スカルプケア商品(育毛剤・発毛剤)OEM開発のポイント~基礎知識から徹底解説

  • 2021.05.13
スカルプケア oem

いまや中高年男性だけでなく「分け目や頭頂部が気になる」「コロナ抜け毛」など、年齢や性別を問わないお悩みに発展した薄毛問題。EC・通販が主な販売チャネルである育毛剤などスカルプ(頭皮)ケア市場は、オンライン会議の増加も手伝って、より一層の拡大が見込まれます。

あるアンケート*では「薄毛が気になりだしたときの対策は?」の問いに対する回答で「市販の頭皮ローションや発育毛剤を使用する」が1位になるなど、セルフケアへの消費者意識も高まりを見せています。

今回は、そんな育毛剤などスカルプケア商品のOEM開発のヒントをご紹介します。

*株式会社リクルートライフスタイル 「薄毛に関する意識調査2020」

目次
1.スカルプケア(育毛剤)の3分類と訴求の違い
1-1.化粧品(頭皮ローション、養毛料など)
1-2.医薬部外品(育毛剤)
1-3.一般医薬品(発毛剤)
2.薄毛のメカニズム
2-1.男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia)
2-2.びまん性脱毛症
2-3.牽引性脱毛症
3.スカルプケア(育毛剤)OEM開発の流れ
3-1.工程①.商品企画・OEM(ODM)先選定
3-2.工程②.容器選定、バルク試作
3-3.工程③.各種試験・調査
3-4.工程④.パッケージデザイン検討
3-5.工程⑤.薬事申請
3-6.工程⑥.製造
3-7.工程⑦.発売
4.スカルプケア(育毛剤)のOEM開発コストはどのくらいかかる?
4-1.スカルプケア(育毛剤)OEM開発に必要な初期費用
4-2.スカルプケア(育毛剤)OEM開発で利益率を高める工夫
5.東洋新薬によるスカルプケア(育毛剤)OEM開発の特長
6.まとめ

スカルプケア(育毛剤)の3分類と訴求の違い

スキンケアアイテムが「化粧品」と「医薬部外品」に分かれるのと同様、スカルプケア(育毛剤)商品は以下の3つに分けられ、それぞれ薬事区分のカテゴリが異なり、訴求できる内容にも違いがあります。

化粧品(頭皮ローション、養毛料など)

抜け毛は乾燥によって頭皮が硬くなり、栄養が巡らなくなることが一つの要因です。頭皮ローションは主に頭皮に潤いを与え、硬くなった頭皮をほぐします。「育毛」「薄毛」といったワードは広告で訴求できず、頭皮や髪をすこやかに保つために使用するアイテムです。

医薬部外品(育毛剤)

毛髪や頭皮に働きかける「有効成分」が配合されています。「育毛」や「薄毛」など直接的なワードで消費者にアプローチできます。今ある髪を守り、抜け毛を予防する「毛を育てる」アイテムであり、代表的な有効成分は血行促進作用のある「センブリエキス」や「ニンジンエキス」などの生薬成分です。

>関連情報:2つの有効成分配合の医薬部外品(育毛剤)OEM商品例 「薬用育毛剤すっきりタイプ」

一般医薬品(発毛剤)

医薬部外品と同様「有効成分」が配合されており、その有効成分は発毛効果が認められています。CMなどでよく見かける「ミノキシジル」はドラッグストアで購入可能な一般医薬品(発毛剤)の有効成分の一つです。「AGA」と呼ばれる男性ホルモンの減少による脱毛に作用を発揮します。購入には、薬剤師との対面販売が必要です。

この中でスカルプケア(育毛剤)市場を牽引しているのは、2番目の「医薬部外品(育毛剤)」です。コンプレックスにアプローチする商品であり、対面を避けドラッグストアやEC・通販でも購入が可能であることから、今後もスカルプケア(育毛剤)市場を盛り上げるアイテムと言えるでしょう。

薄毛のメカニズム

ひとくちに「薄毛」と言っても原因や仕組みはさまざま。男性と女性でも違いがあります。スカルプケア(育毛剤)の商品開発を検討する場合、対象の年齢や性別など、使用者のイメージを具体化することが大切です。

ここでは主な薄毛のメカニズムをご紹介します。

男女の育毛剤の違いとは?育毛剤OEM商品開発時の注意点

男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia)

スカルプケア(育毛剤)商品のCMでよく耳にする「AGA」や「男性型脱毛症」。「壮年性脱毛症」とも呼ばれ、男性ホルモンの影響が主な原因です。男性ホルモンにより発毛機能が低下し、髪の毛が40㎛以下のうぶ毛となり、見えなくなってしまいます。

遺伝だけでなく、生活習慣によっても発生。20〜30代で発症することも多く、頭頂部や前頭部の毛から髪が柔らかく細くなる軟毛化が起こり、脱毛部分は頭皮が硬くなります。ちなみに、男性ホルモンは女性の身体にも含まれているため、女性でも発症します。

