「酸化」と「糖化」とは?老化・アンチエイジングとの関係性

  • 2020.11.30
酸化 糖化

今回は美容業界でアンチエイジングのキーワードとして脚光を集めている「酸化」と「糖化」について、ご紹介します。それぞれの概要から違い、アンチエイジングとどう関係するかまで解説します。

目次
1.「酸化」と「糖化」について
1-1.酸化とは
1-2.酸化のメカニズム
1-3.糖化とは
1-4.糖化のメカニズム
1-5.酸化と糖化の関係性
2.化粧品業界における「酸化」と「糖化」
2-1.「酸化」関連化粧品の市場動向
2-2.「糖化」関連化粧品の市場動向
3.「酸化」と「糖化」のこれから
3-1.「酸化」の今後~関連成分の紹介
3-2.「糖化」の今後~関連成分の紹介
4.まとめ

「酸化」と「糖化」について

酸化とは

「酸化」とは、酸化して金属が錆びる現象のように、「身体に存在する酸素が活性化して活性酸素となり、各組織を傷つけてさまざまな不調の原因となる現象」を指します。そして、それを抑えることが「抗酸化」です。

酸化のメカニズム

もともと活性酸素はヒトの体内に発生しており、身体に侵入した細菌やウイルスを撃退する作用があります。

しかし、紫外線などの外的ストレスや個人の心理状態などの内的ストレスにさらされる環境が恒常化してしまうと、体内で処理しきれないほどの過剰な活性酸素が発生することがあります。すると、正常な細胞までも攻撃され、肌の老化も引き起こすということです。

糖化とは

「糖化」とは、糖とタンパク質が結合して起こる現象であり、酸化の「錆び」に対して糖化は「焦げ」と称されます。1912年にLC Maillardが、タンパク質の構成物質であるアミノ酸と糖を加熱すると褐色の色素が生成することを発見したことから、「メイラード反応」として知られるようになりました。

糖とタンパク質が結合して起こる「糖化」には、以下の特徴があります。

1)糖化すると褐変する
2)糖化すると固くなる
3)糖化すると水分がなくなる

糖化のメカニズム

「糖化」は身体の中に糖分が多い、また紫外線によっても起こり、肌、特に顔に起こりやすい現象です。皮膚真皮に存在するコラーゲンは、他のタンパク質に比べて寿命が長く、長期の高血糖や紫外線暴露で糖化し、体内に蓄積しやすい特徴があります。

つまり、肌が黄色くくすむ、肌が固くなる、乾燥するといった状態は、すべて「糖化」で説明できます。
「2日目のホワイトシチューが茶色くなる」「炊いたご飯は日数が立つと黄色く固くなる」といった現象も「糖化」によるものです。

酸化と糖化の関係性

「酸化」と「糖化」は上記のような違いがありますが、実は互いに影響しあう関係にあります。

糖化によってタンパク質が褐変する・固くなることによって、人体に本来備わっている防御機能が十分に発揮されなくなり、活性酸素が過剰に発生してしまい、「酸化」の状態となります。

つまり、糖化は酸化を助長してしまう働きがあるということになり、互いに影響すると細胞の老化に拍車がかかってしまいます。

化粧品業界における「酸化」と「糖化」

「酸化」関連化粧品の市場動向

上述の通り、「酸化」は金属が錆びるように、「各組織を傷つけてさまざまな不調の原因となる現象」と説明でき、これが肌にも発生してしまうことから、美容業界で「肌の酸化を防ぎたい」として注目されるようになり、抗酸化作用が期待できる化粧品を中心に市場が拡大してきた背景があります。

その影響で、「酸化」関連の化粧品市場は拡大傾向にあり、特にビタミンCやビタミンA、ビタミンEポリフェノールなどの成分が豊富に含まれている化粧品が人気を博しています。肌の酸化は、乾燥やシワ、シミ、たるみなどの肌トラブルや肌の老化の原因となる可能性があることから、アンチエイジングのイメージも強まり、上述の成分が含まれている化粧品の需要が高まっているのです。

