クレンジング&洗顔~洗浄化粧品アイテム OEM商品開発のヒント

  • 2022.09.05

マスク着用の常態化で肌に悩みを抱えるユーザーが増え、スキンケアの基本ステップであるクレンジングや洗顔など、洗浄化粧品アイテムの高機能化が進んでいます。クレンジング・洗顔いずれのアイテムも「毛穴ケア」「角質ケア」訴求品の増加がみられ、これまでよりも少しユニークな剤型で差別化を図る動きが目立ちます。

目次
1.コロナ禍で「毛穴ケア」「角質ケア」が注目される理由~マスク着用との関係
2.クレンジングの役割・特徴と、OEM商品開発時の注意点
3.クレンジング商品の主な剤型
3-1.オイル(リキッド、油系ジェル)
3-2.バーム
3-3.ミルク/クリーム
3-4.ローション/リキッド/水系ジェル
3-5.シート
4.クレンジング商品の差別化・特長のアイデア
4-1.温感
4-2.炭酸
5.洗顔の役割・特長
6.洗顔商品の主な剤型
6-1.固形(石けん)
6-2.ペースト状
6-3.パウダー
6-4.泡(プレフォーム)
7.洗顔商品の差別化・特長のアイデア
7-1.ジェル洗顔
7-2.クレイ・スクラブ配合
8.クレンジング&洗顔~洗浄化粧品アイテムの気になる広告表現
8-1.毛穴の訴求
8-2.まつげエクステにも使える
8-3.W洗顔不要
8-4.ビフォーアフター表現
8-5.濡れた肌にも使える
8-6.弱酸性
9.まとめ

コロナ禍で「毛穴ケア」「角質ケア」が注目される理由~マスク着用との関係

コロナ禍で「毛穴ケア」「角質ケア」が注目される理由。それはズバリ、マスク着用による肌への影響です。

まずは毛穴ケアについて。マスクの着用によって汗や皮脂の分泌が過剰になり、皮脂量が増え、毛穴が目立つようになります。ただし皮脂は本来、肌表面に皮脂膜を形成して肌の乾燥を守るものであり、決して肌にとって悪いものではありません。

一方の角質ケアは、肌の余分な角質を取り除き、肌の生まれ変わりであるターンオーバーを整える作用を指します。マスク着用により肌が擦れることで肌の防御機能が働き、細胞が多く作られ、角質が肌表面にたまり分厚くなる角質肥厚(かくしつひこう)が起こります。これによってゴワつきやザラつき、ニキビといった肌トラブルに繋がり、ターンオーバーの鈍化に繋がります。(ちなみに、ターンオーバーの乱れはマスク着用だけが原因ではなく、乾燥や血行不良も要因となります)

この毛穴ケアと角質ケアはどちらも「肌に残った過剰な皮脂・古い角質を取り除くこと」が基本なため、洗顔やクレンジングとの相性がよく、訴求品が増えているのです。

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クレンジングの役割・特徴と、OEM商品開発時の注意点

クレンジングの役割は、洗顔では落ちにくいメイクアップ化粧品を落とすことです。

メイクアップ化粧品は油性成分が主成分のため、多くのクレンジングも油性成分が配合されており、メイク汚れを浮かしだします。その後、拭き取りまたは水で洗い流します。水で洗い流しやすくするために、クレンジングには界面活性剤が配合されています。

クレンジングの特徴は、なんといっても剤形の多様さ。

消費者の使用シーン・タイミングやメイクの程度にもよるため、一つのブランドから複数アイテムが発売されることも少なくありません。OEM商品開発時の注意点としては、剤型の種類によって製造可能なOEMメーカーが異なるということ。しっかり事前に確認しておきましょう。

クレンジング商品の主な剤型

ここからは、クレンジング商品の主な剤型をご紹介します。

オイル(リキッド、油系ジェル)

液体状オイルが主成分のクレンジングです。メイクとの馴染みが早く、クレンジング力(メイク落ち)が高いものが多く、比較的スッキリとした洗い上がりです。商品によってはメイクを浮かせた後、水を少し足して乳化させてから洗い流す使用法を案内する商品もあります。これは、油(クレンジング)と水が馴染まず、クレンジングオイルが肌に残り、ぬるっとした後肌になってしまうことを抑えるためです。クレンジングの中でもオイルを高配合しているため、製造原価としては高い傾向にあります。

バーム

近年人気が高まっている剤形です。固形状で手に取ると体温でとろける使用感、ゆっくり肌になじませマッサージをするように使う使用法が特徴です。クレンジング力はオイルと同等ですが、しっとりとした洗い上がりのため、乾燥が気になるユーザーからも支持されています。オイル同様、製造単価は高めです。

