中国の健康食品事情。規制や文化から特徴を探る

  • 2021.07.05
中国 健康食品 規制

「健康食品を中国で売りたい」とき。越境ECとして日本の健康食品を販売する、輸出するなど、やり方は千差万別です。そこで今回は、中国の健康食品規制を解説すると共に、中国をはじめとしたアジア圏の人の文化的な特徴が健康食品事情に与えることを考察し、商品販売のヒントを探ります。

目次
1.中国の健康食品規制
2.中国人の購買行動の特徴~健康食品でもMade inJapanは強い?~
3.中国をはじめとしたアジア人の特徴から見る健康食品販売のヒント
3-1.リピート文化がない
3-2.強いネットワークをもっている
3-3.「美白」に対する憧れがある
3-4.遺伝的に糖尿病・メタボになりやすい
3-5.外食文化など日本と異なる食習慣
4.まとめ

中国の健康食品規制

中国の健康食品市場は7~9兆円ほど、と言われますが、年度によりその数値は大きく変わります。あまりにも急成長なため一体どれだけの市場規模があるのか把握しづらく、数年前は6兆円程度とされていたものが今や10兆円に迫るとも言われます。日本の健康食品市場が約1兆円ですから、魅力的な市場であることは間違いありません。

中国の健康食品は、一般的に「保健食品」と「それ以外の健康食品」の2種類に分けられます。

「保健食品」とは、効果効能を標榜する日本でいうトクホ(功能性保健食品)や、ビタミンなどが配合されたサプリメント(栄養補充剤)類を指し、中国政府の許可が必要です。「それ以外の健康食品」はは栄養目的の食品や、一般食品にも及びます。

>関連情報:「保健機能食品制度」とは?

「保健食品」は、下記のような効果効能が標榜できます。

1.免疫力増強 / 2.血脂低下 / 3.血糖低下 / 4.抗酸化 / 5.記憶能力改善 /
6.眼精疲労の緩和 / 7.鉛分排出促進 / 8.のど清涼 / 9.血圧降下 / 10.睡眠改善 /
11.泌乳促進 / 12.体の疲労緩和 / 13.酸素不足耐性増強 / 14.放射能保護 / 15.ダイエット /
16.成長発育改善 / 17.骨密度の増強 / 18.貧血改善 /19.化学性肝臓損傷補助保護作用 / 20.痤瘡(ざそう)除去 /
21.肝斑(かんぱん)除去 / 22.皮膚の水分改善 / 23.皮膚の脂質改善 / 24.腸内菌の調整 / 25.消化促進 /
26.便通改善 / 27.胃腸粘膜損傷補助保護功能

ご覧いただくとお分かりの通り、日本にはない表現があるのが魅力です。ただし、これらは「商品ごとに個別許可を取得」する必要があり、申請から3~5年におよぶものも多く、時間がかかります。

そのため、特に効果効能を標榜しない「一般食品」を狙いたくなります。ところが中国の場合、食品に配合できる原料が限定されています。

中国で食品に配合できる原料は「既に中国で流通が可能な原料」と決められており、それ以外のものは新しく食品として登録する必要があります。この登録自体も2~3年かかり、いずれにしても中国での健康食品の販売は難易度が高いのです。

また、日本では健康食品として流通している「ソフトカプセル」や「ハードカプセル」は、中国では保健食品では製造可ですが、一般食品では原則NGとされています。一般食品として流通させるには、食品形態に近いものが望まれます。

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中国人の購買行動の特徴~健康食品でもMade inJapanは強い?~

こういった規制の多い一方、中国の方は自国以外の商品購入意欲が高い特徴を持ちます。法人同士で直接輸入を行うBtoBのビジネスが難しいのに対し、既存の商品を販売できるBtoC、CtoCのビジネスである越境EC市場は、急激に成長しています。

面白いのは、中国にもビタミン配合の栄養補充剤があるにもかかわらず、越境ECであえてアメリカやオーストラリアのビタミン剤を購入される方が増加している点です。同じように中国では「Made in Japan」も相変わらずの人気です。商品開発をする上で「Made in Japan」にこだわる必要はありませんが、プラスアルファとして残しておきたいですね。

また「中国を押さえるには台湾越境ECを押さえろ」との声もあります。台湾はもともと親日的国民性の上、女性の生涯未婚率が日本と比べ1.5~2倍ほど高く、女性の購買層を確保しやすい、中国のモール型越境ECとは違い別軸で販売戦略ができるなど、やりやすさもあるようです。台湾で流行したものが中国で流行するケースもよくみられるようなので、切り口として押さえておきましょう。

中国をはじめとしたアジア人の特徴から見る健康食品販売のヒント

このように規制が厳しく、市場の変化も激しい中国。中国だけでなく、タイやベトナム、マレーシアなどの東南アジアも健康食品市場が急成長しています。ではこういったアジア人の特徴は、どういったものでしょうか?アジア圏の特徴を知ることで、健康食品の販売の切り口が見えてくるかもしれません。

リピート文化がない

日本では単品リピート通販の形で「定期購入」は鉄板の販売手法になっていますが、中国をはじめとしたアジア市場では定期購入が習慣化されていません。逆にここを新たなビジネスチャンスと捉える方もいらっしゃると思いますが、継続購入していただく工夫や、最初にまとめて購入いただく方法などが必要になるかもしれません。

強いネットワークをもっている

一時期勢いのあったインバウンドで「どうして中国人はあんなに大量購入するのだろう」と思いませんでしたか?日本ブランドが買えるということも一つの理由ですが、その他にも中国では百度での検索、微博や微信といったSNSなどで、口コミや信頼できる人からの情報がブームを引き起こします。さらにSNSを通した友人同士の強いネットワークで、希望の商品を買える友人に欲しいだけ買ってきてもらうということが、爆買いにつながっているのです。

「美白」に対する憧れがある

前述の功能性保健食品に「肝斑(かんぱん)除去」などのヘルスクレームがあります。アジア圏の方は「美白」に対する需要が高いのです。日本の美白訴求のサプリメントが中国でも販売を高めた事例が、いくつかあります。

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遺伝的に糖尿病・メタボになりやすい

アジア圏の方は、実は遺伝的に糖尿病になりやすい体質です。日本を含む東アジア地域の糖尿病者数は全世界の成人糖尿病人口の37%と高い比率を占め、その原因として他人種と比較しインスリン分泌能が低いことなどが指摘されています。インスリンというのは血糖を下げてくれるホルモンのこと。つまり、体脂肪や血糖に対してより注意が必要な人種がアジア圏の方々なのです。

>【メタボ改善訴求】サプリメントoemでオススメの成分と訴求ポイント

外食文化など日本と異なる食習慣

日本では家庭で食事をとる文化。特にこのコロナ禍でさらに加速しました。一方、アジア圏では食事は家庭でとらず、外食文化が発達しています。外食が多いため、食事による血糖値や中性脂肪の上昇が気になる方も多いかもしれません。

まとめ

いかがでしょうか。中国をはじめとしたアジア市場は変化も激しく、どんどん新しい情報に変わっていく勢いがあります。ますます健康食品のグローバル化が進む中、今後に注目な一方で、すぐには変化しない本質的な特徴を捉えてアプローチするのも効果的かもしれません。

東洋新薬では越境ECだけでなく輸出商品の開発実績もあります。中国をはじめとしたアジア圏での健康食品販売を検討中の方は、ぜひご相談ください。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2024年8月15日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2024年5月31日時点、自社調べ)

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