「保健機能食品制度」とは?

  • 2020.10.01
保健機能食品制度とは

食品は、機能性の表示ができない「一般食品」と、機能性の表示ができる「保健機能食品」に分けられます。今回は、「保健機能食品」に分類される「特定保健用食品(トクホ)」「栄養機能食品」「機能性表示食品」について解説します。

目次
1.保健機能食品制度とは
2.保健機能食品の2020年国内市場予測(2018年比)は?
2.①特定保健用食品(トクホ)とは?
3.②機能性表示食品とは?
4-1.トクホとの違い:資料チェック
4-2.トクホとの違い:届出期間
4-3.トクホとの違い:エビデンス
4-4.トクホとの違い:データベース
4.④栄養機能食品とは?
5.④ニューノーマルに適した商品開発を始めませんか?
6.まとめ

保健機能食品制度とは

保健機能食品制度とは適切な食品表示を義務付け、消費者が安心して食生活に応じた食の選択をできるように消費者庁が創設した制度です。

この制度により、食品は「一般食品」と「保険機能食品」に分類されるようになり、「保健機能食品」のみ機能性の表示が可能となっています。 「保険機能食品」には「特定保健用食品(トクホ)」「栄養機能食品」「機能性表示食品」の3分類があり、それぞれ表示や訴求できる内容が異なります。ではここからは、保険機能食品の市場動向や3つの分類について詳しく見ていきましょう。

保健 機能 食品 消費者庁「機能性表示食品」に関する資料

無料商品開発担当者向け 機能性表示食品届出の「3つの壁」~事例から見たその回避術

保健機能食品の2020年国内市場予測(2018年比)は?

■機能性表示食品 3,007億円(38.6%増)
■特定保健用食品 3,400億円(5.5%減)

機能性表示食品は、2019年にも多くの新たな届出が消費者庁から公表されており、2018年までに届出が公表された未発売の商品もあることから、さらなる市場拡大が予想されます。一方で、「トクホ」は「機能性表示食品」との競争激化により、縮小が続いています。

①特定保健用食品(トクホ)とは?

保健 機能 食品 ①特定保健用食品(トクホ)とは?

健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている食品です。表示されている効果や安全性については国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可しています。

申請する製品毎にヒト試験で有効性・安全性を確認する必要があるため、開発期間は最短でも数年、開発費は最低数千万円、成分・機能性の種類によっては億円単位にもなります。申請した後も、数か月~数年かけて審査が行われ、質疑応答や、資料修正をします。しかし、そこまでの費用と時間を費やしても最悪、許可取得できない場合もあります。

しかし、再許可申請という制度もあります。これは、既許可品と全く同じ配合ならば、有効性・安全性の審査が割愛されるというものです。

東洋新薬では既にさまざまな訴求可能なトクホを開発済みですので、それを活用すれば、お客様は数十~数百万円の費用でトクホ許可を取得することが可能です。煩雑な申請書作成は当社が代行、消費者庁とのやりとりも当社がサポートします!

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②機能性表示食品とは?

保健 機能 食品 ②機能性表示食品とは?

事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などを消費者庁長官へ届け出たものです。ただし、トクホとは異なり、消費者庁の個別の許可を受けたものではありません。

この説明を聞いて「つまり、トクホと具体的に何が違うの?」と感じてらっしゃる方もいるでしょう。
続いて、トクホとの違いをご説明します。

トクホとの違い:資料チェック

トクホは「国のお墨付き」ですが、機能性表示食品はあくまでも「事業者責任」です。そのため、消費者庁は届出書を形式的にしかチェックしません。とはいえ、関連諸法規やガイドラインなど、事業者が最低限守るべき事項が守られていない場合は届出不備となり指摘を受領することになります。例えば、「表示しようとする機能性に基づく適切な記載であるか確認の上、修正してください。」や「痩身効果を標榜させるおそれはないか確認の上、必要に応じて修正してください。」などの指摘がそれにあたります。

