アクティブシニア市場、特性とオススメ成分
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- 2020.10.14
近年、少子高齢化に伴い「アクティブシニア」が注目を集めています。今回は、その「アクティブシニア」市場とその特性、さらにオススメの成分についてご紹介します。
- 目次
- 1.アクティブシニアとは?
- 2.日本にはどれくらいのアクティブシニアがいる?
- 3.アクティブシニアの特性
- 4.オススメ成分と訴求ポイント
- 4-1.プロテオグリカン、非変性Ⅱ型コラーゲン、HAS-Ⅱ
- 4-2.ラフマ、GABA
- 4-3.ビルーベリー、ルテイン、クロセチン、アスタキサンチン
- 4-4.バナバ葉抽出物
- 4-5.イージータブ®(製剤技術)
- 5.最後に
アクティブシニアとは?
アクティブシニアとは、「自分の価値観をもち、定年退職後や還暦後も、趣味やさまざまな活動に意欲的で元気なシニア層」のことです。
「一般社団法人日本アクティブシニア協会」は、アクティブシニアを前期高齢者(65~75歳)と定義しています。
(参考:https://en-park.net/words/7975)
あなたの周りにもいますよね、年齢を感じさせない元気な高齢者。ジョギングをしていたり、スポーツジムに通っていたり、マラソン大会に参加したり。田舎では毎日、畑仕事に精を出す元気なおじいさん、おばあさんがたくさんいます。山に行ったりすると、登山着を着たシニアの集団に追い抜かれたりして驚くこともあります。自分よりよほど元気で、体力ありそうだな、とビックリしますよね。
このような高齢者は身体的に自立していることはもちろんですが、精神的にも自立しており、多くのことに意欲を持って取り組んでいます。
日本にはどれくらいのアクティブシニアがいる?
「日本の高齢化の推移と将来推計」によれば、2019年10月現在、65歳以上の人口は3,589万人、総人口に占める割合は(高齢化率)は28.4%。実に4人に1人は65歳以上ということになります。
そのうち、「アクティブシニア」の数には諸説ありますが、シニアマーケティングを専門とするマーケティング会社によれば、65歳以上の人口(約3,600万人)の内、約890万人に上る、とされます。これは65歳以上の方の4人に1人にあたる方々が、アクティブにシニアライフをエンジョイされている計算です。
(参考:https://nspc.jp/senior/who/)
アクティブシニアの特性
では、アクティブシニアはどんな特性があるのでしょうか?
特徴は主に、以下のようなものです。
- 新しい価値観を生活に取り入れている
- 趣味など、さまざまな活動をしている
- モノ/コトに関わらず消費活動に積極的
また、時間やお金に余裕があるのもアクティブシニアの特徴です。仕事や子育てなどが終わり、自分のためにお金や時間を使えるので、やりたい、行ってみたい、と思っていたことに対して積極的に行動します。
アクティブシニアといっても、各々の思考や行動は人それぞれです。旅行に出かけたい、運動をしたい、趣味に没頭したい。例えば、旅行にしても、日帰り旅行から、海外一周旅行までさまざま。運動一つとっても、毎朝の散歩を日課にする方から、毎日ジムに通いボディビルダーを目指す方まで。趣味では、カメラ、お酒、カラオケなど、多岐にわたります。
つまり、アクティブシニアと言ってもひとくくりにしてしまうと、心を掴むことは難しいでしょう。同じアクティブシニア向けでも、多様なライフスタイルに合わせた訴求が求められるのです。
オススメ成分と訴求ポイント
ここからは、アクティブシニアの特性に合わせた、オススメの成分と訴求ポイントの例をご紹介します。
プロテオグリカン、非変性Ⅱ型コラーゲン、HAS-Ⅱ
機能性表示食品としての知名度も上がってきている、関節に関する素材です。
- 日常のひざの動き(正座などの曲げ伸ばし、階段の昇り降り、しゃがむ、立つ、歩くなど)の改善をサポートする
- しゃがみこみや立ち上がりの時の膝の違和感を軽減し、膝の違和感による日常生活の悩みを軽減する
