“ニューノーマル”でEC・通販はどう変わる?売上UPのポイント
- 2020.10.01

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大は、我々の暮らし、仕事に大きな影響を及ぼしました。「新しい生活様式(ニューノーマル)」という言葉も生まれ、まだしばらくは「Withコロナ」の状況が続くと予想されます
今回は、コロナ禍でEC・通販はどう影響を受けたのか?を掘り下げ、そこから見えてくる「EC売上UPのポイント」をご紹介します。
コロナ禍でEC・通販の利用が全年代で増加
総務省が7月7日に公表した「家計消費状況調査(2020年5月分)」によれば、5月度のネットショッピング利用世帯(2人以上の世帯が対象)の割合は50.5%。初となる5割超えを果たしました。前年同月比では8.2ポイント増となり、緊急事態宣言が発出された5月に「ステイホーム=巣ごもり消費」のニーズが高まり、ネット通販を利用する世帯が急増したことが伺えます。
同月の1世帯当たりのネットショッピング月間支出額は平均1万5,873円と前年同月比16.5%増。EC利用世帯に絞った、ネットショッピング利用1世帯当たりの支出額は3万1,465円となっています。
ネットショッピング支出額の対前年名目増減率に寄与した主な項目は、「食料」「家電」「衣類・履物」「家具」と続き、中でも「家電」「家具」は前年同月比で2倍超の伸びを記録しています。
この伸長はもちろん外出自粛や実店舗の休業が大きな要因でしょう。そのため、緊急事態宣言が解除された6月以降は揺り戻しがあると予想されますが、それでも在宅期間中、全年代でスマートフォンの閲覧時間が増え「これまで利用しなかった層が初めてECを利用し、その便利さに気づいた」という側面があると思います。
例えば、高年齢層におけるECのクレジットカード決済金額シェアが4月~5月に23%となるなど、新型コロナウイルスによる消費影響がほぼなかった2月の13%と比較すると大きく伸びました。
こうした高年齢層のデジタルシフトは今後も定着するとみられ、ECはこれから「消費者にとって性別や年代を問わず当たり前に利用するチャネル」として定着していくと予想されます。
この流れを受けて、最近では「D2C」というキーワードが注目を集めています。「D2C」はDirect to Consumerの意味で、メーカーが楽天やAmazonといったプラットフォームを介さず、直接消費者と取引を行うことを指します。マスク特需で話題になったアイリスオーヤマやシャープなどはこのモデル。一気に知名度を上げました。
関連情報:
「単品通販(D2C)」とは?①~メリットと成功のコツ
「単品通販(D2C)」とは?②~「定期販売」促進のコツ
「単品通販(D2C)」とは?③~「定期販売」向きの決済手段と必要なEC機能とは?
その一方で、メーカーからは「定期コースの解約が増えた」「消費者が支出に対してシビアになった」という声も聞かれます。しばらくは、動向を注意深く見ておく必要があると思います。
コロナ禍で売れた商品は?注目のジャンル
次に、新型コロナウイルスの影響で「売れた商材」「売れなくなった商材」について考えてみます。
さまざまなニュースで取り上げられている通り、ECでは売上高が伸びた商材と減った商材の明暗がくっきりと分かれています。
健康食品・サプリメント系:好調なのは「免疫系」「ダイエット系」「生活習慣関連系」商材

- 「健康維持に欠かせない必須栄養素のサプリや、免疫への働きが注目されたサプリ、食べすぎや飲みすぎを気にする人のサプリ、抗ストレスや睡眠系サプリなどの売上げが増加」
- 「クロレラ」「ローヤルゼリー」などサプリメント剤型を中心とする健康保持用摂取品の支出が増加
- 「プロポリス」「ビタミンD」「牡蠣&ウコン」が好調
- 「持病をもつ人の感染リスクが多くのメディアで報じられる中、基礎疾患予防を訴求する商材の動きが良かった」
- 「血圧訴求(トクホ)が伸長した」
といった声が紹介されています。
そのほか、
- リアル店舗での反響として「マヌカハニー」「プロポリス」「高麗人参」「梅肉エキス」「乳酸菌」など免疫維持を期待した商材が好調
- ドラッグストアでは運動不足解消を訴求する商材が好調で、「サプリメントではビタミンCや脂肪燃焼系などダイエット関連が伸びた」
との声も紹介されています。
美容系:メイク系は「アイメイク」関連、「スキンケア」商材が好調