ミルク/クリーム

ミルクに比べクリームのほうが肌への厚みがありますが、いずれもなめらかに肌に伸び広がります。クレンジング力やメイクとの馴染みのよさは商品によってさまざまです。ミルク/クリームタイプは乳白色でエモリエント成分を多く配合しており、しっとりした洗い上がりが特徴の一つです。

ローション/リキッド/水系ジェル

オイルフリータイプも発売されています。クレンジング力は穏やかで、さっぱりとした洗い上がりです。まつげエクステにも使える、と謳う商品は、これらのタイプが主流です。オイルの代わりに界面活性剤を使用し、メイク汚れを落とします。

シート

不織布シートなどにクレンジング液が含浸されているものです。場所を選ばず使える手軽さがあります。さらに、拭き取るという物理的な力が加わるのでメイク落ちもよいですが、強くこすってしまうと肌への摩擦ダメージにつながってしまいます。そのためシートへの含浸量を調整したり、肌あたりの優しいシートを採用したりと、近年進化を遂げています。

クレンジング商品の差別化・特長のアイデア

次に、クレンジング商品の差別化・特長の付け方のアイデアをご紹介しましょう。

温感

剤型はジェルが多く、乾いた肌へ使用します。この温感タイプは水分と反応して、じんわりと温かさを感じます。血行不良によるターンオーバーの乱れをケアできるクレンジングで、なめらかな肌を保ちます。

炭酸

泡で出てくるフォームタイプです。炭酸による血行促進作用をはじめとしたさまざまな美容効果と、肌の上で炭酸泡が弾けて液状に変わる使用感が注目されています。

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洗顔の役割・特長

洗顔の役割は、肌に残ったクレンジング料や汚れ・ホコリなど水性の汚れを落とすことです。界面活性剤と呼ばれる、水にも油にも馴染む性質を持った成分を使用して、汚れを落とします。石けんも界面活性剤の一種です。

*界面活性剤とは:石鹸をはじめとする洗剤の主成分。分子内に水になじみやすい部分と、油になじみやすい部分を持つ物質の総称であり、両親媒性分子と呼ばれることも多い。ミセルやベシクル、ラメラ構造を形成することで、極性物質と非極性物質を均一に混合させる働きをする。また、表面張力を弱める作用を持つ。

洗顔商品の主な剤型

続いては、洗顔商品の主な剤型をご紹介します。

固形(石けん)

昔からある剤型ですが、容器、包装によってはプラスティックフリーの商品開発が可能であり、エコの観点から再注目されています。石けんには複数の製法があり、外観や使用感、洗浄力が異なります。どのタイプでも油脂や脂肪酸にアルカリ性成分を反応させて作られているため、化粧品で時折見かける「弱酸性洗顔」訴求はできません。

ペースト状

使用感や泡立ち・アルカリ性〜弱酸性、洗浄力などの調整がしやすいアイテム。現在もっとも多く、洗顔のメジャー剤型といえるでしょう。

パウダー

水が配合されておらず、使用時に水を足して泡立てて使用します。洗顔への配合人気が高い成分の一つである「酵素」は、タンパク質や皮脂を分解する作用を持ちます。一般的に酵素は水に溶けると徐々に活性が下がってしまうため、パウダー剤型は配合しやすいというメリットがあります。

泡(プレフォーム)

時短と手軽さがあります。内容物は粘度が緩い液体で、容器から出てくるときに気体と混ざり、一定量の泡を作り出せます。容器と内容物の相性が大切になるため、商品化検討時にはセットで検討しましょう。高圧ガスを使用したエアゾールタイプも発売されています。

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洗顔商品の差別化・特長のアイデア

洗顔商品についても、差別化・特長付けのアイデアがあります。

ジェル洗顔

特徴的な剤型としては、泡立たないジェル洗顔です。厚みがあるジェルタイプで、マッサージをするように顔になじませて使用します。泡立て不要の時短ケアや朝用の洗顔として発売されています。

クレイ・スクラブ配合

このクレイやスクラブを配合したアイテムも、注目を浴びています。コロナ禍でニーズの高まった毛穴ケアが期待できることがその理由です。

クレイは海泥ともよばれ、汚れを吸着する作用を持ちます。スクラブと比較すると粒子が細かいため、ザラザラ感は体感しにくいかもしれません。

一方のスクラブは、粒子が肌の上を研磨剤のように磨き上げます。植物の殻などを由来とした天然スクラブや崩壊性スクラブと呼ばれる、肌の上で崩れるスクラブなど種類もさまざまです。肌への刺激性が高い場合もあり、通常の洗顔に加えた週1〜2回のスペシャルアイテムにとして商品化されるケースが多いです。

