世界トレンド「クリーンビューティー」とは~概要や市場規模など徹底解説

  • 2020.11.09

国内外で耳にする機会が増えている「クリーンビューティー」。欧米では次のトレンドとして常に話題に上り、セレブやインフルエンサーの支持が後押しとなって関連ブランドが次々に誕生しています。

目次
1.「クリーンビューティー」とは、どのようなものなのでしょうか?
1-1.肌や環境、体に安心な成分
1-2.環境への配慮がある製造工程やパッケージ
1-3.天然素材を取り入れる
2.日本でのクリーンビューティーブランド
3.クリーンビューティーの市場規模

「クリーンビューティー」とは、どのようなものなのでしょうか?

実はその定義は明確ではなく、認証なども存在しません。

大まかな共通認識としては、

①肌や環境、体に安心な成分を使用している
②環境に配慮した製造工程やパッケージである
③天然素材を取り入れている

といったことが挙げられます。

「クリーンビューティー」とは、肌にも環境にも安全安心を提唱しているブランド、そしてそれを消費者に堂々と公開してブランドとしての「透明性」を掲げる意味で使われていることが多いのです。

それでは前掲の各項目を、詳しくご紹介します。

肌や環境、体に安心な成分

パラベンや人工香料、マイクロプラスチックビーズ、紫外線吸収剤など環境や肌の負担になる可能性がある成分を取り入れない、ということです。いわゆる「無添加成分」「フリー成分」を多く挙げています。

例えば、スクラブ洗顔をはじめとするアイテムに配合されているつぶつぶの成分「マイクロプラスチックビーズ」は、水に溶けません。それが海に流れてしまうと魚をはじめとした海洋生物がエサと間違えて食べてしまい、生態系に影響を及ぼすことが指摘されています。マイクロプラスチックビーズには日本では法規制はまだなく、自主規制にとどまっていますが、米国や欧米、台湾では販売禁止などの規制がはじまっています。

さらに、肌への影響を考え防腐剤や香料なども使用しないことで、商品の安全性を示す傾向にあります。

環境への配慮がある製造工程やパッケージ

クリーンビューティーブランドの多くは、製造工程やパッケージにも気を使います。化粧品は消費者の手元に届くまでさまざまな製造工程があります。パッケージの外観も重視されるため、過剰な包装や装飾が加えられがちです。

そのため、製造工程におけるCO2削減や輸送のエネルギーまでを含めた「製品のライフサイクルすべてにおいて環境に配慮する」という取り組みに注力するブランドが多いのです。

SDGs(持続可能な開発)と関連付けられる場合も多く、具体的には、生分解性の高いプラスチックボトルや再生可能なガラスボトル、化粧箱などの利用撤廃が挙げられます。

天然素材を取り入れる

クリーンビューティーはナチュラルコスメやオーガニックコスメと同様、天然素材を重視します。しかし、異なる点として、クリーンビューティーは合成成分も許容し、取り入れることがあります。ナチュラルコスメのように徹底的に天然素材にこだわる訳ではなく、環境に配慮された原料、動物の生命を脅かさないもの、動物の生態系に配慮した素材、といった意味合いが強いのかもしれません。

そのため、米国では原料の生産者を公開していたり、自社で農園を持ち原料の追跡が100%可能な状況を創り出しています。その「透明性」も、クリーンビューティーにとっての大きな要素です。

具体例をご紹介しましたが、最初にご説明したとおり、まだ明確な定義はありません。曖昧なクリーンビューティーの定義をしっかり決めよう!という動きも一部ではあるのですが、現状では各ブランドがそれぞれの哲学や信念、コンセプトといった形で宣言をしているにとどまります。

「思想」を伝えるという意味では、惜しみなく情報を消費者に与え、消費者に対して直接商品を販売する「D2C(Direct to Consumer)」というブランド戦略が注目されていることも、「透明性」がそのポイントの一つです。SNSを通じてブランドと消費者がコミュニケーションをとり、消費者の意見を取り入れ、それを商品に反映させる、そんな時代に則した取り組みと言えます。

世界トレンド「クリーンビューティー」が支持される理由

日本でのクリーンビューティーブランド

2019年10月、資生堂がクリーンビューティスキンケアブランド「ドランク エレファント(DRUNK ELEPHANT)」を買収し、話題を呼びました。また、日本発のブランドでも、この秋冬デビューした国産ツバキの成分を軸としたクリーンビューティーブランド「ON&DO」や「JUICE」が登場し、この流れを牽引していくことでしょう。

今後、クリーンビューティーはかつての「オーガニック」や「ボタニカル」同様、スキンケアにおける大きなブランドのカテゴリーとして、消費者の選択肢に定着すると予想されます。

<参考:クリーンビューティーの訴求ブランド例>
『刺激の強い成分や不必要な添加物は配合しない』ベアミネラル
『肌の健康に直接寄与する成分や効果をサポートする原料のみを使用し、不必要あるいは肌に悪影響をもたらす可能性のある成分は使用しない』ドランクエレファント
『自分を大切にするように環境を大切にして、正直なものづくりをめざす。』アスレティア
『進化する、クリーンな和コスメ』マカナイコスメ

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クリーンビューティーの市場規模

日本におけるクリーンビューティー市場は、まだ始まったばかり。しかし、世界規模のビューティートレンドであり、世界の売上は2020年では5億4,396万米ドルと推定。2027年には115億米ドルに達し、2020年から2027年で12.07%のCAGR(年平均成長率)と予測されています。

世界のクリーンビューティー市場のアイテムの幅は広く、スキンケアだけでなく、メークアップ・オーラルケア・ヘアケアも含まれます。最も大きい割合はスキンケアで、約28%を占めています。

今後、日本を含めた中国・韓国などのアジア市場では、天然由来成分や肌への優しさを大切に考える化粧品ニーズが高まっていることから、クリーンビューティー市場も急速に発達すると考えられています。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2023年1月20日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2022年8月31日時点、自社調べ)

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