一方、美容系はどうでしょうか。
「旅行に行けないので入浴剤が売れた」「外出しないのでメイク関連が売れない」といったニュースを耳にした方は多いと思います。前述の記事でも「美容関連のリピーター離脱が増えた」「経済的問題による優先順位の変化が理由では」との声が紹介されています。
とりわけ「リップ」「口紅」「グロス」「チーク」「ファンデーション」などは外出自粛、マスク着用の兼ね合いと、さらに店頭ではインバウンド客の需要が大きかったこともあり、売上が落ちているようです。
しかし、「アイメイク」「眉毛関連」などマスクで隠れない部分、テレワークのリモート会議でも使用するアイテムは一定の需要があり、売り上げも安定しているようです。
好調なのは「スキンケア」関連で、「@cosme」を運営するアイスタイルが実施した「美容とスキンケアに関するアンケート」によれば、
- 会員の65%が「新型コロナウイルスの影響でスキンケアへの関心が増えた」
- スキンケア商品にかける金額も33%が「増えた」
と回答しています。
メイクをせずに自宅で過ごす時間と、手洗いのタイミングで鏡を見る機会が増えたこと、さらにマスク着用による肌荒れも加わり、スキンケアへの関心が高まったことが伺えます。
さらに、同アンケートでは
- 「コロナウイルスの影響でECで化粧品を買うこと」について、48%が「増えた」と回答
- 新型コロナウイルス終息後の購入方法について29%が「化粧品をECで購入する機会が増える」と回答
していることも興味深いです。
“ニューノーマル“のEC・通販で有効な施策
このように消費者の行動、生活様式が大きな変化をみせていますので、当然訴求方法も変える必要があります。いくつか、ヒントをご紹介しましょう。
手法1:コロナ禍の生活様式に合わせた訴求をする

例えば、
もはや必需品!マスクを前提とした訴求
- ファンデーション:マスクにつきにくいファンデ
- 口臭サプリ:マスクで自分の口臭が気になる
- アイメイク:テレワーク、Zoom会議でも映えるメイク など
>関連情報:オーラルケアOEM商品例 「ファイバーブラシタブレット」
関連情報:まだまだ続くマスク生活~マスクで起こる肌トラブルへの対処法とは?
巣ごもり・テレワークに合わせた訴求
- ダイエット:自粛太りでお悩みの方へ~
- スキンケア・入浴剤:おうち時間を楽しむごほうび・おこもり美容
- アイケア:テレワークで疲れた目に~ など
関連情報:新型コロナ禍で「青汁」が注目されるワケ~青汁市場拡大の理由に迫る
このように同じ商品でも、自社で商品を発信するWebサイトやメルマガをこうした訴求に見直すことで、消費者の反応率UPが期待できます。
ポイントは危機を煽るのではなく、「応援」する気持ち。一緒にこの危機を乗り越えましょうという連帯感や、なかなか外出できなくて辛いですよね、あなたの生活をささえます、という姿勢を感じてもらうことが重要です。
手法2:新型コロナウイルス対策が万全であることを訴求する
例えば、
- 商品の物流センターでは検温、消毒、マスク着用を徹底している
- コールセンターもシフトを組み、社員の健康に配慮をした運営をしている
など、自社が行っている感染防止対策をしっかり紹介すると、お年寄りや小さなお子さんのいる家庭など敏感になっている消費者層にも、安心して選んでいただけるでしょう。
共通するのは、「商品を売りこむ」のではなく「思いを届ける」こと。何かと不安要素の多い情勢下では、こうした姿勢が通常よりも重要になります。
ニューノーマルに適した商品開発を始めませんか?
いかがでしょうか。ワクチンの開発と普及までまだまだ予断を許さない状況下でのビジネスは難しさが伴いますが、この記事が皆様の事業推進のヒントになれば幸いです。
ここではいくつかのヒント、アイデアをご紹介しましたが、本質的に目指すべきは「ニューノーマル時代に適したジャンル選び、商品設計」です。
商品企画にお悩みであれば、ぜひ東洋新薬にご相談ください。多くの実績と確かな技術力で、皆さまのECビジネスをサポートいたします。

東洋新薬は健康食品・化粧品業界を陰で支えるODEM(ODM&OEM)メーカーとして、世界の人々の『健康と美』への期待に『価値』で応えていくことをミッションとしています。 本サイトでは通販ビジネスにかかわるすべての皆様に様々な情報をお届けしています。

コロナ禍でEC・通販はどう影響を受けたのか?を掘り下げ、そこから見えてくる「EC売上UPのポイント」をご紹介します。
関連情報