脂肪分解・脂肪燃焼とは?葛の花エキス™の新たな機能性のご紹介
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- 2024.11.06
東洋新薬がおよそ20年にわたり研究している「葛の花エキス™」。最近、新たに「日常の身体活動による脂肪を分解・燃焼する力を高める」という機能性を表示した、機能性表示食品が届出されました。
葛の花エキス™を配合した機能性表示食品は、これまで「肥満気味な方の、体重やお腹の脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)や、ウエスト周囲径を減らすのを助ける」旨、「日常生活活動時や、運動時(3.5 メッツ程度のもの)のエネルギー消費(カロリー消費)を高める」旨の届出表示で、合計150 件を超える届出実績があります(2024年9月6日時点)。
今回は、これらに新たに追加された「日常の身体活動による脂肪を分解・燃焼する力を高める機能」について、国内における肥満の実態とともに、ご紹介します。
- 目次
- 1.葛の花エキス™とは?
- 2.国内における肥満者の割合
- 3.肥満の予防・改善方法
- 4.葛の花エキス™の脂肪分解・脂肪燃焼促進作用とメカニズム
- 5.まとめ
葛の花エキス™とは?
葛(クズ)とは、日本、中国、台湾、東南アジアをはじめ世界中に分布する、マメ科クズ属の多年生植物です。中国南部およびその近辺の香港やマカオなどの地域では、「五花茶」という5種類の植物の花を使用したお茶の原料として用いられており、少なくとも1950年代頃から飲用されていたと言われています1, 2)。
葛の花エキス™は、葛の花部から抽出された素材で、テクトリゲニン類という、特徴的なイソフラボンを豊富に含んでいます。
東洋新薬はテクトリゲニン類に抗肥満作用があることを確認し、2016年3月には、「葛の花エキス™」を関与成分とした特定保健用食品が許可されました。日本で初めて「お腹の脂肪、お腹周りやウエストサイズが気になる方に適する」という具体的な体の部位を用いた許可表示が認められた、機能性素材でもあります。
出典:
1.吉江紀明ほか, Food Style 21, 17, 33-36 , 2013.
2.Chen Q. et al., J Med Plant Res., 6, 3351-3358, 2012.
国内における肥満者の割合
令和4年国民健康・栄養調査結果の概要によると、日本における20 歳以上の肥満者の割合は、男性が31.7%、女性が21.0%であると報告されており、依然として高い状態にあります3)。
肥満は、糖尿病や脂質異常症、心血管疾患等の様々な疾患の要因となることが知られている4)ことから、肥満の予防・改善が健康のためには必要不可欠です。
肥満の予防・改善方法
肥満の予防・改善方法として、肥満症診療ガイドライン2022では、「食事療法」、「運動療法」、「行動療法」、「薬物療法」、「外科療法」の5つが挙げられており、中でも「肥満症治療の基本となるのは、運動療法と食事療法である。」と述べられています5)。
食事療法では、1日の摂取エネルギー量を管理することが重要です。従来、標準体重(BMI:22)を目標体重として、1日摂取エネルギー量を管理することが一般的とされていましたが、アジア人におけるもっとも死亡率が低いBMIは20~25と年齢により異なる6)ことから、肥満症診療ガイドライン2022では「個々の患者に応じた目標体重を定めることが望ましい」とされています5)。
一方、運動療法ではエネルギー消費量を高めることが重要であり、これには有酸素運動中心の運動が効果的です。 有酸素運動は、日常の身体活動で得られる程度(ウォーキングなど)の比較的軽い負荷で長時間行う運動のことですが、その有酸素運動時には、エネルギー源として脂肪が利用されやすいとされています7)。
そのため、適切な食事管理と日常の身体活動や軽い運動を積極的に行うことが、肥満の予防・改善に有効だといえます。
出典:
5.日本肥満学会編, 肥満症診療ガイドライン, 51-81, 2022.
6.Global BMI Mortality Collaboration, Lancet, 388, 776-786, 2016.
7.菊地尚久, Jpn J Rehabil Med, 55, 184-188, 2018.
葛の花エキス™の脂肪分解・脂肪燃焼促進作用とメカニズム
東洋新薬の研究では、BMIが25未満で運動習慣のある20-29歳の健常男性を対象に、「葛の花エキス™」を「葛の花由来イソフラボン」として1日あたり35mg含有する錠剤(葛の花エキス群)、または「葛の花エキス™」を含有しない錠剤(プラセボ群)を8週間摂取させる、二重盲検群間並行比較試験を行いました。
その結果、摂取8週後において葛の花エキス群はプラセボ群と比較して、運動負荷時の血中グリセロール及び遊離脂肪酸量の有意な増加が認められました。さらに総ケトン体量においても同様に、葛の花エキス群はプラセボ群と比較して、有意な増加を示しました8)。
脂肪はエネルギーとして利用される場面においては、グリセロールおよび脂肪酸に分解され、血中に放出されます。血中に放出された脂肪酸は主に肝臓にてβ酸化を受けてアセチル-CoAを産生し、さらにアセチル-CoAからケトン体を生じ、血中に放出されます。すなわち、グリセロールおよび脂肪酸はどの程度脂肪が分解されたか(脂肪分解)の指標、ケトン体はβ酸化によりどの程度、脂肪がエネルギーとして消費されたか(脂肪燃焼)の指標と考えることができます。
そのため、これらの結果は葛の花エキス™に脂肪分解・燃焼促進作用があることを示しています。
※1:自転車エルゴメーターにて50%VO2maxの運動負荷開始から運動負荷終了時(60分後)までの値から算出
※2:※1の運動負荷終了後から運動負荷終了60分後までの値から算出
「葛の花エキス」の脂肪分解・燃焼促進作用のメカニズムについて、東洋新薬ではこれまでに葛の花由来イソフラボンに、白色脂肪での脂肪分解系遺伝子の発現増加作用がある9)ことを確認しています。
加えて、葛の花エキスの有効成分の一つとして考えられているテクトリジン(テクトリゲニン類の一種)には、肝臓における脂肪酸のβ酸化に関わる遺伝子の発現増加作用がある10)ことが報告されています。
したがって、脂肪分解や脂肪燃焼に関わる遺伝子発現の増加により「葛の花エキス™」は、脂肪分解・燃焼促進作用を発揮すると考えられます。
出典:
8.眞志喜ら, 薬理と治療,51(4), 563-571, 2023.
9.Kamiya T. et al., Evid Based Complement Alternat Med., 2012, 272710, 2012.
10.Xiong Y. et al., Toxicology, 276, 64-72, 2010.
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は葛の花エキス™の「日常の身体活動による脂肪を分解・燃焼する力を高める機能」について、国内における肥満の実態とともにご紹介しました。
肥満予防には適切な食事管理と日常の身体活動や軽い運動を積極的に行うことが重要であり、葛の花エキス™は日常の身体活動による脂肪を分解・燃焼する力を高めることで、肥満予防の一助になります。
脂肪分解・脂肪燃焼を訴求する商品開発に興味をお持ちでしたら、本コラムが少しでも参考になりますと幸いです。
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