トクホとの違い:届出期間

トクホより消費者庁の資料確認期間が短いのも特徴で、基本的に50日以内にチェックすることとなっています。つまり届出から50日後には、受理or不備指摘が分かります。

トクホとの違い:エビデンス

届出する製品毎のヒト試験が必須ではなく、機能性関与成分に関する研究レビューでも良いため、届出準備期間もトクホほどかかりません。

トクホとの違い:データベース

届け出手続きがデータベースで行われたり、受理品の情報検索データベースがある点も、トクホとは異なります。トクホ申請は紙(冊子)ですし、許可品一覧が公開されているだけで検索データベースはありません。

<機能性表示食品届出の基本的な流れ>
1. 事業者登録(ネットで申請、後日登記簿謄本を消費者庁へ郵送)
2. ID取得(メールでIDが送られてくる)
3. 機能性表示食品制度DBにログインして、届出情報を入力&添付する。https://www.fld.caa.go.jp/certification/login_ini.do?login=KINOU4. 消費者庁からの受理連絡を待つ(受理or不備指摘のどちらでも、事業者宛に外部メールが届く)。
5. 機能性表示食品届出情報検索DBに情報公開される。
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/

消費者庁のチェックは届出された順で行われるため、「急いでいるため至急確認してほしい」といった要望を出しても叶いません。さらに、不備があるとやり直しとなり、再度順番待ちの列に戻ります。

受理後にパッケージデザインなどを変更する場合も、データベースで変更届を行って順番待ちとなります。こちらの確認期間の目安は提示されていませんが、数週間~1か月といったところです(2020年8月現在)。

変更届は、変更理由の説明や、新旧対照表を用いて変更点を説明する必要があります。こちらも不備があるとやり直しとなり、再度順番待ちの列に戻ります。

【機能性表示食品のおすすめ関連情報】
>機能性表示食品 OEM開発シリーズ① 有効性・安全性のエビデンスとは?
>機能性表示食品 OEM開発シリーズ② 関与成分とその定量分析・定性分析について
>機能性表示食品 OEM開発シリーズ③ 商品の設計と製造について
>機能性表示食品 OEM開発シリーズ④ 義務表示とパッケージ記載情報について
>機能性表示食品 OEM開発シリーズ⑤ 消費者庁への届出について
>機能性表示食品 OEM開発シリーズ⑥ 最終回・まとめ

③栄養機能食品とは?

保健 機能 食品 ③栄養機能食品とは?

一日に必要な栄養成分(ビタミン、ミネラルなど)が不足しがちな場合、その補給・補完のために利用できる食品です。すでに科学的根拠が確認された栄養成分を一定の基準量含む食品であれば、特に届出などをしなくても、国が定めた表現によって機能性を表示することができます。

つまり、食品にビタミンやミネラルなどを基準量配合しさえすれば、特に届け出なくとも、機能性を表示できます。
ただし、一日当たりの摂取目安量に含まれる当該栄養成分量が定められた上・下限値の範囲内にある必要があるほか、栄養成分の機能だけでなく注意喚起表示等も表示する必要があります。なお、この表現は一言一句変更NGです。

保健 機能 食品 消費者庁「栄養機能食品」に関する資料
図:出典3 消費者庁「栄養機能食品」に関する資料から抜粋

無料商品開発担当者向け 機能性表示食品届出の「3つの壁」~事例から見たその回避術

まとめ

いかがでしょうか。このように、保健機能食品にはレベルは違えど、さまざまな縛りがあります。

また、保健機能食品は大前提として「健康の維持・増進に役立つもの」という考えがありますので、美容や痩身はその範囲外となり、保健機能食品であるトクホ・機能性表示食品・栄養機能食品での訴求はできません。

どのようなエビデンスで、どのような訴求を行いたいかによって、保健機能食品とするか一般健食とするかが変わってきます。わからないことがあればぜひ一度、東洋新薬までご相談ください。

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この資料では、機能性表示食品の開発において、消費者庁に届出・受理されるまでにぶつかりやすい「3つの壁」とその回避術をご紹介します。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2024年8月15日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2024年5月31日時点、自社調べ)

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