「UVケア・日焼け止め」OEM商品開発のコツ~検討時3つのポイント+付加価値4つのアイデア

  • 2022.02.17
UVケア 開発

8月にピークを迎える紫外線。紫外線量は3月頃から徐々に高まるため、春先はUVケアアイテムの新商品発売が相次ぎます。

そこで今回は、日焼け止め・UVケアアイテム商品のOEM開発に際し、どのような点に注意して進めればよいか、そしてさらに商品の付加価値を高めるには?について、解説します。

>あわせて読みたい「UVケア・日焼け止めのOEMとは?」

目次
1.サンケア関連市場の現在
2.まず何を決めたらよい?~日焼け止め・UVケア商品OEM開発のポイント
2-1.UVカット効果
2-2.剤型
2-3.紫外線吸収剤使用の有無
3.「売れる」日焼け止め・UVケアアイテムの機能・付加価値のアイデア
3-1.高機能UVアイテムの訴求例① +メイクアップ効果
3-2.高機能UVアイテムの訴求例② +スキンケア効果
3-3.高機能UVアイテムの訴求例③ +ブルーライト・近赤外線に着目
3-4.高機能UVアイテムの訴求例④ +ホコリやPM2.5など大気汚染物資からの保護
4.まとめ

サンケア関連市場の現在

サンケア市場とは、紫外線による肌へのダメージを最小限に防ぐために利用される製品の市場のことを指します。
2010年以降、10年連続で拡大を続けてきたサンケア関連市場。2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、外出機会の減少、インバウンド需要消失などにより前年比80.3%と大きく落ち込みました(経済産業省「生産動態統計」日焼け止め及び日焼け用化粧品 出荷金額)。

しかし、コロナウイルスの終息に合わせて市場規模の回復も予想されます。アジア地域では肌の美白や紫外線対策への意識が高く、近年では皮膚がんに関する知識の向上などもあり、市場成長に大きく貢献しています。

紫外線はシワやシミなどの肌老化を促進させることも広く認知されており、老若男女問わず利用者が増加しています。最近では、日焼け効果のみならず、保湿効果、抗酸化作用、天然由来成分を配合した製品など、付加価値アイデアが組み込まれたものが多く販売されています。

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まず何を決めたらよい? ~日焼け止め・UVケア商品OEM開発のポイント

それでは、「日焼け止め」関連商品のOEM開発において、どのような視点で検討すればよいか、またその際に注意すべきポイントを見ていきましょう。

開発当初に検討すべき点としては、「UVカット効果」「剤型」「紫外線吸収剤使用の有無」の3つがあります。これらは商品コンセプトから製造期間、コストなどにも影響を及ぼす項目です。

以下、1つずつ解説します。

UVカット効果

まずはどの程度のUVカット効果を訴求したいのか、商品ターゲットを描き、検討しましょう。

日焼け止め・UVケアアイテムの商品開発においてもっとも重要なのは紫外線を防ぐ指標、UVカット値です。これは消費者がUVケアアイテムを選ぶ基準ともなります。

UVカット効果はSPFやPAで示されます。日本の表記ではSPFは数値(最大値:50+)、PAは+(最大値:++++)と決められています。

測定方法は、国際規格(SPF測定法:ISO24444、UVA(PA測定法:ISO24442))が発行されています。

(参考)

SPF20程度 PA++ → 日常生活を防御
SPF30〜40 PA+++ → 屋外での軽いレジャーやスポーツ
SPF50+ PA++++ → 炎天下でのレジャーやマリンスポーツ

紫外線防御値(SPF、PA)の測定には、費用と期間が必要です。
期間短縮・コスト削減したい場合は、OEMメーカーの持っている試験済み処方を使用することもできますので、相談しましょう。

剤型

続いては剤型の検討です。日焼け止め・UVケアにもジェルやクリーム、スプレー、ローションといったさまざまな剤型があります。

最近では固形のスティックタイプやパウダータイプも発売されており、利用シーンによる使い分けも盛んになってきています。

【代表的な剤型】

●乳液、クリームタイプ
もっとも一般的な剤型です。しっとりとした使用感や伸びのよいタイプまでさまざま。子供用や保湿力を求めるフェイス用として、多く発売されています。