などを訴求した機能性表示食品が、届出されています。「ひざの痛みを気にせず、もっとアクティブに行動したい」と考えるアクティブシニアには魅力的な成分だと言えるでしょう。
同様の機能を持つ「グルコサミン」という成分を耳にしたことがある方は多いと思いますが、「グルコサミン」は1回の摂取量として錠剤5-10粒程度である商品が多く、わずらわしさ・飲みにくさを感じていた消費者も多いと考えられます。
プロテオグリカン、非変性Ⅱ型コラーゲン、HAS-Ⅱの素材を利用すれば、錠剤2-3粒程度に抑えられるためわずらわしさがグッと低くなり、続けやすい・飲みやすい商品化が可能であると考えられます。
ラフマ、GABA
こちらも機能性表示食品としての知名度も上がってきており、耳にされている方も多くなってきました。抗ストレスや睡眠改善に関する素材です。
- 仕事や勉強による一時的な精神的ストレスや疲労感を緩和する
- 睡眠の質(眠りの深さ・起床時の睡眠に対する満足感)の向上に役立つ
などを訴求した機能性表示食品が届出されています。加齢によって眠りが浅い、と悩むシニアには魅力的な成分です。
既に市場では睡眠訴求商材として、L-テアニンの商材が多く出回っていますが、コストの高さがネックでした。ラフマやGABAはこれらと比較し、単価を抑えることができる素材です。機能性表示食品としての実績も増えてきており、注目の素材となっています。また、GABAについては、睡眠・ストレス以外の訴求も増えてきており、今後の研究結果次第では、同素材でさまざまな訴求を同時に行うことが可能になるでしょう。
ビルーベリー、ルテイン、クロセチン、アスタキサンチン
目についてのケアで有名な、バリエーションも豊富で消費者の選択の幅も広がっている素材です。
最近ではスマートフォンやタブレットを使う機会も増加し、これまでよりも目の疲れにお悩みのシニアも多いことでしょう。聞き慣れた素材で、または新しい素材への期待・興味から選択される消費者もいると予想されますので、ターゲットに合わせた商品設計で市場へアプローチしてはいかがでしょうか。
バナバ葉抽出物
バナバの葉には、生理活性成分であるトリテルペノイド類と呼ばれる成分が豊富に含まれています。
特にそのうちの1種であるコロソリン酸という成分は、インスリンと似た作用を持つと知られており、実際、バナバ葉由来コロソリン酸には血糖値を下げる作用があることが、臨床試験で確認されています。
東洋新薬では、日本人を対象とした臨床試験を行い、バナバ葉抽出物の新たな機能性として「抗ロコモ作用」を発見しました。バナバ葉抽出物による抗ロコモ作用は、血糖値を抑える作用と同様に、バナバ葉抽出物に含まれるコロソリン酸によるものと考えられます。
コロソリン酸は、インスリンシグナル等の調節に関与している因子に作用し、筋タンパク質合成を促進することで、筋肉量を維持・増加し、抗ロコモ作用を発揮していると考えられます。
イージータブ®(製剤技術)
錠剤が飲みづらいといった悩みもよく耳にします。そんな時は、イージータブ®という飲みやすさを追求した製剤があります。嚥下用のゼリーと混ぜなくてもそのまま飲みやすい剤形技術は、アクティブシニア世代にとって魅力的でしょう。
最後に
いかがでしょうか。今回はアクティブシニアの嗜好に合わせた、オススメ素材と訴求のヒントの一部をご紹介しました。自粛期間で運動不足になりひざの痛みを抱えている方や、例年以上に長く続いた熱帯夜の影響で睡眠に悩みをお持ちの方、タブレットやスマートフォンなどの画面を見る機会が増えて目の疲れにお悩みの方・・・こういったアクティブシニアの方々の多様な悩みに寄り添う商品開発が、市場獲得の近道です。ぜひ、東洋新薬へお問い合わせください。
東洋新薬は健康食品・化粧品業界を陰で支えるODEM(ODM&OEM)メーカーとして、世界の人々の『健康と美』への期待に『価値』で応えていくことをミッションとしています。 本サイトでは通販ビジネスにかかわるすべての皆様に様々な情報をお届けしています。
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