注目の「ラフマ」とは?メンタルヘルス・睡眠改善の機能性・訴求ポイントを解説-健食・サプリOEM商品開発のヒント
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- 2024.07.11
健康食品・サプリOEM商品開発のヒント。今回は、その由来成分を活用した機能性表示食品の届出件数が100件を超えるなど、その効果が広く認知されつつあるラフマの機能性に焦点を当て、そのメンタルヘルスと睡眠改善に対する効果を、科学的根拠と共に解説します。
さらに、ラフマを利用した機能性表示食品の具体的なアプローチと、その市場への影響などについても考察します。
健康食品・サプリのOEM商品開発を検討中の方、必読です。
ラフマとは?機能性表示の2つの訴求ポイント
初めに、ラフマの基本情報と機能性について、詳しく解説します。
ラフマがどのように私たちのメンタルヘルスと睡眠の質を向上させるのか、見ていきましょう。
ラフマとは
ラフマとは、中国原産のキョウチクトウ科に属する多年生草木です。中国の温帯地域に自生しており、中国では古くからお茶として親しまれています。
中国薬典には「肝臓を鎮め、心を安定させる。不眠に使用する」と記載されており、長寿地域での消費が多いことでも知られています。
ラフマ葉に含まれるヒペロシドとイソクエルシトリンというフラボノイド成分は、セロトニンの増加に寄与し、心の安定と睡眠の質の向上が期待できます。
ラフマ由来成分を活用した機能性表示食品の届出件数は100件を超えており、その効果が広く認知されつつあります。
ラフマには現代人のストレス緩和や睡眠問題の改善に役立つ「幸福ホルモン」と呼ばれるセロトニンを増加させる効果があることが、注目されています。その優れた機能性により、睡眠の質を自然に改善し、心身の健康をサポートする機能性表示食品として多くの製品が開発されているのです。
ラフマの機能性訴求ポイント
ラフマを使用した機能性表示食品は、主に2つの訴求ポイントがあります。
①日常生活における「メンタルヘルスの向上」
②「睡眠の質の改善」
セロトニンの量を維持することにより、心身の幸福度を高めると同時に、精神的なストレスからくる睡眠の問題を解消します。
東洋新薬による試験では、ラフマ由来のヒペロシドとイソクエルシトリンが含まれることで、以下の3つの効果が確認されました。
- 精神的ストレスの緩和
- 日中の眠気の軽減
- 集中力の維持
この結果から、PCやスマホの長時間使用、仕事、家庭内のストレスなど、現代人が日常的に直面する多様なストレスを緩和できると言えます。
ラフマエキスが含むこれらの成分により、脳内セロトニンの維持が可能となり、その結果、睡眠の質が向上、日中のパフォーマンスも改善されるのです。
メンタルヘルス・幸福度に関する日本人の課題
日本における幸福度の低さとメンタルヘルスの課題は、他の先進国との比較で明らかです。ラフマの市場ニーズがいかに高いのかを知るために、日本人の幸福度が低い理由と、それがメンタルヘルスにどのように影響しているのかを、詳しく解説します。
他の先進諸国と比べ、日本人は幸福度が低い
日本の幸福度は他のG7先進国と比べ顕著に低く、最新の「世界幸福度ランキング」では51位です。カナダ15位、イギリス20位、アメリカ23位、ドイツ24位、フランス27位、イタリア41位であり、日本はこれらの国々を大幅に下回っています。
幸福度が低い一因として、自己肯定感の低さが挙げられます。文部科学省の若者を対象(13〜29歳)とした調査では、日本人の自己満足度は先進7カ国中最低。「自分自身に満足している」割合は45.8%。また、「ゆううつだと感じた」と回答した割合は77.9%に達し、これは先進7カ国中で最上位です。
さらに、遺伝的にも違いがあります。セロトニントランスポーターについては、日本人の80.25%がS型遺伝子(不安を感じやすい性格の指標とされる遺伝子)を保有しており、これはアメリカ人の44.53%と比較して、非常に高い割合です。
これらのデータは、日本が直面しているメンタルヘルスの課題と、それに対する対策の必要性を浮き彫りにしています。
日本におけるメンタルヘルスによる不調の課題
日本では、メンタルヘルスに起因する労働者の不調と精神疾患の増加が深刻な社会問題となっています。厚生労働省「第14次労働災害防止計画」では、「自分の仕事や職業生活に関する強い不安や悩み、ストレスを感じている労働者を2027年までに50%未満に抑える」という目標が設定されています。
