気軽にご相談ください。

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機能性表示食品の商品開発を例に、健康食品・サプリメントのOEM製造の流れを細かくまとめた資料です。お客様側とOEM側のそれぞれの対応や注意点などをご紹介します。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2024年8月15日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2024年5月31日時点、自社調べ)

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