アメリカや欧米の健康食品市場トレンド!日本との違いを解説
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- 2021.02.09
新しい商品を開発しようとするとき、海外に目を向ける方は多いでしょう。海外で流行したものが数年後に日本に到来、というのは健康食品市場にも、時間軸は少し長めかもしれませんが当てはまります。アメリカは約8割の人が摂取するといわれるほどのサプリメント大国。世界のサプリメント市場に影響を与えるのも当然かもしれません。
今回は、アメリカを中心とした海外のサプリメント事情を、日本と比較しながら探っていきましょう。
海外で成長している市場は今後日本でも需要が拡大していくこも予想されますので、ぜひ商品開発の際には海外市場の動向を意識してみましょう。
- 目次
- 1.アメリカ・ヨーロッパにおけるサプリメントの特徴
- 1-1.特徴1:配合成分がシンプル
- 1-2.特徴2:サイズが巨大
- 1-3.特徴3:配合量が多い
- 1-4.特徴4:日本では配合できない成分がある
- 1-5.特徴5:日本では訴求できないヘルスクレームがある
- 2.海外でも注目される腸の健康
- 3.「植物由来」もキーワード
- 4.その他、海外の人気成分
- 4-1.ビタミンD
- 4-2.飲む日焼け止め成分
- 4-3.カラダに良い油
- 4-4.マグネシウム
- 5.まとめ
アメリカ・ヨーロッパにおけるサプリメントの特徴
アメリカやヨーロッパなどのサプリメントは、日本と比較すると以下のような特徴があります。
特徴1:配合成分がシンプル
日本では配合する種類が多い商品が人気。一方海外では、複数成分をたくさん配合するより単一成分が多く、複数でも2-3種類程度の配合商品が主流です。
特徴2:サイズが巨大
海外のサプリメントはハードカプセルやソフトカプセルが主流ですが、そのサイズが巨大です。大きな体格の方が多い、という理由からでしょうが、日本人にはとても摂取できないのでは?と思う商品も多数あります。
特徴3:配合量が多い
サイズが大きい理由の一つが、含まれる成分量が多いこと。日本の上限を超える量が配合される商品もあります。例えばビタミンB2を強化した栄養ドリンクやサプリメントを摂取すると尿が濃い黄色になることがありますが、海外のサプリメントを摂取した場合は尿に異臭がするほど。日本では見られないような有害症例が出るケースもありますので、過剰摂取に注意しましょう。
特徴4:日本では配合できない成分がある
海外ではL-システインやメラトニン配合のサプリメントがあります。L-システインは主に美容目的、メラトニンは睡眠のためのサプリメントとして流通しています。これらの成分は日本では医薬品原料に該当するため、食品には配合できません。
特徴5:日本では訴求できないヘルスクレームがある
日本では2015年に機能性表示食品制度がスタートしました。それにより、これまで特定保健用食品のみで許可されてきた体脂肪や血糖、中性脂肪に加え、アイケアや関節、睡眠など新たなヘルスクレームの訴求もできるようになりました。しかし、海外では謳うことができても日本では認められていないヘルスクレームがあります。例えばアメリカでは「がん」や「心疾患」という表記ができます。日本の制度からすると驚きですね。日本の機能性表示食品制度はアメリカの栄養補助食品健康教育法(DSHEA:ディーシェイ)を参考にしたとされ、その歴史は実に25年以上。こうした歴史なのか文化の違いなのか、表示には差があります。
ちなみに、日本でも機能性表示食品制度のおかげでヘルスクレームの拡大が進んでいます。
「免疫」は2020年9月に届出公開され、11月に発売。発売から約3週間で合計2,000万本(飲料4商品の合計)を突破とニュースになりました。
>https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000044729.html
また、「血管の柔軟性」という表記も松樹皮加工食品で12月に届出公開されています。血管の柔軟性は心疾患などに影響する因子です。
