化粧品・コスメOEM商品開発 〜試作品・バルク評価のコツ
- 2023.05.15

化粧品・コスメのOEM商品開発を進める上で、お客様より「試作品のバルク評価が難しい」との声をよく頂戴します。試作段階の開発サンプルに改良を加えたいとき、バルクのテクスチャー感覚を的確に表現し、チーム内で共有し、そしてそれを製造委託先に正しく伝える難しさに、お悩みの方は多いでしょう。
ご存じの通り、化粧品開発においては「官能評価」が重要視されます。官能評価とは、味覚・嗅覚・視覚・聴覚・触覚などの人間の感覚を利用した評価のことです。そのためチーム内において結果にばらつきが生じることが避けられず、かつまた言語化の難しさ、評価の正確さや信頼性などに課題があります。
そこで今回は、試作品のバルク評価時に、感覚をうまく伝えるコツ・ポイントを解説します。
たとえば、食べ物を評価するには・・・
たとえば、食材の「美味しさ」を表現する場合。「美味しい(不味い)」「好き(嫌い)」だけでは単なる感想であり、他の人には伝わりません。そのため、「美味しさ」の感覚を細かく分けて評価・共有する必要があります。
具体的には、甘味・苦み・辛味・風味・コク・香り・温かさ・冷たさ・のど越し・弾力・舌触り・後味・・・などなど。できるだけ評価項目をさまざまな角度から細分化することが大切です。そうすることで周囲にも共有可能になり、「美味しい」の根拠が明確になるのです。
これは、化粧品・コスメの試作品評価も同様。「サッと塗布してみて、なんとなく感想を伝える」だけではなく、細かな感覚の項目をあらかじめ設定して評価を行うことで、これまで難しかった共有や伝達が可能になり、商品開発をスムーズに行うことができるようになります。
感覚を正しく評価する「設定項目」の具体例
それでは、具体的にどのような評価項目を設定すればよいのでしょうか。
今回は、化粧水・クリーム・日焼け止めを例にあげ、以下にご紹介します。
【化粧水】
・手に取ったときの「とろみ」
・なじませているときの「抵抗感」、「厚み」、「なじみの速さ」
・なじんだ後の「保湿感」、「指滑り」、「弾力」、「皮膜感」 など
【クリーム】
・手に取ったときの「指どれ」、「光沢感」
・ファーストタッチの「崩れやすさ」
・なじませているときの「伸びの良さ」、「なじみの速さ」
・なじんだ後の「指通り」、「弾力」、「皮膜感」、「艶感」 など
【日焼け止め】
・手に取ったときの「硬さ」、「光沢感」
・ファーストタッチの「崩れやすさ」
・なじませているときの「抵抗感」、「濃厚さ」、「なじみの速さ」
・なじんだ後の「保湿感」、「べたつき」、「きしみ」、「白浮き」、「皮膜感」 など
試作品・バルク評価のコツと注意点
ポイントは食材を味わうように、化粧品も手のひら・指に神経を集中させ、じっくり感じること。そうすることで同じクリーム類でも、それぞれの違いが徐々に分かってくるようになります。
すると、従来「保湿感が足りないな」と感じていたのは、実は「厚み」や「皮膜感」が不足していたのか、と気がついたり、重要視していたのは「伸びの良さ」ではなく「なじみの早さ」だった、といったことが分かってきます。
加えて注意点としては、肌の状況や体温によって、同じバルクでも微妙に感じ方が変わることがあるため、評価は数回に渡り試してみることをオススメします。
また、評価するタイミングも、塗布直後だけでなく、使用数時間後の肌の状態、メイクをのせたあとの状態、夕方メイク崩れの状態、洗い流した後の状態など、さまざまな状態での肌を観察するのも重要です。
まとめ
今回紹介した項目は一部ですが、これらを参考に自社に合った項目を設定し、その項目に沿って的確に評価、言語化できると、チーム内で人による感じ方の差異も抑えられますし、改良点などが製造委託先に正確に伝えられて、円滑な試作改良に繋がります。
何より、まずはできる限りさまざまなテクスチャーを試してみてください。日頃からトレーニングを積み重ねることで、より研ぎ澄まされた感覚を得ることができます。デパートの化粧品売り場は「利きコスメ」にもってこい。自社の開発品が市場でどういう立ち位置にいるか把握するためにも、少量ずつでも市場の幅広いさまざまな商品で試してみてください。
この記事が皆さまの、より良い商品開発の一助となることを願っております。お困りごとやお悩み事がありましたら、ぜひお気軽に東洋新薬へご相談ください。
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