化粧品OEM開発のサンプルの正しい評価方法。フィードバックのコツも解説

  • 2023.05.15
化粧品 サンプル 評価

化粧品・コスメOEM開発でもっとも大切なプロセスが、サンプル(試作品)の工程ですが、その評価は難しいことでしょう。開発する商品や狙いたいポイントによって評価方法は異なりますが、今回はサンプルの基本的な評価方法や押さえるべきポイントを解説します。合わせて、評価時にOEMメーカーへ伝えるコツもご紹介します。

目次
1.化粧品・コスメOEM開発におけるサンプル評価の重要性
2.化粧品サンプルの評価ポイント
2-1.①バルク、バルクの外観、香りで評価する
2-2.②ご自身とお客様の視点から使ってみて評価する
2-3.③評価の回数とタイミング
3.化粧品サンプルの評価方法①バルク
4.化粧品サンプルの評価方法②バルクの外観(見た目)
5.化粧品サンプルの評価方法③香り
6.化粧品サンプルのフィードバックについて
7.まとめ

化粧品・コスメOEM開発におけるサンプル評価の重要性

化粧品・コスメOEM開発でもっとも大切なプロセスが、サンプル(試作品)の工程であり、その仕上がりを確認する意味でサンプルの評価も重要といえます。

当社のお客さまからも、「OEMメーカーから届いたサンプルを、どのように評価すればいいの?」と悩むお声をよくいただきます。開発する商品や狙いたいポイントによって評価方法は異なりますが、さまざまな角度から細分化する点は共通でしょう。

たとえば、食材の「美味しさ」を表現する場合、「美味しい(不味い)」「好き(嫌い)」だけでは単なる感想であり、他の人には伝わりません。そのため、「美味しさ」の感覚を細かく分けて評価・共有する必要があります。具体的には、甘味・苦み・辛味・風味・コク・香り・温かさ・冷たさ・のど越し・弾力・舌触り・後味・・・など。できるだけ評価項目を多角的な視点から細分化することが大切です。そうすることで周囲にも共有可能になり、「美味しい」の根拠が明確になるのです。

これは、化粧品・コスメのサンプル評価も同様です。「サッと塗布してみて、なんとなく感想を伝える」だけではなく、細かな感覚の項目をあらかじめ設定して評価を行うことで、これまで難しかった共有や伝達が可能になり、商品開発をスムーズに行うことができるようになります。

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化粧品サンプルの評価ポイント

①バルク、バルクの外観、香りで評価する

化粧品・コスメにおいて、お客様に購入・使用してもらう際に重要な点として、バルク(化粧品の中身)、バルクの外観(化粧品の見た目)、香りがあります。サンプル評価においても、これらの観点で確認するとよいでしょう。それぞれの評価方法や観点は後述します。

②ご自身とお客様の視点から使ってみて評価する

まずは、ご自身の直感にしたがって、見て触って使ってみた際にどう感じるかを言語化し、可能であれば文章や音声、動画など記録に残すようにしましょう。

加えて、この商品を購入して使っていただくお客様の視点に立って、再度サンプルを使ってみるようにしましょう。サンプルを手に取った時点からお客様の体験はすでに始まっており、そこからお客様の予想される行動とどう感じるかを想像しながら評価することが重要です。
・商品の容器・パッケージを比較して手に取る
・商品を購入し、洗面台や棚に置く
・フタを開けて使う
というように、細かい状況での行動を再現することで、よりお客様の視点で考えることができます。

③評価の回数とタイミング

サンプルの評価は1回で終了させず、数回に渡って特定の状況ごとに評価するようにしましょう。特に最初に使用した際は消費者に近い感覚で評価できるため、重要といえます。また、肌の状況や体温によって、同じバルクでも微妙に感じ方が変わることがあるため、評価は数回に渡り試してみることをオススメします。

また、評価するタイミングも、塗布直後だけでなく、使用数時間後の肌の状態、メイクをのせたあとの状態、夕方メイク崩れの状態、洗い流した後の状態など、さまざまな状態での肌を観察するのも重要です。

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化粧品サンプルの評価方法①バルク

それでは、具体的にどのような評価を行えばよいのでしょうか。まずは、化粧品サンプルのバルクの評価方法から解説します。

上述した食材の味わいのように、化粧品も手のひら・指に神経を集中させてじっくり感じることで、同じ化粧品でも、それぞれの違いが徐々に分かってくるようになります。すると、「保湿感が足りないな」と感じていたのは実は「厚み」や「皮膜感」が不足していた、重要視していたのは「伸びの良さ」ではなく「なじみの早さ」だった、といったことが分かってきます。

化粧水・クリーム・日焼け止めを例に、具体的な評価項目として以下の観点が考えらえます。

【化粧水】
・手に取ったときの「とろみ」
・なじませているときの「抵抗感」、「厚み」、「なじみの速さ」
・なじんだ後の「保湿感」、「指滑り」、「弾力」、「皮膜感」 など

