中国 化粧品・コスメ市場②~中国向け商品のパッケージ上で訴求できること、できないこと

  • 化粧品
  • 2021.02.22

中国市場での化粧品ビジネスを検討されている方向けに、中国における化粧品・コスメ市場について解説するシリーズ②の今回は、商品への影響が大きく関心も高い「中国向け商品のパッケージ上で訴求できること、できないこと」の解説です。

①「中国の化粧品法規、31年振りの大改正」はこちら

目次
1.法規改正の影響は、日本製商品のオリジナルパッケージの訴求にも及ぶ
2.パッケージ上の訴求に対する法規制の要注意ポイント
3.「美白効能」と「育毛効能」に関するトピックス
3-1.「美白効能」
3-2.「育毛効能」
4.まとめ

法規改正の影響は、日本製商品のオリジナルパッケージの訴求にも及ぶ

中国人にとっての「お正月」は、日本では旧正月と呼ぶ旧暦1月1日、「春節」です。今年2021年は、2月12日がその日にあたります。中国では旧暦を農暦と呼ぶ通り、元は農業のための暦。春節は、長い冬が終わって春が来る、農業シーズンの到来を知らせる「号砲」との意味があります。2021年のこの「号砲」は、私たち中国の化粧品ビジネスに関わる日本人にも、大きな影響を及ぼします。それは、シリーズ①で解説した「31年振りの化粧品法規の大改正」です。

新たな中国法規は、日本製商品のオリジナルパッケージに対しても影響を及ぼすのです。

①でご紹介した《新条例》の下位法規として、《化粧品ラベル管理弁法》という法規が『春節』後の間もない時期に公布されると見込まれており、その中にパッケージに関わる条文があります。なおこれは最終的に公布された法規のものではなく、WTOにTBT通報されたパブコメ版の条文であることをお断りしておきます。

第4条「化粧品の最小販売単位は、表示ラベルがなくてはならない。ラベルは、関連する法律、行政法規、強制国家標準及び技術規範の規定を満たさなければならず、その内容は、真実、完全、正確で、かつ当該製品の登録・備案関連内容との整合しなければならない。」

第5条「輸入化粧品は、中国語ラベルを直接使用することができ、或いは中国語ラベルを貼り付けることもできる。中国語ラベルを貼り付ける場合、中国語ラベル中の製品安全性、効能効果の関連内容は、オリジナルパッケージの関連表示内容と一致しなければならない。」

第5条に、強烈な一文(太字部分)があります。さらに、上記弁法と近い時期に公布されると予想される《化粧品登録届出資料規範》の第29条では、以下のようなに要求されています。なおこれも最終的に公布された法規のものではなく、WTOにTBT通報されたパブコメ版の条文です。
「輸入化粧品は、原産国商品の販売パッケージと能書、および外国語ラベルの翻訳を(申請時に)提出しなければならない。」

太字で記した3つの条項から導き出される三段論法的な結論は、
①「中国語ラベル中の効能効果の関連内容は、オリジナルパッケージの関連表示内容と一致しなければならない」
②「中国語ラベルは、関連する法律、行政法規、強制国家標準及び技術規範の規定を満たさなければならない」
だから
③「オリジナルパッケージ(日本版パッケージ)の関連表示内容は、関連する中国法規の規定を満たさなければならない」
ということです。オリジナルの販売パッケージの中国語翻訳を提出しなければならないということが、重要なポイントです。

パッケージ上の訴求に対する法規制の要注意ポイント

《新条例》
第22条「化粧品の効能訴求は、十分な科学的根拠がなくてはならない。化粧品の申請者は、NMPAが指定するウェブサイトで、その効能根拠に関する文献資料、研究データや製品効能評価資料の要旨を掲載し、社会の監督を受ける。」

次は《化粧品効能効果訴求ガイドライン》という法規ですが、こちらはその名前の通りパッケージ上でなされる訴求に対して、とても影響力が大きいものです。そしてこれも、《新条例》の下位法規として『春節』後の間もない時期に公布されると見込まれています。なおこれも最終的に公布された法規のものではなく、WTOにTBT通報されたパブコメ版であることをご承知おきください。

この法規では、訴求可能な効能、公開を求められる科学的根拠の要旨の作成要領とモデル書式、科学的根拠を得るための各種試験法に関する要件、科学的根拠の公開を免除される効能に関する基準等が規定されていますが、関心が高いのは「化粧品効能訴求評価項目要求」ではないでしょうか。ここでは、その法規の翻訳をご紹介します。ただし、この翻訳は弊社の拙訳であり、法規の内容を100%正確に説明するものではないことを予めご承知おきください。

いかがでしょうか。御社の商品が訴求されている効能はありますか?ある場合は、その科学的根拠の要旨を作成して、NMPAが指定するウェブサイトで開示しなくてはなりません。スキンケア商品の場合、「保湿」といった基本効能さえも、規定された以上、何らかの対応が必要になります。

その一方で、この表では「敏感肌用訴求」「マイルド(無刺激)訴求」「定量的指標の訴求(時間、統計データ等)」など、中国でこれまで認められてこなかった効能の訴求が可能となっています。このような商品をラインナップする方にとっては、大きなチャンスだと思います。もちろん、今はまだ商品をお持ちでない方にとっても、一つの攻め手であることには変わりはありません。

「美白効能」と「育毛効能」に関するトピックス

ここからは、特に関心が高いと思われる「美白効能」と「育毛効能」に関するトピックスをご紹介します。

「美白効能」

2020年11月、「シミ取り美白化粧品のシミ取り美白効果の評価方法」という法規のパブコメが公布されました。現段階ではパブコメなので最終決定版ではありませんが、法規として公布された暁には、この試験法で定められた試験で有効性が確認された商品しか、中国で美白効能を訴求できなくなります。

重要ポイントは、この試験を行うために必要なコスト(試験費用、試験に要する期間等)が発生するということです。中国市場への上市時期から逆算されるサンプル試験の開始時期を、最低でも4か月程度は前倒す必要が出てきます。

「育毛効能」

こちらも大きな変更が発生しています。それは、2021年1月以降「育毛効能」を訴求する商品は、医薬品管理となったということです。上記の表にも記したように、「抜け毛防止効能」は化粧品の効能ですが、「育毛効能」は医薬品効能となってしまいました。

そして「抜け毛防止効能」については、もう一つ重要な変更が生じています。それは、「美白効能」と同様に効果試験法が設定され、その定められた試験法で有効性が確認された商品しか、中国で「抜け毛防止効能」を訴求できなくなります。日本の育毛商品にとって、大きな試練の時が来たと感じます。

まとめ

今回は、中国の法改正が日本製商品のオリジナルパッケージの訴求及ぼす影響について解説しました。今回ご紹介した以外にも、注意すべき法改正ポイントがあります。

東洋新薬は、お客様の商品をより早く、そしてより確実に中国市場に上市できるよう、さまざまなルートを通じて中国薬事に関する最新情報を入手していますので、お気軽にお問い合わせください。
次回③では「③一般貿易と越境EC貿易の違い」を解説します。再見!

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