テクスチャー官能評価のコツ
- 2024.12.12
化粧品・コスメOEM商品開発において、「テクスチャーの官能評価」は、非常に重要なプロセスです。
しかし、感覚的になりがちな評価を正しく伝えることは非常に難しく、時に商品開発の工数を増加させたり、納期の遅れなどの要因にもなりかねません。
そこで今回は、化粧品・コスメ商品開発時におけるテクスチャーの官能評価をうまく進めるコツを解説します。
- 目次
- 1.化粧品におけるテクスチャーとは?
- 2.官能評価とは?
- 3.テクスチャーの官能評価を正しく実施する方法
- 3-1.1.評価対象を明確にする
- 3-2.2.評価のタイミングを明確にする
- 3-3.3.基準品を設定する
- 4.テクスチャー表現の幅を広げるワード
- 5.まとめ
化粧品におけるテクスチャーとは?
テクスチャーとは、英語の「texture」を語源とする言葉で、日本語では「質感」「手触り」「触感」といった意味です。化粧品・コスメにおけるテクスチャーは、ボトルなどの容器ではなく、中身(バルク)自体の「触った感触(さわり心地)」や、「肌にのせたときの感触(つけ心地)」のことを示します。
化粧品はもちろん肌の悩みに合った効果や肌質に合う商品を選ぶことが大切ですが、このテクスチャーの「好み」もまた、消費者に選ばれる際や、使用中の満足感、リピートされるかどうかにおいても大きなポイントとなります。
官能評価とは?
官能評価とは、人の五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を用いて物の特性や感覚そのものを測定し、統計的に解析する方法です。化粧品・コスメの商品開発においてこの官能評価は、有用性や安定性などの試験と並んで、欠かすことのできない重要なプロセスです。
テクスチャーの官能評価を的確に言語化することは、化粧品・コスメの商品開発において非常に重要です。「しっとり」「なめらか」「ツヤが出る」といった言葉が代表的ですが、それだけでは曖昧で、複数の似たバルクを比較する際などでは、特にその難しさが増します。
テクスチャーの官能評価を正しく実施する方法
化粧品・コスメにおけるテクスチャーの官能評価を正しく実施するには、事前に以下の項目をしっかりと定めておきましょう。
1.評価対象を明確にする
まずは、評価対象を明確にしましょう。特に複数の方が同じバルクを評価する際は、この点が曖昧だと、結果にばらつきが生じやすくなります。
- バルクの外観
- バルクの感触
- バルクの香り
など、何を評価するのか、その対象を明確に定めておくことが重要です。
2.評価のタイミングを明確にする
意外と忘れがちですが、評価のタイミングを決めることも重要です。タイミングによって感触が異なるため、評価の基準がずれてしまうことがあります。例えば、以下のタイミングを基準として定めるとよいでしょう。
- 肌に塗布したとき
- 手に取ったとき
- 塗り広げているとき
- 馴染ませているとき
- 仕上がり後
- 夕方
- 翌朝
3.基準品を設定する
開発中の試作品同士だけの比較だけに留まらず、ターゲットとするベンチマーク品や競合品との比較も有効です。試作品のみで評価すると、途中で感覚が分からなくなり、当初の予定と離れた方向に進むことがあります。そこで、軸となるベンチマーク品を定めておき、比較して調整すべき点を明確にすることで、たとえば「崩れやすさ」や「伸びの良さ」など、より明確な基準を持って評価できます。そして、想定ユーザーに合った感触かどうかの確認も、容易になります。
テクスチャー表現の幅を広げるワード
皆さんは官能評価でテクスチャーを表現する際、どのようなワードを用いていますか?
「しっとり」「さっぱり」「こっくり」「もちもち」「つっぱり」・・・などなど。
うまく言葉で表現できない、ほかにもっとよい表現はないものか・・・そんなお悩みを抱える方は多いでしょう。
表現の幅を広げることができれば、的確な評価フィードバックを行うことができますし、理想に近い試作品を、早期に手に入れやすくなります。さらに、テクスチャーを表現するボキャブラリーが増えることで、意識する・評価するポイントも増えるメリットも得られます。表現の幅を増やすことは、より繊細にテクスチャーを感じ取ることにもつながるのです。
それではここから、知っておくと便利なシーンごとの表現ワード集をご紹介します。
【塗布時/使用感の表現例】
- コクのある濃厚さ
- するすると肌に浸透する
- 水のようにスーっと伸びる
- 絹のようななめらかさ
- 肌の上でほどける
- 肌に瞬時になじむ
- ふわっと肌に溶け込む
- 水がはじけるような
- オイルがしみだすような
- ひっかかりがある
- 速乾性がある
- 清涼感のある
- ずるずるする
- きしむ
- ぬるぬるする
- 均一に広がる
- 指止まりが早い/遅い
- ムラがある
- フェザータッチ
- ほんのりひんやりする
- 滑るように広がる
【塗布後/使用感の表現例】
- 皮膜感がある
- 圧迫感がある
- 何もつけていない感じ
- 浸透感がある
- ハリ感がある
- 吸着感がある
- ふっくらと弾力感がある
- つやつやした輝きが出る
- すべすべ感が続く
- 手に吸い付くもっちり感がある
- つるんとした
- ペタペタ感がある
- 引き締まり感がある
- 肌がこわばる
- 肌がテカる
- 肌がごわつく
- 肌がピンとする
- 肌を包み込む優しいヴェール感がある
【仕上がり時の表現例】
- 自然な艶が出る
- みずみずしさが生まれる
- うるおいで満たされる
- プルンとした
- さらっとした
- さっぱり爽快な
- 柔らかな手触りがある
- フォギーな
- 血色感がある
- 隙のない肌(カバー力)
- パウダリーな
- マットな
- 輝くような艶がある
- 肌へのフィット感がある
- オイル感が残らない
- ヴェール感がある
- 力強い保湿感がある
まとめ
いかがでしょうか。今回は化粧品・コスメ商品開発時におけるテクスチャーの官能評価をうまく進めるコツについて解説しました。
日頃何気なく使っているスキンケアでも、神経を集中させてテクスチャーを描写してみるのも、化粧品の商品開発に携わる上でとても良いトレーニングになります。似たような肌触りでも、細かく分解して表現することで、各商品の差別化のポイントや、人気の秘訣などに気づくきっかけにもなるでしょう。
そしてこのテクニックは、新商品として採用が決定した際の関連部門への共有や、プロモーションにおいても有効な表現方法となります。
ぜひこの機会に覚えて、活用してみてください。
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