EC・通販の売上を伸ばす有効な施策とは?ニューノーマル時代での秘訣
- 2020.10.01
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大は、我々の生活に大きな影響を及ぼし、「新しい生活様式(ニューノーマル)」という言葉が生まれました。本記事ではそんなWithコロナにおけるEC・通販の売上を伸ばすポイントをご紹介します。
- 目次
- 1.コロナ禍におけるEC・通販状況
- 1-1.ECサイト・通販等のネットショッピングにおける近況
- 1-2.EC・通販にまつわる今後の予想
- 2.コロナ禍で売上が伸長した商品・ジャンル
- 2-1.健康食品・サプリメント系
- 2-2.美容・メイク系
- 3.ニューノーマル時代でEC・通販の売上を伸ばす有効な施策
- 3-1.施策①コロナ禍の生活様式に合わせた訴求をする
- 3-2.施策②新型コロナウイルス対策が万全であることを訴求する
- 4.まとめ
コロナ禍におけるEC・通販状況
EC・通販の売上を伸ばす施策を考えるうえで、まずは新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大によって、消費者のネットショッピングを含めた購買行動がどのように変化しているかを理解しましょう。
ECサイト・通販等のネットショッピングにおける近況
総務省が2020年7月7日に公表した「家計消費状況調査(2020年5月分)」によれば、同年5月度のネットショッピング利用世帯(2人以上の世帯が対象)の割合は50.5%。初となる5割超えを果たしました。前年同月比では8.2ポイント増となっています。これは、緊急事態宣言が発出された2020年5月に「ステイホーム=巣ごもり消費」のニーズが高まり、ECサイトやネット通販ユーザー・利用世帯が急増したことが伺えます。
同月の1世帯当たりのネットショッピング月間支出額は平均1万5,873円と前年同月比16.5%増。EC利用世帯に絞った、ネットショッピング利用1世帯当たりの支出額は3万1,465円となっています。
ネットショッピング支出額の対前年名目増減率に寄与した主な項目は、「食料」「家電」「衣類・履物」「家具」と続き、中でも「家電」「家具」は前年同月比で2倍超の伸びを記録しています。
これらのECサイトや通販などを利用したネットショッピング支出額の伸長は、外出自粛や実店舗の休業が大きな要因でしょう。そのため、緊急事態宣言が解除された2020年6月以降は揺り戻しがあると予想されます。それでも、緊急事態宣言による在宅期間中に全年代でスマートフォンの閲覧時間が増え、これまで利用しなかった層が初めてECサイト・通販を利用し、その便利さに気づいた側面があると考えられます。
EC・通販にまつわる今後の予想
「これまでEC・通販を利用しなかった層によるネットショッピングの売上伸長」の例として、高年齢層におけるECのクレジットカード決済金額シェアが4月~5月に23%となるなど、新型コロナウイルスによる消費影響がほぼなかった2020年2月の13%と比較すると大きく伸びました。
このように、従来的な購買行動が当然であった高年齢層などの消費者によるデジタルシフトは、今後も定着するとみられ、ECはこれから「消費者にとって性別や年代を問わず当たり前に利用するチャネル」として定着していくと予想されます。
EC・通販の中でも、最近では「D2C」というキーワードが注目を集めています。「D2C」はDirect to Consumerの意味で、メーカーが楽天やAmazonといったプラットフォームを介さず、直接消費者と取引を行うことを指します。マスク特需で話題になったアイリスオーヤマやシャープなどはこのモデルで、一気に知名度を上げました。
その一方で、メーカーからは「定期コースの解約が増えた」「消費者が支出に対してシビアになった」という声も聞かれます。そのため、しばらくは「D2C」の動向を注意深く見ておく必要があると思います。
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コロナ禍で売上が伸長した商品・ジャンル
次に、新型コロナウイルスの影響で「売上が伸長した商材」と「売上が低迷した商材」について考えてみます。さまざまなニュースで取り上げられている通り、ECでは売上が伸びた商材と減った商材の明暗がくっきりと分かれています。
健康食品・サプリメント系
健康食品・サプリメントの中でも、売上が好調なのは「免疫系」「ダイエット系」「生活習慣関連系」のジャンルで、具体的には以下のような商材での好調ぶりが紹介されています。
- 健康維持に欠かせない必須栄養素のサプリ、免疫への働きが注目されたサプリ、食べすぎや飲みすぎを気にする人のサプリ、抗ストレスや睡眠系サプリなどの売上が増加
- 「クロレラ」「ローヤルゼリー」などサプリメント剤型を中心とする健康保持用摂取品の支出が増加
