CBDとは?製品タイプや注意点など注目の成分を解説
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- 2023.01.19
近年、CBDという成分の健康効果に注目が高まっています。その背景には、職場でもストレスチェックが義務付けられるなど、社会的にストレス対策がより身近なものとなり、メンタルヘルス市場が拡大を続けていることがあります。
そこで今回はCBD特集として、市場動向や製品タイプ、注意点などを解説します。また、CBD以外で抗ストレスやリラックスなどの健康効果に注目が高まる成分も合わせてご紹介します。
- 目次
- 1.「CBD」とは?
- 1-1.「CBD」とはアサ(大麻)に含まれる成分の一種
- 1-2.「CBD」と「THC」
- 2.注目されるCBD市場
- 3.CBDが注目されている理由
- 4.CBDの製品タイプ
- 5.CBDの注意点
- 6.CBD以外で注目されている抗ストレス原料
- 6-1.GABA
- 6-2.テアニン
- 6-3.ロズマリン酸
- 6-4.ラフマ
- 6-5.乳酸菌
- 7.まとめ
「CBD」とは?
「CBD」とはアサ(大麻)に含まれる成分の一種
CBDとは、「カンナビジオール(Cannabidiol)」の略称で、アサ(大麻)に含まれるカンナビノイドという成分の一種です。厳密には、大麻草の成熟した茎や種子から抽出される成分が多く流通しています。
ご存じの通り、日本では大麻の使用は、大麻取締法によって禁止されています。そのため、CBDも「違法では?」「危険な成分なのでは」といったイメージを持たれるかもしれませんが、CBDは合法で販売可能です。
大麻取締法の第1条に「ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く)、並びに大麻草の種子及びその製品を除く。」とある通り、成熟した茎や種子から抽出されるCBDは、大麻取締法に抵触することはありません。
「CBD」と「THC」
大麻には数百種類のカンナビノイドが含まれており、このうち、「ハイになる、中毒性がある」といった作用を引き起こす成分は「テトラヒドロカンナビノール(THC)」になります。CBDは、さまざまな研究結果によって報告されている効能効果では、抗ストレスやリラックスといった健康効果が期待されています。つまり、CBDはTHCと異なる成分といえます。
しかし、CBD原料はTHCを含む可能性があることから、規制対象となるリスクがあります。そのため、アイソレートと呼ばれる、禁止成分のTHCをまったく含まないものが流通していますが、そのためにはTHCを含んでいないかを確認する精密な検査を行う必要があります。
注目されるCBD市場
以下のグラフは、株式会社矢野経済研究所が調査した国内におけるCBD製品市場規模の推移・予測※です。まさにこれから伸びていく、注目の市場となっています。
※出典:株式会社矢野経済研究所「CBD製品市場に関する調査(2022年)」(2022年8月25日発表)
これまでは海外ブランドの製品を輸入・販売するものが一般的でしたが、最近は海外からCBD原料を仕入れ、製造・加工を日本で行う事業者も増えてきています。
これらは安全性を担保するために、原料の仕入れ先・国内の両方で複数回、大麻成分であるTHCの有無の検査が行われていることがほとんどです※。
CBDが注目されている理由
危険物質THCの検査を行うなどの手間やリスクがあるにもかかわらず、どうしてCBDが注目されているのでしょうか。
その理由の1つは、CBDの体感性の高さです。
ご存じの通りメンタルヘルス市場はいま、右肩上がりの市場として注目されています。2022年には「Yakult(ヤクルト1000)」がユーキャン新語・流行語大賞のトップ10に選ばれました。その背景には、SNSで広がった「体感がある」との口コミがあると言われています。
やはりこの分野は、「体感性」が重要なテーマと言えるのでしょう。
CBDの製品タイプ
上述の通り、CBD市場は拡大傾向にあり、さまざまなCBD製品が開発されています。CBD製品には、主に食品、ベイプ(電子タバコ)、化粧品が挙げられます。
CBD入りの食品は以下のような種類があります。基本的には経口摂取で、手軽さが特徴です。
- オイル、カプセル
- サプリメント
- お菓子(グミ、飴、ガム、クッキーなど)
- 飲料
また、CBD入りの化粧品は以下が挙げられます。顔や髪、体全体に塗布するタイプが基本で、美容成分配合の製品も注目されています。
- クリーム
- 美容液
- フェイスマスク
- ロールオン
- 入浴料
CBDの注意点
CBD製品として合法的に販売するためには、THCを含んではいけません。そのため、CBD製品の販売においては、THCを含んでいていないかの精密な検査を行い、厚生労働省による認可を取得する手続きを行う必要があります。
また、CBD配合の化粧品、健康食品は医薬品ではないため、景品表示法や薬機法に注意する必要があります。特に、健康食品は医薬品と同様の効果を得られると誤認させる恐れがあるため、用法・用量を記載できません。
CBD以外で注目されている抗ストレス原料
CBDは法に触れるリスクがあるため、商品開発への採用を躊躇する企業も多いのも確か。今後のCBDに対する国や市場の動向が気になるところです。
では、メンタルヘルス市場向けの商品開発において、CBD以外の抗ストレス原料はどのようなものがあるのでしょうか。ここからはCBD以外で注目の抗ストレス原料をご紹介します。
GABA
GABAとは、γ-アミノ酪酸と呼ばれるアミノ酸の1種。ヒトを始めとした生物の神経伝達物質であるアミノ酸で、機能性表示食品としての届出実績が非常に多い成分です。
テアニン
テアニンとは、緑茶に含まれる旨味成分のアミノ酸。テアニンを摂取すると、脳がリラックス状態にあるときに出るα波(アルファ波)が増加することが分かっており、心身をリラックスさせ、集中力の持続や緊張の緩和、ストレスや睡眠に効果があることで知られています。
ロズマリン酸
ロズマリン酸とは、ローズマリーから発見されたポリフェノールの一種。スペアミント、レモンバーム、シソなどのシソ科ハーブ類の植物に多く含まれる成分。海外でもよく知られています。ロズマリン酸には抗酸化作用や抗炎症作用、アレルギー反応を抑える働きがあることに加えて、近年、ストレスや脳機能への効果が確認されています。
ラフマ
ラフマとは、東洋のリラックスハーブ。中国新疆ウイグル自治区のタリム盆地を中心とした乾燥地域に自生する、キョウチクトウ科の多年草です。ラフマに含まれるケルセチン配糖体がセロトニンと呼ばれる、いわゆる「幸せホルモン」に作用することで、睡眠やストレスへの効果が報告されており、機能性表示食品として注目が高まっています。
乳酸菌
これまで乳酸菌は「お腹の調子を整える」ものと思われていましたが、近年、多くの機能性が報告されています。その中で「腸と脳はつながっている」と言われるようになり、腸内環境を改善することでリラックスに作用する乳酸菌が、いくつか知られるようになりました。
まとめ
いかがでしょうか。今回は注目の成分CBDについて取り上げ、市場動向や製品タイプ、注意点などを解説し、CBD以外で抗ストレスやリラックスなどの健康効果に注目が高まる成分もご紹介しました。
メンタルヘルス市場は今後も成長が期待されます。東洋新薬は、食を通じて健康に寄与する事業の一環として、機能性表示食品の開発に注力しています。多数の届出実績や受託製造実績に基づき、豊富なラインナップのご提案が可能です。
メンタルヘルス市場向け商品開発を検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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