クレンジング&洗顔~洗浄化粧品アイテムの気になる広告表現

それでは最後に、クレンジング&洗顔~洗浄化粧品アイテムの気になる広告表現についてご紹介します。

毛穴の訴求

化粧品効能効果には、毛穴に関する表現はありません。ただし洗浄アイテムの場合は「肌を清浄にする」が認められているため、物理的に汚れを落とす作用の範囲ならば表現が可能です。ただし、毛穴がなくなることを意味させる毛穴レスは、肌状態を変化させる治療の意味合いに捉えられるため、避けたほうが良い表現です。毛穴訴求を検討される際には、関連法規をご確認の上ご検討ください。

まつげエクステにも使える

まつげエクステの接着剤(グルー)は油分に弱い性質があります。そのため、オイルフリーのクレンジングはまつげエクステOKとしている商品もあります。接着剤の種類によるため、各社自主基準とした上で訴求しています。訴求を検討する場合は、外部試験を実施するなどエビデンス取得を検討するとよいでしょう。

W洗顔不要

クレンジングと洗顔、2つのステップが1つになった時短と摩擦レスが叶うアイテムです。クレンジングには油性成分が多く配合されているため、洗い流し後にぬるつきが残ることもあり、洗顔の使用が推奨されていました。しかし、洗浄アイテムの使用感向上と洗浄力の改良により、訴求する商品が増えています。この訴求も各社判断に任されています。洗顔が必要ない後肌か、洗浄力に問題はないかを試作時に検討する必要があります。

ビフォーアフター表現

厚生労働省の「医薬品等適正広告基準」や日本化粧品工業連合会の「化粧品等の適正広告ガイドライン」に記されているとおり、効能効果又は安全性を保証する表現は禁止されています。具体的には、美白化粧品を使用し、シミが薄くなったことを画像で示すことなどです。しかし、効能または安全性の保障に抵触しない場合は原則認められるとも記載があり、『[認められる表現]汚れた肌や洗浄後の肌の状態及びこれらの比較』とあります。ただし、他社比較や臨床データや実験例などの例示を行うと、他社誹謗や効能効果・安全性の保証とみなされるため、関連法規に則り、適切な表現をする必要があります。

*参考>化粧品等の適正広告ガイドライン
https://www.jcia.org/user/common/download/business/advertising/JCIA20200615_ADguide.pdf

濡れた肌にも使える

クレンジング商品の使用方法や広告を見ると「乾いた肌にご使用ください。」「濡れた肌にもご利用いただけます。」といった表記をよく見かけます。これはクレンジング剤型がオイルベースか、ウォーターベースかによって異なります。オイルベースは(オイルが主成分である)メイクを(クレンジングに含まれる)オイルで汚れを浮かして、落とします。そのため、水が入ってしまうとクレンジング力が弱まるため、「乾いた肌に使用」としています。一方のウォーターベースは、水にも油にも馴染む界面活性剤によってクレンジングをしているので、濡れた肌に使ってもメイク落ちは大きく変わりません。

弱酸性

洗浄アイテムや敏感肌向け商品でよくみる訴求です。私達の皮膚はpH4~6.5の弱酸性で、弱酸性を維持することは肌トラブル予防に繋がります。しかし石けん系洗浄成分は、古くから使われている洗顔成分であり、アルカリ性です。しかし私達の肌には中和能という機能が備わっており、一時的にアルカリ性に傾いたとしても、皮脂や汗によって弱酸性に自然に戻るので心配ありません。一方で、炎症を起こしている肌は中和能が若干弱っていると言われています。

無料OEM 商品企画~製造の流れガイド~【化粧品編】

まとめ

いかがでしょうか。今回は、コロナ禍で「毛穴ケア」「角質ケア」訴求によりさらに注目が高まるクレンジング・洗顔など洗浄化粧品アイテムの、 OEM商品開発のヒントをご紹介しました。

東洋新薬では洗浄化粧品アイテムのODM&OEM商品開発において、多くの実績があります。ご検討の際はぜひお気軽に、お問い合わせください!

関連商品:特殊技術“三相乳化法”を使った美容液成分99%のクレンジングOEM

参考:
・資生堂HP毛穴に関する情報(https://www.shiseido.co.jp/sw/beautyinfo/DB008672/
・日本化粧品工業連合会HP洗浄料について(https://www.jcia.org/user/public/knowledge/explain/cleanser
・日本化粧品工業連合会作成化粧品適正広告ガイドライン(https://www.jcia.org/user/common/download/business/advertising/JCIA20200615_ADguide.pdf

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医薬部外品の商品開発を例に、化粧品・コスメのOEM製造の流れをまとめた資料です。お客様側とOEM側のそれぞれの対応や注意点などをご紹介します。

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