>意外と知らない毛髪の構造と機能

びまん性脱毛症

女性に多く起こると考えられている症状で、頭髪全体が薄くなります。加齢やストレス、ダイエットによる栄養不足が原因として考えられています。

牽引性脱毛症

髪を引っ張る、結ぶことで毛根に負担がかかり、血行不良が引き起こされることで部分的に薄毛になります。ポニーテールなどヘアアレンジを楽しむ女性に多い症状です。

この他にも、成長ホルモンの影響により産後に抜け毛が増加する「分娩後脱毛」や円形状に毛髪が抜け落ちる「円形脱毛症」、薬剤の影響による脱毛症などがあります。

スカルプケア(育毛剤)OEM開発の流れ

工程①.商品企画・OEM(ODM)先選定

発売アイテム・ターゲット層・商品コンセプトに加えて、成分・差別化要素・容器・デザインなど、決めるべきことが多岐にわたります。直接頭皮に触れるものだけに、関連法規や規制も数多くあります。

特に使用感で大きな差別化が難しい育毛剤では、成分を訴求点にする場合が多いです。しかし、考えていた成分が医薬部外品には使えない成分だった!ということが多々あります。

そのため、大まかな商品イメージを固めたら、早い段階でOEM(ODM)メーカーに声をかけ、相談することがオススメです。そうすることでオリジナリティを演出するための大切な要素である美容成分や市場へのアピール方法についても、よりよいアドバイスが得られます。

工程②.容器選定、バルク試作

ある程度企画が決まったら、バルク(育毛剤の中身)と外見(容器)の検討が始まります。

OEM(ODM)メーカーに、バルク剤型や容器、使用感などの要望を伝えます。OEM(ODM)メーカーはバルクや容器の相性を考慮した上でお客様に提案し、改良や変更を重ねながらお客様の理想の商品を一緒に作り上げていきます。

イメージが湧いていない場合は、OEM(ODM)側が持っている処方や容器を試してみることもできますし、発売時期が決まっている場合は、その中から納期に間に合う容器を選ぶこともできます。

工程③.各種試験・調査

育毛剤は基本的に「適切な環境において未開封状態で3年間の品質保証」が求められます。また、頭皮に直接塗る商品の特性上、消費者に安心して使っていただける安全性を守ることが求められます。

そのため、品質を担保するための安定性試験や皮膚に対する刺激をチェックするパッチテストなどの安全性試験*を行います。
*試験を実施してもすべての方に皮膚刺激が起こらないということではありません。

>関連記事:スキンケア化粧品 OEM開発~パッチテスト/アレルギーテストとは?

工程④.パッケージデザイン検討

上記と並行して、パッケージデザイン検討を進めます。パッケージデザインについては、法規に則った作成が必要です。OEM(ODM)に相談すれば、サポートが受けられます。

>関連記事:化粧品における「法定表示」とは~正しい表記法を解説します

工程⑤.薬事申請

化粧品や医薬部外品の販売は、いずれも申請が必要であり、その期間は「医薬部外品」と「化粧品」で大きく異なります。

>関連記事:化粧品の「医薬部外品」とは?~OEM開発時のメリットと注意点

化粧品は届出のため1か月かからず完了しますが、医薬部外品は申請〜承認が必要です。3〜6ヶ月と時間がかかります。医薬部外品でこの部分を短縮したい場合は、OEM(ODM)先が持っている「承認済み処方」を活用することも一つの手段です。

工程⑥.製造

薬事申請の届け出が完了または承認を得た後、原料や資材(容器・包装パッケージ)手配を行い、ついに製造へと進みます。

原料や資材の手配期間は、種類によってさまざまです。また化粧品・コスメは特に容器がボトルネックになることが多く見られ、場合によっては手配だけで4か月かかることもあります。容器のチョイスは納品スケジュールに大きく影響するため、配慮が必要です。

工場に原料・資材が届いたら、容器にバルクを充填、包装をして、製品の完成となり、お客様のもとへ届きます。

工程⑦.発売

発売時には広告用の商品写真が必要。撮影用のモック(=見本、模型)も忘れないように準備しましょう。Webサイトであればギリギリでも間に合いますが、チラシや会報誌など印刷物に広告を掲載する場合は、納品より1か月ほど前の準備が必要です。容器が決定した時点でいつまでにモックが必要なのかをOEM(ODM)先に伝えることで、バタバタせず余裕を持って準備できます。

スカルプケア(育毛剤)のOEM開発コストはどのくらいかかる?