メンタル不調の経験、不調による仕事への影響、転職経験についての調査では、全体の約6割が社会人になってから「メンタル不調を感じたことがある」、約9割が「仕事への悪影響を感じた」と回答しています。
さらに、日本国内におけるうつ病有病率は2020年時点で17.3%と、2013年の7.9%から倍増しています。 さらに、精神疾患を有する外来患者数の増加も目を見張るものがあり、特に認知症(アルツハイマー病)は15年前と比べて約7.3倍、気分障害(躁うつ病を含む)が約1.8倍、神経症性障害やストレス関連障害及び身体表現性障害が約1.7倍に増加しています。
このように、メンタルヘルス問題は日本の労働環境だけでなく、国民健康全体に深刻な影響を与えており、その対策としての効果的なアプローチが急務となっています。
メンタルヘルスにおけるセロトニンの効用(幸福ホルモン増加)
セロトニンは「幸福ホルモン」とも呼ばれ、メンタルヘルスにおいて重要な役割を担っています。この神経伝達物質は、脳内でポジティブな感情やプラス思考を促進することが知られており、精神的な安定と直結しています。
具体的には、セロトニンはノルアドレナリンやドーパミンといった他の重要な神経伝達物質を調整することにより、心のバランスを保ちます。
セロトニンが増加すると、人はより楽観的になり、ストレスに対する耐性が強まることが研究で示されています。例えば、マウスにおける実験では、セロトニン神経の刺激が報酬に対する期待を75%から94%に高めることが確認され、これによりマウスは報酬を得るために長時間待つようになるという効果が見られました。
さらに、セロトニンはノルアドレナリンが引き起こす過度の緊張や不安を軽減し、ドーパミンがもたらす喜びや快楽を適切なレベルに保つ役割を果たします。セロトニンは脳内の化学的バランスを整え、過剰な感情の波を抑え、心を穏やかに保つことができるのです。
このように、セロトニンはメンタルヘルスを支える基盤となる神経伝達物質であり、そのバランスが心理的な健康に直接影響を及ぼします。日常生活における精神的な安定や幸福感を高めるためには、セロトニンの適切な維持が欠かせないと言えるでしょう。
睡眠課題や消費者意識の変化について
現代社会において、睡眠の質は多くのビジネスパーソンが直面する重要な課題であり、これに伴い消費者の睡眠に対する意識も高まっています。ここでは、睡眠課題を抱えるビジネスパーソンの現状や消費者の意識の変化、睡眠サポート市場の動向について解説します。
多くのビジネスパーソンが睡眠課題を抱えている
最近の調査によると、73.39%のビジネスパーソンが自身の睡眠に「満足していない」と回答しています。さらに、全体の約4.17%が「日常生活が困難なレベルで支障を感じる」または「かなり支障を感じる」と回答しており、睡眠問題が日中の生活や仕事に深刻な影響を与えていることは明らかです。
さらに、睡眠不足は経済にも大きな影響を与えており、日本の経済損失は年間約15兆円にも及ぶと試算されています。これは国内総生産(GDP)の約3%に相当し、睡眠問題の解決は、ただ健康を改善するだけでなく、国の生産性向上にも直結する課題です。
企業にとって「健康経営」や「働き方改革」は喫緊の課題となっており、従業員の睡眠改善を図ることがこれらの課題解決への鍵とされています。
このように、ビジネスパーソンの睡眠問題は個人の健康だけでなく、企業の生産性や国の経済にも影響を及ぼしていると言えます。
消費者の睡眠意識も高まっている
近年、消費者の間で睡眠の質への関心が顕著に高まっています。健康意識に関するアンケート調査によると、回答者の83.8%が「睡眠の質を高めたい」と回答しています。この数字は「非常にそう思う」と答えた43.7%と「まあそう思う」と答えた40.1%を合わせたものです。
さらに別の調査では、睡眠の質を改善したいと考えている人の割合が84%にも上り、その中で「よくしたいと思う」と答えた51%は、1年前と比較して5ポイントの増加を見せています。
このような意識の高まりは、年代を問わずに見られ、特に若年層から高齢層まで幅広い年代にわたって睡眠の質に対する関心が拡がっています。このトレンドは、睡眠の質を向上させる製品やサービスへの需要増加にも繋がっており、消費者はより良い睡眠を求めて積極的に関連商品を選んでいます。
