関節機能を守るコラーゲンペプチド~健康食品・サプリOEM商品開発のヒント
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- 2025.03.26

「コラーゲン」と聞くと、「肌に良い成分」を思い浮かべる方が多いと思います。しかし近年では、コラーゲンを低分子化した「コラーゲンペプチド」を用いて、骨や関節をサポートする機能を謳う機能性表示食品が数多く販売されています。
そこで今回は、健康食品・サプリメントOEM商品開発のヒントとして、「コラーゲンペプチド」とはどのようなものなのか、また最近の研究で確認されている関節への機能性とそのメカニズムについて、解説します。
コラーゲンペプチドとは?
コラーゲンは身体を構成するタンパク質のひとつです。人体にあるタンパク質のうち、約30%をコラーゲンが占めており、骨や血管などの全身の組織に分布しています。
今回ご紹介するコラーゲンペプチドは、豚や魚、牛などに由来するコラーゲンを低分子化することで、体内への吸収性や水への溶解性を向上させた機能性成分です。
コラーゲンペプチドの機能性として、これまでに、肌のうるおいと弾力を維持し、肌の健康に役立つ機能や骨をつくるはたらきをサポートする機能が知られています。また、膝や腰の関節に対する作用も知られています。

関節組織の重要性
そもそも、コラーゲンペプチドが作用する関節とは、どのような器官でしょう?
関節は我々の運動に大きく関与している器官であり、2つ以上の骨を連結しており、コラーゲンやプロテオグリカンといった成分を含む関節軟骨や滑膜等で構成されています。
加齢などにより 関節の恒常性が破綻すると、炎症などが生じ、膝や腰の関節の痛みや可動域の制限といった症状につながります。
2022年に厚生労働省が行った国民生活基礎調査では、男女ともに「腰痛」や「手足の関節の痛み」が上位に入っており、多くの方が腰や手足の関節の痛みに悩んでいると推測されます。
東洋新薬は、この悩みに着目し、コラーゲンペプチドの関節への作用を検証しました。
コラーゲンペプチドの関節への作用
40~74歳の「関節に違和感や不快感がある方」を対象に、コラーゲンペプチドまたはコラーゲンペプチドを含まないプラセボ食品を、12週間摂取していただきました。
その結果、プラセボ食品を摂取した被験者と比較して、日常生活動作(歩行時、階段昇降時、座った状態から立ち上がる時、床に落ちたものを拾う時)における膝の違和感や日常生活動作時の一時的な腰の不快感を軽減する作用が確認されました。
出典:コラーゲンペプチド含有食品が膝および腰の関節機能に与える影響 —ランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験—
(薬理と治療 vol.51 no.4, 521-530, 2023)
なぜコラーゲンペプチドを摂取すると関節機能改善効果が得られるのか?
コラーゲンペプチドをヒトが摂取すると、血中にプロリルヒドロキシプロリン(Pro-Hyp)と呼ばれるジペプチドが高濃度で検出されることが報告されています1)。
また、Pro-Hypは関節を構成している滑膜や関節軟骨に取り込まれることが知られています2)。Pro-Hypは関節軟骨の維持に関与する遺伝子の発現を調整する作用や軟骨基質を構成する成分の合成を促進させる作用が報告されています3)。
また、コラーゲンペプチドを摂取すると、炎症マーカーの血中濃度を低下させることが報告されていることから4)、コラーゲンペプチドは関節軟骨の機能を維持する作用や抗炎症作用により、関節機能改善作用を発揮すると考えられます。
出典:
1) Comparison of quantity and structures of hydroxyproline-containing peptides in human blood after oral ingestion of gelatin hydrolysates from different sources. (Journal of agricultural and food chemistry vol.55 no.4, 1532-1535, 2007)
2) Distribution of prolylhydroxyproline and its metabolites after oral administration in rats. (Biological and Pharmaceutical Bulletin vol.35 no.3, 422-427, 2012)
3) Chondroprotective effect of the bioactive peptide prolyl-hydroxyproline in mouse articular cartilage in vitro and in vivo. (Osteoarthritis and Cartilage vol.17 no.12, 1620-1627, 2009.)
4) コラーゲンペプチド含有食品の膝関節痛と各種バイオマーカーに対する効果. (グルコサミン研究 vol.9, 40-47, 2013)
まとめ
いかがでしょうか。今回は、「関節機能」を守るコラーゲンペプチドについて、基礎知識からそのメカニズムまで解説しました。この記事が、少しでも貴社の商品開発にお役立ちできれば幸いです。
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