【クリーム】
・手に取ったときの「指どれ」、「光沢感」
・ファーストタッチの「崩れやすさ」
・なじませているときの「伸びの良さ」、「なじみの速さ」
・なじんだ後の「指通り」、「弾力」、「皮膜感」、「艶感」 など

【日焼け止め】
・手に取ったときの「硬さ」、「光沢感」
・ファーストタッチの「崩れやすさ」
・なじませているときの「抵抗感」、「濃厚さ」、「なじみの速さ」
・なじんだ後の「保湿感」、「べたつき」、「きしみ」、「白浮き」、「皮膜感」 など

化粧品サンプルの評価方法②バルクの外観(見た目)

続いて、バルクの外観(化粧品の見た目)の評価方法です。サンプルを最初に手に出した時、あるいは、フタを外して最初にバルクを見た時の外観。それは、お客様の手元に商品が届き、新しい化粧品を使い始めるにあたっての期待を高める、非常に重要な要素です。

まずは容器に入った状態で、しっかり外観を観察してください。艶、マット感、プルプル感、流動性など、その第一印象は希望するものになっているでしょうか?その際、白い背景ではなく、黒い紙や机の上に置くと、コントラストでバルクが観察しやすくなります。

バルクが透明や白い場合でも、色もしっかり確認しましょう。日中と夜、暖色系のタングステン照明と寒色系の蛍光灯では、まったく違う色味に見えます。紫外線吸収剤が配合された日焼け止め商品開発でサンプル確認の際、在宅ワークの自宅照明で確認したために黄みがかっていたことに気が付かず、商品化されてから思った以上にバルクが黄色くて驚いた、というケースもあります。

また、バルクに着色した場合は、時間とともに退色することも考えられるため、最初にサンプルを入手した時点で、しっかり写真におさめておきましょう。

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化粧品サンプルの評価方法③香り

化粧品・コスメにおいて、香りも消費者に選ばれる非常に重要な要素です。

香料を賦香した商品はもちろんですが、無香料の商品でも、香りの確認をすることをおすすめします。昨今、無香料商品が増えていますが、原料臭が多少感じられるものがあります。微かな原料臭でも違和感を覚える消費者も多くいらっしゃいますので、細心の注意が必要です。

とあるブランドで、主要な保湿剤の一つであるBG(ブチレングリコール)を合成成分から天然原料に切り替えて、消費者にアナウンスしないまま発売したところ、香りに敏感な消費者から「変なにおいがする」「違和感がある」と、問い合わせが相次いだケースがあります。この事例は従来品との比較であるため、さらに指摘を受けやすかったケースでしたが、臭い=腐食といったネガティブなイメージを抱く方は多いのです。

そうした無香料商品のサンプルで臭いを確認する際は、同時に通常の3倍くらいの量を塗布してみてください。その際、部屋の芳香剤や他の化粧品の香りに影響しない状態で試すことをおすすめします。

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化粧品サンプルのフィードバックについて

サンプルの評価が終了すると、依頼したOEMメーカーにフィードバックを行います。評価→フィードバック→サンプル作成の流れを繰り返すことで、商品を完成させていくのです。この時、微妙な言葉のすれ違いで何度もやり取りが必要になり、イメージ通りの商品が完成しない事態がよく発生します。

化粧品・コスメはそもそも五感の商品であり、「つけ心地」や「質感」は、なかなか言葉では言い表せないため、当社では「感覚」を「数値化」して伝えることを実践しています。

例えば、化粧水の場合は以下のような具合で、「感覚」を項目に分け、さらに「数値化」することでブレを少なくします。
手にとった時:シャパッとする ← 1 2 3 4 5 → トロッとする
使用感のしっとり感:さらっと ← 1 2 3 4 5 → しっとり

化粧品サンプルのフィードバックにおける、よくあるトラブルやより詳しい項目分けについては以下の記事をご覧ください。

関連記事:【化粧品OEM】サンプルフィードバックで失敗しない方法

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まとめ

いかがだったでしょうか。今回紹介した化粧品サンプル(試作品)の評価方法・項目は一部ですが、これらを参考に自社に合った観点から項目を設定し、それに沿って的確に評価、言語化してみましょう。チーム内で人による感じ方の差異が分かりやすくなり、改良点などを製造委託先に正確に伝えられて、円滑な試作改良に繋がります。

何より、まずはできる限りさまざまなテクスチャーを試してみてください。日頃からトレーニングを積み重ねることで、より研ぎ澄まされた感覚を得ることができます。デパートの化粧品売り場は「利きコスメ」にもってこい。自社の開発品が市場でどういう立ち位置にいるか把握するためにも、少量ずつでも市場の幅広いさまざまな商品で試してみてください。
             
この記事が皆さまの、より良い商品開発の一助となることを願っております。お困りごとやお悩み事がありましたら、ぜひお気軽に東洋新薬へご相談ください。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2023年1月20日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2022年8月31日時点、自社調べ)

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