ただ、「肌の抗酸化」という化粧品の表現は、薬機法において認められていません。そのため、直接的に「抗酸化」という言及はなく、上述の成分が含まれている訴求や「老けたと感じる」「目指したい」といった主観的な感想を用いることが多いでしょう。なお、健康食品においても「抗酸化」という表現は認められておらず、栄養補給表現などで訴求されています。

「糖化」関連化粧品の市場動向

肌が黄色くくすむ・固くなるなどは「糖化」で説明でき、このような日常的に肌に起こる現象と「糖化」がリンクしたことで、美容業界では「糖化→肌のアンチエイジング」として注目を浴びるようになりました。

そして、2000年前半に大手化粧品会社が「糖化」をコンセプトとした化粧品を次々に販売しました。その際、「糖化」は主に高級化粧品のコンセプトとして使用され、抗酸化と比べワンランク上のアンチエイジングのイメージが強くなりました。

あれから約20年が経過し、現在も「糖化」の訴求商品は存在し続けています。最近では、中国の方向けの化粧品やインナービューティの健康食品でも「糖化」コンセプトの商品が売れているという話も耳にします。

その理由として、「糖化」の原因の一つに「高い血糖値」が挙げられ、食事や運動不足による生活習慣の乱れも大いに影響します。健康食品・化粧品業界では、「糖化」に対して美容のイメージが強いですが、医学領域では古くから糖尿病の合併症として問題視され、健康の重要因子でもあるのです。

特に私たちアジア圏の人種は血糖値が高くなりやすい特徴があるため、遺伝的にも「糖化」は決して無視できないものと言えるのです。

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「酸化」と「糖化」のこれから

「酸化」の今後~関連成分の紹介

「酸化」に関連する商品として、「酸化ケア」や「抗酸化」といった作用が期待できる化粧品や健康食品は今後も注目です。抗酸化が期待できる成分としては、以下が挙げられます。

・ビタミンC
・ビタミンA
・ビタミンE
・ポリフェノール
・フラバンジェノール
・コエンザイムQ10

特に「フラバンジェノール」は、フランス海岸松の樹脂から抽出されるポリフェノールを多く含んだ植物由来の天然成分のことで、肌への様々な作用が確認されています。化粧水やクリームをはじめとしたスキンケア製品はもちろん、ヘアケアアイテム、日焼け止めなどにも活用可能です。

関連記事:フラバンジェノールとは?美白や抗酸化作用あり!化粧品の開発事例もご紹介

「糖化」の今後~関連成分の紹介

「糖化はもう古い」との声もありますが、本質的に消すことのできないキーワードです。これを販売視点で考えると、「ワンランク上のアンチエイジングのキーワード」として消費者にベネフィットを与えることができるカテゴリであり、取り扱う商品ごとに関連成分が存在します。

健康食品は、ヘルスクレームが訴求できる機能性表示食品が増加傾向にあります。機能性表示食品でも「糖化ストレス」を届出表示とした『マンゴスチン由来ロダンテノンB』という関与成分があります。

また、そもそものリスク低減のため、血糖値の上昇を抑えることは糖化対策に有効な手段になりえます。血糖値の上昇を抑える機能性表示食品の関与成分は『難消化性デキストリン』や『イヌリン』などの食物繊維、ターミナリア由来没食子酸などの『ポリフェノール』、サラシア由来『サラシノール』などの成分が挙げられます。

化粧品では「シワ対策」の医薬部外品もここ数年、増えてきました。「糖化」と「シワ」も関連性が深いテーマであるほか、骨、眼、筋肉、脂肪組織にも影響を与える因子であることがわかっており、ますます注目されることでしょう。

まとめ

今回は、「酸化」と「糖化」について解説しました。それぞれのメカニズムや業界・市場の背景、関連成分を押さえたうえで、今後もアンチエイジングと化粧品や健康食品について理解を深めていきましょう。「酸化」と「糖化」をテーマにした商品がどのように展開していくか、楽しみですね。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2023年1月20日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2022年8月31日時点、自社調べ)

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