このように、日本でも徐々に訴求できるヘルスクレームが拡大しています。
こういったところにビジネスチャンスが転がっていそうですね。
>ヘルスクレームの例は何がある?機能性表示食品届出の“注意点”と“抑えるべき3つのポイント”
海外でも注目される腸の健康
このように違いがあるサプリメント事情ですが、海外でも注目されているのが「腸の健康」です。日本でも腸活ブームが続いていますが、海外でも同じくブームが続いている印象です。そのため、食物繊維や乳酸菌は、海外でもなじみ深い原料と言えるでしょう。
食物繊維でいえば、「イヌリン」という食物繊維はチコリーやゴボウ、たまねぎなどに含まれ腸内細菌の餌になりやすい食物繊維として有名です。ヨーロッパから広がった印象がありますが、世界的にもイヌリン製品が増えています。
また、自然食品・ホールフードの概念も浸透しているので、自然派を訴求するなら植物由来の食物繊維も人気があります。日本では青汁で有名な「大麦若葉」は海外でも注目されています。
また、海外では「生きた乳酸菌」が主流で、最近では体脂肪などの領域や肌やストレスとの関連性の学術情報も増え、腸の健康以外にも拡大しています。
「植物由来」もキーワード
サプリメントというとビタミン、ミネラルなど「成分」のイメージですが、「植物由来」というキーワードも人気のジャンル。海外ではヴィーガンやベジタリアンの割合が高いことも関連していると思われます。
牛乳の代替食としてアメリカでは「アーモンドミルク」、ヨーロッパでは「オーツミルク」などが登場していますが、日本でも「アーモンドミルク」の流通が増加しています。
プロテインも通常なら「ホエイプロテイン」が一般的ですが、「ソイプロテイン」「ピープロテイン(エンドウ豆)」「フルーツ由来のプロテイン」など多様化してきています。
その他、海外の人気成分
海外で人気の高い成分をいくつか、ご紹介します。
ビタミンD
日本ではビタミンCのサプリメントが多く流通していますが、海外ではそれと並ぶ実績があるのがビタミンD。最近では新型コロナの影響で注目を浴びた成分です。
飲む日焼け止め成分
海外は白人の方も多く、紫外線の影響による皮膚がんが大きな問題となります。飲むことで日焼けを抑える成分は日本でも一時期流行しました。「ポリポディウムロイコトモス」というシダ植物や「ニュートロックスサン」と呼ばれるシトラスとローズマリーの混合物が有名ですが、海外ではこの紫外線対策の分野の研究は欠かせません。日本では最近は「アスタキサンチン」やリンゴ由来の「ポリフェノール」が機能性表示食品になっており、日本でも注目の領域だと考えられます。
>「飲む日焼け止め」の効果と、オススメの成分
カラダに良い油
「MCTオイル(中鎖脂肪酸)」「CLA(共役リノール酸)」「ギ―(インドでも使われるバターからつくられるオイル)」「グラスフェッドバター(穀物ではなく牧草で飼育された牛からとれたバター)」も人気です。「MCT」や「CLA」は体脂肪やメタボ対策に適した油として有名です。そもそも油は身体によい・悪いとよく議論されますが、最近はカラダに良い油もあると見直されています。
動物性油脂でも知られる飽和脂肪酸の摂取が循環器疾患(脳出血、脳梗塞、心筋梗塞など)で亡くなった人にどれだけ影響するのか、日本人対象の調査が行われました。その結果、飽和脂肪酸の摂取が多いほど死亡率が少なくなったとの報告(American Journal of Clinical Nutrition 2010; 92: 759-765.)があり、油はただの悪者ではなくなってきています。
マグネシウム
あまり注目されていませんが、実は血液循環や筋肉にも影響があるマグネシウム。海外ではマグネシウムサプリも一般的です。
まとめ
いかがでしたか?海外と日本のサプリメント事情はそれぞれ違うところもありますが、よく見たら似ているところもあります。そうなると日本発で海外ブームになるものも多くなる予感がしますね。例えば「抹茶」は健康食品として海外に広がった一例。これからのサプリメント事情は面白くなりそうです。
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