クリーンビューティーの「動物実験」を考える。倫理的な商品開発とは

  • 2023.08.04
クリーンビューティー

化粧品の商品開発において、近年注目度が高まっているクリーンビューティーの「動物実験」について本記事では取り上げます。倫理的な商品開発を行うにあたって、動物実験に対する考察をご紹介します。

目次
1.クリーンビューティーとは?
2.クリーンビューティー「動物実験」にまつわるお問い合わせ
3.クリーンビューティー「動物実験」の歴史・背景
4.クリーンビューティー「動物実験」に対する考察
5.まとめ

クリーンビューティーとは?

「クリーンビューティー(Clean Beauty)」には、明確な定義やルールが存在しません。何をもって「クリーン」とするのかは各社、各人によって幅広い理解がされていますが、大まかに以下のような共通認識があります。

  • 肌や環境、体に安心な成分を使用している
  • 環境に配慮した製造工程やパッケージである
  • 天然素材を取り入れている
  • 動物実験をしないこと

化粧品開発ではどれも注目度が高いテーマといえますが、動物実験は特に注目度が高いです。近年は世界的なクリーンビューティーのトレンドが広まり、化粧品業界においても動物愛護の観点、クルエルティフリーがますます重要視されています。また、動物愛護への関心は日本よりも特に欧米の国々で、非常に高いものがあります。

本記事では「動物実験」に焦点を当てて解説します。

関連記事:世界トレンド「クリーンビューティー」とは~概要や市場規模など徹底解説

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クリーンビューティー「動物実験」にまつわるお問い合わせ

お客様から当社に、数か月に1度くらいの周期で、「動物実験を行っていますか?」との問い合わせをいただきます。

当社は安全性と品質を最優先に考え、厳しい規制や安全基準に基づいた評価を行っていますが、完成品で行う安全性試験でヒトを使ったパッチテストを行うことはあっても、ネズミやウサギなどの動物によるテストは一切行っていません。

クリーンビューティー「動物実験」の歴史・背景

近年こそ注目度が高いクリーンビューティー、そして動物実験の是非ですが、原料単体においては必要に応じて動物実験が行われてきた過去があります。その目的は、安全性評価、皮膚吸収性の評価、また目や皮膚の刺激性評価です。

しかし、欧米をはじめとした化粧品業界で倫理的な観点や科学的な進歩に基づき、動物実験の代替方法が開発されてきました。そして2013年以降、EUで化粧品の原料や製品に対する動物実験が禁止されました。このことが大きな契機となり、動物実験の代替手法開発が促進。日本においても動物実験を行わない流れができました。

一部の国や地域では、法的要件や安全性基準を満たすために動物実験が必要とされる場合がありました。たとえば中国。かつては中国国内の試験機関で、動物実験を求める規制が存在しました。しかし2021年5月、条件を満たした一般化粧品に限り免除となり、脱・動物実験へと一歩前進しました。

この流れは世界で常識となりつつあり、動物実験の代替手法の、さらなる技術発展が求められています。

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クリーンビューティー「動物実験」に対する考察

次に、過去に動物実験を行っていたという事実は消せないのか?というテーマに目を向けてみましょう。

クリーンビューティーやヴィーガン認定を受ける際、過去に動物実験の実績がある原料が含まれる場合は、認定を諦めなければならないのでしょうか。

クリーンビューティーやヴィーガンの認証を行う複数団体に問い合わせたところ、「現在において動物実験を継続的に行っていないのであれば、問題ない」という回答でした。古くから使われている原料で過去にはネズミやウサギなどを用いて安全性を確認していたものも、現在行っていなければ、それは「動物実験を行っていない原料」と言えるようです。(条件により異なるケースもあるため、詳細は個別にご確認ください)

まとめ

いかがでしょうか。今回はクリーンビューティーにおける動物実験について取り上げ、トレンドや歴史、考察などの情報をお届けしました。これから、クリーンビューティーの流れはさらに加速することはあっても、逆戻りすることはないと思われます。

東洋新薬では、美しさとクルエルティフリーといった倫理的な取り組みを両立させた、より持続可能な化粧品の商品開発を目指し、これからも取り組んでまいります。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2024年8月15日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2024年5月31日時点、自社調べ)

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