●ジェルタイプ
みずみずしく、軽い使用感が特徴です。全身用アイテムや男性用で好まれる傾向にあります。

●スプレータイプ
日焼け止め・UVケア商品はこまめに塗り直しが必要な点がデメリットとして受け止められます。そのため、スプレータイプは外出先での利用用途として近年、人気が高まっています。

スプレータイプには「髪にも使える」訴求をしている市場品も多くみられますが、SPF値やPA値は肌への紫外線防御効果を示しており、髪に対する紫外線防御効果の共通指標は定められていませんので注意しましょう(2022.01現在)。

紫外線吸収剤使用の有無

UVカット剤として使用される成分には、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤があります。

どちらも肌への安全性は確認されていますが、紫外線吸収剤の一部は海洋生物やサンゴに影響を及ぼす研究結果が報告されており、環境を保護する観点からパラオやハワイでは特定の紫外線吸収剤を使用した日焼け止めの使用や販売が禁止されており、環境配慮の観点で留意しておく必要があるかもしれません。

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「売れる」日焼け止め・UVケアアイテムの機能・付加価値のアイデア

商品開発における基本的な検討事項をご理解いただいたところで、次は「競合優位性をいかに持てばよいか?」のお話です。

ご存じの通り、「紫外線から肌を守る」日焼け止め・UVケアの基本性能を満たした商品は既に多く世の中に出回っているため、なんらか「新しい価値」あるいは「多機能性」を訴求しなければ、市場競争を勝ち残れません。

以下、アイデアとして近年注目の機能をご紹介します。

高機能UVアイテムの訴求例① +メイクアップ効果

2019年頃から増加している、トーンアップ効果やカラーコントロール効果を付与した日焼け止め。化粧下地と日焼け止めが1つになっている、塗るだけで肌をキレイに魅せるアイテムです。

「自宅からちょっとそこまで」のワンマイルメイクアイテムとしても、コロナ禍以降、さらに人気が高まっています。

高機能UVアイテムの訴求例② +スキンケア効果

光老化によって引き起こされるとされる「シミ」。化粧品の日焼け止めで訴求可能な表現は、「日焼けによるシミ・そばかすを防ぐ。」です。

しかし医薬部外品での開発を行うと、「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ。」や「シワを改善する」といった表現が検討可能になります。
>シワ改善クリームの市場動向とは?~訴求が可能な効果・効能もご紹介~

高機能UVアイテムの訴求例③ +ブルーライト・近赤外線に着目

肌に降り注ぐ光はUV-A、UV-Bの紫外線以外にも、スマートフォンなどの電子機器から注がれるブルーライトや、紫外線よりも波長の長い近赤外線(NIR)があります。

ただし、ブルーライトや近赤外線に関しては、UV-AやUV-Bのようにカット数値の指標は現時点では定められていないため、化粧品効能効果の逸脱とみなされないよう、注意が必要です。

高機能UVアイテムの訴求例④ +ホコリやPM2.5など大気汚染物資からの保護

ホコリやPM2.5・花粉などをまとめて「ポリューション」と呼びます。
ポリューションは肌機能を低下させ、肌トラブルを起こす可能性が示唆されていますが、日常生活では避けることが難しいため、日中に使用する日焼け止めで外的刺激からの保護を訴求するアイテムが増えています。

まとめ

いかがでしょうか。今回は日焼け止め・UVケア商材のOEM開発におけるコツと注意点、そしてさらなる付加価値により「売れる」商品開発アイデアのヒントをお届けしました。

東洋新薬では、日焼け止め・UVケアアイテムをはじめとした幅広い化粧品・コスメ、健康食品のOEM、さらにもっと企画から踏み込んだODM商品開発で、豊富な経験と実績があります。魅力ある商品開発を検討中の方は、ぜひお気軽にお声がけください。

>関連情報:化粧品OEMサービス
>関連情報:日焼け止めOEMの商品例「ノンケミUV」

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2024年8月15日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2024年5月31日時点、自社調べ)

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