ヘアケア商品開発で注意すべき「広告表現」とは?薬機法との関係を解説
- 2024.01.18
ボタニカルシャンプーや髪質改善トリートメント、ナイトケア特化ヘアブランドなど、ヘアケアアイテムの高付加価値化は止まらず、高価格商品も、続々と市場に投入され、人気を呼んでいます。
今回は、そんな注目度の高いシャンプーやトリートメント、育毛剤といった頭皮毛髪用化粧品:ヘアケアアイテムのOEM商品開発を行う上で、特に気をつけたい広告表現事例を、薬機法との関係を基に解説します。
ヘアケアOEM商品開発で気を付けたい「広告表現」~事例を薬機法との関係で解説
こだわりを持って開発するヘアケアアイテムですから、広告でもしっかり特長をアピールしたいもの。しかし、その広告表現は、薬機法をはじめとした関連法規で厳しく定められています。
では、ヘアケアアイテムの広告表現では、どのようなことに注意を払うべきなのでしょうか。実際の広告表現から、6つの事例をご紹介します。
Case.1 「毛髪内部に浸透」は訴求できる?
頭皮毛髪化粧品の場合、角化した毛髪の範囲であれば、「浸透」の訴求が認められています。
角化した毛髪とは、「地肌から出ている毛髪」をイメージしてください。皮膚科学的には、「毛幹」と呼びます。毛髪は、地肌の中にある毛根の一番奥にある髪の元:毛母細胞が、分裂や増殖を繰り返し、角化したもの。地肌から出ている毛髪部分(毛幹)は、角化した細胞のかたまり。それは、肌でいう「角質細胞」のことです。
スキンケアアイテムの商品開発やPRに携わったことがある方はご存知の通り、「スキンケアで認められている浸透の範囲は”角質層”まで」です。そのため、毛髪部分(毛幹)では「内部浸透」が表現できます。ただし、頭皮は肌の一部と考えるため、「浸透」の表現は「角質層」に留める必要がありますのでご注意ください。
Case.2 育毛剤で、「櫛通りをよくする」「毛髪にツヤを与える」効果を訴求したい
2000年以前は、男性向けイメージが強かった育毛剤。2010年以降、女性用や男女兼用も増えました。
レッドオーシャンと言われる育毛剤市場において、育毛剤にアウトバスヘアトリートメント効果を付与した商品は差別化効果が高く、魅力的です。
しかし残念ながら、育毛剤は「脱毛の防止と育毛」を目的としているため、「毛髪への訴求」は認められていません。具体的には、「髪のツヤを保つ」「櫛通りをよくする」「毛髪にツヤを与える」といった表現はNGです。
ただし、育毛剤は未来の毛髪を担う、頭皮にアプローチをする商品であるため、「ハリコシのある髪を育てる」「すこやかな髪を育む」など、育毛剤の効能効果の範囲内であれば、訴求は可能です。
Case.3 育毛剤とセット販売するシャンプーで、育毛効果は訴求できる?
結論から言えば、シャンプーで「育毛」は訴求することはできません。
市場品をよく見ると、脱毛に悩む方はにおいやフケ、かゆみといった頭皮トラブルを抱えている方も多いことから、訴求点を「頭皮ケア」にしたり、育毛剤とセットで広告を作ったり、各社工夫を凝らして訴求しています。
「スカルプシャンプー」という表現もたびたび見かけますが、これは頭皮ケアに着目して開発されたシャンプーを指します。もちろん、頭皮に皮脂やと汚れが残ったままだと、髪の毛の成長を妨げる要因になります。そのため、訴求はできずとも、抜け毛対策にシャンプーは欠かせません。
Case.4 美容師さんに監修してもらった!「美容師推薦ヘアトリートメント」と訴求したい
身近な髪のプロ、美容師。「美容師が推薦!」は、商品の説得力を高める魅力的なキーワードです。
しかし、医薬品等適正広告基準で「事実であっても禁止」と定められていますので、注意しましょう。
Case.5 色落ちしないヘアカラートリートメントを開発。「〇週間色落ちしない」を訴求できる?
