化粧品の有用性試験とは？数値評価とビジュアル評価の方法

苦労して開発したオリジナル化粧品。たくさんの方に手にとっていただくためには、プロモーションが欠かせません。

プロモーションを行うにあたって、このようなことを感じたことはないでしょうか？

・商品の魅力を訴求するための数値や画像が欲しい
・具体的に効果を示すエビデンスを取得したい
・既存品との違いを明確に示したい
・リニューアル品の優位性をわかりやすく示したい

そんなとき、化粧品の有用性試験が活用いただけます。

目次: 1.化粧品の有用性とは; 2.有用性試験とは？; 3.有用性試験【数値評価】; 3-1.角質水分量; 3-2.経皮水分蒸散量（TEWL）; 3-3.皮脂分泌量; 3-4.ハリ弾力測定; 3-5.ツヤ測定; 3.有用性試験【ビジュアル評価】; 4-1.顔画像解析; 4-2.マイクロスコープ（デジタル顕微鏡）; 4-3.肌のキメ（凹凸）; 4-4.毛髪のキューティクル; 5.まとめ

化粧品の有用性とは

化粧品の有用性とは、肌の健康維持や美容への効用を指します。製品によっては、肌の保湿やエイジングケア、紫外線からの保護など、様々な効用を打ち出しています。

化粧品の製品選びは、自分の肌質やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。肌に優しい成分を含む製品や、自然由来の成分を活用した製品など、幅広い種類の化粧品が市場に存在します。

消費者が化粧品の有用性を最大限に活用するためには、自分自身の肌に合った製品を選ぶことが重要です。化粧品を開発、販売する側の場合は、どのような有用性、効用を商品の強みとして売り出したいのか、その有用性はどのようなターゲットの方が必要としているのかを明確にした上で開発を行いましょう。

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有用性試験とは？

化粧品の有用性試験とは、製品の有用性を確認する試験のこと。有用性評価試験とも言われます。

有用性試験では化粧品の製品自体について、有用性の有無や有用の程度を確認します。この有用性試験で得られたデータは、「有用性データ」「プルーフデータ」「エビデンス」などと呼ばれます。

裏を返せば、有用性試験は開発した商品の魅力を訴求するための数値やビジュアルデータが得られる、絶好の機会なのです。

ここからは、プロモーションによく活用される試験をご紹介します。

有用性試験【数値評価】

角質水分量

スキンケアの基本である保湿力を評価します。健康な肌は角質層が水分をたくさん蓄えていることが重要とされています。経時的に角質水分量を測定することで、保湿持続時間を調べることも可能です。

経皮水分蒸散量（TEWL）

皮膚バリア機能評価で最も重要な指標とされている数値です。皮膚バリア機能は外的刺激から肌を守り、肌内部の水分を保持する力で、肌荒れ・刺激による炎症やシミといった肌トラブルを防ぐための肌機能です。肌表面から蒸発する水分量の変化を測定し、評価します。

皮脂分泌量

皮脂は毛穴の皮脂腺から分泌され、肌を乾燥や外的刺激から守る役割を持っています。しかし、過剰な皮脂はべたつきやニキビの原因になります。特殊なテープを用いて、皮膚の皮脂量を測定します。頭皮でも測定が可能です。

ハリ弾力測定

加齢や紫外線の影響で、真皮のコラーゲンやヒアルロン酸が減少し、ハリや弾力が失われ、しわやたるみが生じます。皮膚のハリや弾力の評価指標は「粘弾性」といわれています。
粘弾性とは、以下２つの物性を併せ持った性質のことです。

・風船のように力を加えた時、瞬時に形を変える力「弾性」
・粘土のように力を加えてゆっくりと形を変えて維持する「粘性」

継続して化粧品を使用し、粘弾性の変化を記録、ハリ・弾力を評価します。

ツヤ測定

毛髪や皮膚表面に光を当てて、反射する光量を測定し、光沢度を評価します。
スキンケア製品ではテカリ評価、メイクアップ製品やヘアケア製品のツヤ評価にご利用いただけます。

有用性試験【ビジュアル評価】

顔画像解析

カラー写真とUV写真の撮影を行い、シミ・シワ・毛穴・色ムラなど目的に合わせた解析が可能です。スキンケアアイテム使用前後だけでなく、ベースメイクアイテム使用前後の比較にも利用できます。１回の撮影で８項目の測定が行え、ビジュアルデータだけでなく項目に応じた特徴の個数といった数値データも得ることができます。