まず、通常の「化粧品」か「医薬部外品」かによって、コストが大きく変わります。
医薬部外品を自社のメーカーで販売するには、厚生労働省の許可が必要であり、申請費用がかかります(ただし、OEMが保有する既存の処方をそのまま使用する場合は不要)。

そして、いずれの場合も費用算出に大きく関わるのが、生産ロットです。
同一の商品でも、毎月の製造数が5,000個、10,000個、100,000個なのかにより、製造単価が大きく異なります(当然ながら、多く製造すれば商品1つあたりの「単価」は安く抑えることができます)。

スカルプケア(育毛剤)OEM開発に必要な初期費用

スカルプケア(育毛剤)のOEM製造に関わるコストには、大まかに
・商品企画
・バルク(中身)の開発(試作/検査)
・バルク(中身)の製造(量産)
・容器(支給/調達/材質 調達/材質選定)
・パッケージ(デザイン、加工費※)※デザインを印刷する刷り版や化粧箱・内箱をカットする型代
・包装
・運送
といった項目があります。

このうち、初期費用にあたるのは「商品企画」「バルク(中身)の開発(試作/検査)」「容器(材質選定)」「パッケージ(デザイン、加工費)」などです。

スカルプケア(育毛剤) OEMの製造費用は?利益率を高める工夫

OEMに製造を委託する場合は、
・製造原価:資材費、工賃、原料費(バルク代)
・製造間接費:送料、その他諸経費
をすべて含んだ価格が、見積として提出されます。

このうち製造原価は、資材費>工賃>原料費の順で構成されています。

製造原価を抑える=利益率を高めるためには、次の点に注意しましょう。

●化粧品は資材費が占める割合が大きい点が特徴です。容器の加飾には特に注意しましょう。
●化粧品は他の業界の商品に比べ、広告宣伝費など販売管理費が高いのが特徴です。事業計画の際は製造費だけでなく、広告宣伝予算も含めて検討しましょう。
●最初は、試験的に小ロットで試すのもありですが、原価を抑え利益率を高めるためには、ロットを増やす(経済ロットにする)ことも検討してみましょう。

無料すぐ商品化可能!「薬用育毛剤」の商品カタログ資料

東洋新薬によるスカルプケア(育毛剤)OEM開発の特長

東洋新薬のスカルプケア(育毛剤)のOEM開発では、以下のような実績・特長を持っています。
スカルプケア(育毛剤)商品のOEM開発をご検討の方はお気軽に東洋新薬にお問い合わせください。

売れるスカルプケア(育毛剤)商品企画をご提案

市場調査をもとに、ブランドコンセプトやイメージを具現化し、優位性確立のための必要な情報を商品企画と連動してご提案いたします。そのほかにも東洋新薬独自の成分で製品の差別化を実現。その後のプロモーションが容易な商品企画をいたします。

初めてのスカルプケア(育毛剤)でも安心!
専門スタッフによる手厚いサポート

製品化までには、さまざまな専門工程があり、東洋新薬では、企画・設計はもちろん、容器やパッケージのデザインから印刷、医薬品医療機器等法への対応など、各分野の専門スタッフによる、トータルなサポートを行っております。初めて化粧品の開発をされるお客様も安心してご依頼いただけます。商品化後、海外輸出のサポートも行っておりますので、お気軽にご相談ください。

知財トラブルからお客様の商品や
ブランドをお守りする体制を整えています

最近は知的財産権への意識が高まり、特許や商標の登録が増えてきています。スカルプケア(育毛剤)商材も例外ではなく、この流れを受けて知財の権利者から販売停止の要求を受けるなど、訴訟に発展するケースも増加しています。当社では知財の専門部署を設置し、開発時点でお客様のご要望に応じた調査を行うことができますので、このような知財トラブルからお客様の商品やブランドをお守りする体制を整えています。

まとめ

いかがでしょうか。今回はEC・通販で注目度がさらに高まるスカルプケア(育毛剤)の商品開発に役立つ情報をお届けしました。

スカルプケア・育毛剤のOEM開発を検討の際は、ぜひ東洋新薬へご相談ください!

>関連情報:化粧品OEMサービス
>関連商品:医薬部外品の育毛剤OEM 「薬用育毛剤 すっきりタイプ」

参考:
スカルプケア・発毛剤の国内市場を調査
https://www.fuji-keizai.co.jp/file.html?dir=press&file=21006.pdf&nocache
薄毛に関する意識調査2020
https://hba.beauty.hotpepper.jp/search/trade/hair/22629/
AGAとは
https://www.aga-news.jp/secure/about_aga/index.xhtml

無料すぐ商品化可能!「薬用育毛剤」の商品カタログ資料

Wビタミン有効成分で抜け毛と発毛の両方にアプローチし、11種類の美容成分で育毛環境を整える「薬用育毛剤」に注目!
薬用育毛剤のOEMはぜひ東洋新薬にお任せください。

関連記事

カテゴリから探す
キーワードから探す
人気記事ランキング
ダウンロード資料一覧を見る
すぐに商品化可能なOEM商品カタログ
サービス
通販ビジネスや商品開発の'ヒント'をお届け!メルマガ登録
化粧品・サプリメント・健康食品 OEMセミナー情報

売れる!化粧品・健康食品の開発なら
東洋新薬にお任せください

化粧品・健康食品のODM/OEMメーカーとして第一線を行く東洋新薬が、
お客様のご要望に合わせ、企画開発から商品設計・製造・生産までトータルサポートします。

※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2023年1月20日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2022年8月31日時点、自社調べ)

お問い合わせ
株式会社東洋新薬

株式会社東洋新薬