ヘアカラーアイテムでは、染まった前後を画像で示す表現が認められています。ただし、「〇分後に染まった」「〇週間色持ちが続きます」など、染まる時間や色持ちの期間(時間)を明記すると、効果の保証と見なされる恐れがあるため、注意が必要です。
Case.6 育毛剤で「血行促進」は訴求できる?
育毛剤(医薬部外品)の効能効果に、「血行促進」は含まれていません。
しかし、育毛剤で使用される有効成分の作用機序(メカニズム)を説明する場合、事実の範囲内かつ、認められている効能効果の範囲を超えない場合は、訴求できる可能性があります。
髪が生えにくくなる原因の一つに、頭皮の血行が悪くなることが挙げられます。そのために髪を作るのに必要な成分が不足し、髪の成長スピードが遅くなるのです。実際に大手メーカーの研究で、頭皮(地肌)の血流が良い人の方が、髪のハリやコシが高い傾向にあった、という結果もあります。
作用機序(メカニズム)での訴求が難しい場合、「使用時に頭皮をマッサージしながら使うことで、血行促進が促されます」といった「おすすめの使い方」の範囲で訴求するなど、マッサージによる効果であることがわかるような広告訴求の検討が必要です。
参考:育毛剤/薬用シャンプートリートメント/化粧品ヘアケアアイテムの効能効果一覧
<化粧品 毛髪や頭皮に関する効能効果の範囲(一部抜粋)>
- 頭皮、毛髪を清浄にする*1
- 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える
- 頭皮、毛髪をすこやかに保つ
- 毛髪にハリ、こしを与える
- 頭皮、毛髪にうるおいを与える
- 頭皮、毛髪のうるおいを保つ
- 毛髪をしなやかにする
- くしどおりをよくする
- 毛髪のツヤを保つ
- 毛髪にツヤを与える
- ふけ、かゆみが取れる*2
- ふけ、かゆみを抑える
- 毛髪の水分、油分を補い保つ
- 裂毛、切れ毛、枝毛を防ぐ
- 髪型を整え、保持する
- 毛髪の帯電を予防する
*1:範囲表を超えない表現であれば、言いかえが認められています
*2:洗い流すことにより
<薬用化粧品 シャンプーリンスの効能効果の範囲>
- ふけ、かゆみを防ぐ
- 毛髪、頭皮の汗臭を防ぐ
- 毛髪、頭皮を清浄にする(シャンプーのみ)
- 毛髪の水分・脂肪を補い保つ(コンディショナーのみ)
- 裂毛、切れ毛、枝毛を防ぐ(コンディショナーのみ)
- 毛髪、頭皮をすこやかに保つ/毛髪をしなやかにする(二者択一)
<育毛剤 効能効果の範囲>
※有効成分によって効能効果が異なります
- 育毛
- 薄毛
- かゆみ
- 脱毛の予防
- 毛生促進
- 発毛促進
- ふけ
- 病後、産後の脱毛
- 養毛
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は、注目度の高いシャンプーやトリートメント、育毛剤などの頭皮毛髪用化粧品:ヘアケアアイテムのOEM商品開発を行う上で、特に気をつけたい広告表現事例を解説しました。
せっかく開発した商品をより魅力的に訴求したい気持ちのあまり規定違反してしまうと、取り返しのつかないダメージを被ります。東洋新薬はこうしたポイントも踏まえて、貴社の商品開発を確実に支援します。
ヘアケアアイテムのOEM商品開発を計画中であれば、ぜひ一度ご相談ください。
東洋新薬は健康食品・化粧品業界を陰で支えるODEM(ODM&OEM)メーカーとして、世界の人々の『健康と美』への期待に『価値』で応えていくことをミッションとしています。 本サイトでは通販ビジネスにかかわるすべての皆様に様々な情報をお届けしています。
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医薬部外品の商品開発を例に、化粧品・コスメのOEM製造の流れをまとめた資料です。お客様側とOEM側のそれぞれの対応や注意点などをご紹介します。
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