- 「プロポリス」「ビタミンD」「牡蠣&ウコン」が好調
- 持病をもつ人の感染リスクが多くのメディアで報じられる中、基礎疾患予防を訴求する商材の動きが良かった
- 血圧訴求(トクホ)で売上アップに繋がった
また、リアル店舗でも以下のような売上伸長商材の声が挙がっています。
- 「マヌカハニー」「プロポリス」「高麗人参」「梅肉エキス」「乳酸菌」など免疫維持を期待した商材が好調
- ドラッグストアでは運動不足解消を訴求する商材が好調で、サプリメントではビタミンCや脂肪燃焼系などダイエット関連が伸びた
美容・メイク系
美容・メイクにおいては、 「外出しないのでメイク関連が売れない」 「美容関連のリピーター離脱が増えた」といったニュースを耳にすることが多いでしょう。また、関連して「旅行に行けないので入浴剤が売れた」「経済的問題による優先順位の変化が理由では」といった声も紹介されています。
その声を裏付けるかのように、「リップ」「口紅」「グロス」「チーク」「ファンデーション」などは外出自粛やマスク着用の影響で、売上が減少しているようです。さらに店頭に着目すると、これらの商品はインバウンド客の需要が大きかったため、「旅行に行けない」ということが売上減少に拍車がかかっているとのことです。
一方、「アイメイク」「眉毛関連」などマスクで隠れない部分、テレワークのリモート会議でも使用するアイテムは一定の需要があり、売上も安定しているようです。そして、中でも好調なのは「スキンケア」関連です。「@cosme」を運営するアイスタイルが実施した「美容とスキンケアに関するアンケート」によれば、
- 会員の65%が「新型コロナウイルスの影響でスキンケアへの関心が増えた」
- スキンケア商品にかける金額も33%が「増えた」
と回答しています。
これは、メイクをせずに自宅で過ごす時間と、手洗いのタイミングで鏡を見る機会が増えたこと、さらにマスク着用による肌荒れも加わり、スキンケアへの関心が高まったことが伺えます。
さらに、同アンケートでは
- 「コロナウイルスの影響でECで化粧品を買うこと」について、48%が「増えた」と回答
- 新型コロナウイルス終息後の購入方法について29%が「化粧品をECで購入する機会が増える」と回答
していることも興味深いです。
ニューノーマル時代でEC・通販の売上を伸ばす有効な施策
これまでご紹介したように、新型コロナウイルスによって消費者の行動に大きな変化があり、「ニューノーマル」と呼ばれるほどになりました。その状況で、EC・通販の売上を伸ばすためには、当然ながら考え方や方法を変更する必要があります。
従来の訴求のままでは有効性が低いことが考えられるため、EC・通販の売上を伸ばすために有効な訴求・施策のヒントをご紹介しましょう。
施策①コロナ禍の生活様式に合わせた訴求をする
例えば、
もはや必需品!マスクを前提とした訴求
- ファンデーション:マスクにつきにくいファンデ
- 口臭サプリ:マスクで自分の口臭が気になる
- アイメイク:テレワーク、Zoom会議でも映えるメイク など
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巣ごもり・テレワークに合わせた訴求
- ダイエット:自粛太りでお悩みの方へ~
- スキンケア・入浴剤:おうち時間を楽しむごほうび・おこもり美容
- アイケア:テレワークで疲れた目に~ など
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このように同じ商品でも、自社で商品を発信するWebサイトやメルマガをこうした訴求に見直すことで、消費者の反応率UPが期待できます。
ポイントは危機を煽るのではなく、「応援」する気持ち。一緒にこの危機を乗り越えましょうという連帯感や、なかなか外出できなくて辛いですよね、あなたの生活をささえます、という姿勢を感じてもらうことが重要です。
施策②新型コロナウイルス対策が万全であることを訴求する
例えば、
- 商品の物流センターでは検温、消毒、マスク着用を徹底している
- コールセンターもシフトを組み、社員の健康に配慮をした運営をしている
など、自社が行っている感染防止対策をしっかり紹介すると、お年寄りや小さなお子さんのいる家庭など敏感になっている消費者層にも、安心して選んでいただけるでしょう。
共通するのは、「商品を売りこむ」のではなく「思いを届ける」こと。何かと不安要素の多い情勢下では、こうした姿勢が通常よりも重要になります。
まとめ
いかがでしょうか。我々の生活が大きく変化し、この暮らしが当たり前となる「ニューノーマル」に適したECサイト・通販の運営を行う必要があります。ここではいくつかのヒント、アイデアをご紹介しましたが、本質的に目指すべきは「ニューノーマル時代に適したジャンル選び、商品設計」です。
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