睡眠サポート市場は拡大傾向にある
睡眠サポートをテーマにした機能性表示食品市場は急成長を遂げています。
2023年には睡眠に関するヘルスクレームを訴求する機能性表示食品が、906億円の市場規模を記録する見込み。2024年にはさらに増加して1,065億円に達する予測です。これは前年比で142.9%の成長を示し、2024年までの成長率は予測の168.0%に至ります。この顕著な成長は、消費者の健康に対する意識の高まりと直結しています。
全体の機能性表示食品市場も順調に拡大しており、新型コロナウイルス感染症の流行によるライフスタイルの変化が市場拡大に一役買っています。特に、睡眠の質向上に関心がある消費者に対し多様な製品が提供され、それによって市場が大きく伸びています。
この市場の成長は「グリナ」や「Yakult1000」のような製品がリードしており、腸内環境と精神健康の両方をターゲットにした製品も消費者に好評です。2024年もこの勢いは衰えることなく、新たな製品開発と消費者の健康意識の向上が見込まれます。
これらのデータは、睡眠をサポートする機能性表示食品に対する継続的な高い需要を示しており、今後も市場は拡大し続けると予測されます。
セロトニンと睡眠の関係
セロトニンは、睡眠と覚醒のリズムを調整する重要な役割を果たす神経伝達物質です。研究によればセロトニンが不足すると脳の生物時計が正常であっても睡眠・覚醒のリズムが乱れ、睡眠リズム障害や不眠症などが引き起こされる可能性があります。この神経伝達物質は前脳基底部および視索前野で活動し、その機能不全は睡眠の質の低下を招きます。
セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成され、その後メラトニンへと変換されます。メラトニンは「睡眠ホルモン」として知られ、眠気を引き起こし、人の睡眠覚醒サイクルを調整する役割を持ちます。メラトニンの日内リズムは、昼間は低く夜に高まる特性があり、この周期はセロトニンの活動によって調節されます。
また、メラトニンは加齢とともにその分泌量が減少し、高齢者の睡眠パターンが変化する一因とされています。この減少は、早朝覚醒や夜間の頻繁な目覚めといった問題を引き起こしやすくします。
このように、セロトニンとメラトニンは睡眠の質と深く関連しており、セロトニンの働きが健康的な睡眠パターンの維持には欠かせません。
ラフマを使用した機能性表示食品のアプローチ例
それではここからは、ラフマを用いた機能性表示食品にどのようなアプローチがあるかを見ていきましょう。
①「ポジティブサプリ」
ポジティブとは、「積極的であるさま」を表す言葉であり、ネガティブの反対語です。積極的で、前向きであることを「ポジティブな生き方」「ポジティブな考え方」と表現し、多くの人がそうなりたいと願っています。この「ポジティブサプリ」は、ラフマの効能によりストレスを改善し、利用者をポジティブな状態に導くことを訴求する商品です。
②「ハッピーサプリ」または「快眠サプリ」
睡眠が不足すると、人はゆううつな気分になる、仕事でミスが増えるなど幸福度が下がります。この「ハッピーサプリ」や「快眠サプリ」は、ラフマの睡眠改善効果を活かして睡眠とストレスの両方を改善し、日中の眠気も抑えることで、毎日を楽しく過ごせることを訴求する商品です。
まとめ
いかがでしょうか。今回は、ラフマの機能性とそのメンタルヘルス及び睡眠改善における効果について、科学的根拠と共に解説しました。この記事が健康関連商品の開発の一助となれば幸いです。
メンタルヘルス・睡眠にまつわるお悩みを抱える人は多く、これらをサポートする商材市場は、これからも成長を続けることが予測されます。ラフマはセロトニンの量を維持し、精神的ストレスの軽減と睡眠の質の向上に役立ちます。
メンタルヘルス・睡眠サポート健康食品、サプリ商品のOEM開発・製造をご検討中であれば、ぜひ東洋新薬までお気軽にお問い合わせください。
東洋新薬は健康食品・化粧品業界を陰で支えるODEM(ODM&OEM)メーカーとして、世界の人々の『健康と美』への期待に『価値』で応えていくことをミッションとしています。 本サイトでは通販ビジネスにかかわるすべての皆様に様々な情報をお届けしています。
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