中国の化粧品市場を解説。4つのトレンドキーワードから紐解く

  • 2021.01.20

世界第2位の化粧品市場規模である中国

中国の化粧品市場規模について

中国は世界の化粧品市場規模において、2013年前後にアメリカに次ぐ第2位となり、その後も成長率を維持しています。

中国国家統計局の発表では、2018年の化粧品小売総額が前年比4.2%増の2,619億元(約4兆2,690億円、1元=16.3円/2021年2月1日)とのことで、日本の化粧品出荷額1兆6,941億円(2018年)と比較すると、約2.5倍の市場規模になります。

中国の化粧品市場の実情

化粧品専門チェーン店の「GIALEN娇兰佳人」や「T3C唐三彩」は中国国内に2,000店、3,000店の店舗を構えており、香港系のグローバルドラッグチェーン「屈臣氏Watsons」は3,800店以上あります。

そして、アリババグループに代表されるEコマースは11月11日、独身の日セールのピーク時に1秒当たり58万件以上の注文を処理したのだとか。

中国の化粧品市場の拡大余地

上記のような実情でもいまだに発展段階にあり、拡大余地が見込まれる大きな市場の一つであると言われています。

というのも、一人当たり消費額で見ると日本の数分の1程度にしか過ぎません。中国統計年鑑や国家統計局のデータによると、一人当たりの収入額は年々増加傾向にあり、それに加えて若年層の需要増加、地方都市の消費額伸長なども影響し、一人当たりの消費額の増大に期待できます。

また、これまでの売れ筋はスキンケア製品でしたが、若年層を中心としたメーキャップ習慣の広がりによって、メーキャップ製品の売上も伸長してきています。都市部のホワイトカラーを中心に、男性スキンケア意識も高まりつつあります。

このようなことから、日系企業の中国進出を成功させるためには、中国の化粧品市場と消費者への理解、ターゲットとなるチャネル・消費者層などを明確にした上での販売戦略が不可欠であると言えます。

化粧品OEMの中国輸出を検討している方は、こちらの記事もご覧ください。
>関連情報:化粧品OEMの中国輸出における、「一般貿易」と「越境EC」の違いとは?

中国化粧品市場トレンドワード① 天然成分

中国の化粧品市場をさらに紐解く意味で、トレンドになっているキーワードをご紹介します。中国進出を念頭に化粧品・コスメ開発を検討されている方はこちらをヒントにしてみてください。

中国における化粧品市場でのトレンドキーワードとして、まず「天然成分」があげられるでしょう。

「ナチュラル」「グリーン」「クリーン」–これらの言葉は、今日、中国のインフルエンサーやKOL(Key Opinion Leader)の間で広まっています。中国の消費者の世帯収入の急増に伴い、付加価値の高い天然成分*を使用したスキンケア製品に対する需要が高まっています。

市場調査会社のKantarによると、Z世代と言われる若者世代の消費者の54%が、スキンケアの概念について尋ねられたときに「植物ベースのスキンケアを大切にしている」と答えています。

*中国では「オーガニック」や「有機」といった訴求は化粧品ではできません。

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中国化粧品市場トレンドワード② ライブストリーミングの使用

次に、「ライブストリーミングの使用」があげられます。ライブストリーミングを使用して化粧品を販売することは新しいトレンドではありませんが、年々人気が高まっています。

このマーケティング手法の利点は、即効的な認知度と売上の獲得にあります。美容製品のパーソナライズと信頼性を紹介する場合、ライブストリーミングは最適な選択と言えます。

ライブストリーミングは透明性と信頼性を備えていることでユーザーに広く活用されており、企業はこれを利用することにより大勢のユーザーを自社商品にほんの数分で関与させることに成功しています。

毎年恒例のビッグイベント「ダブル11」(11月11日独身の日)でもライブ販売が行われており、KOLのみならず、芸能人や経営者などもライブを実施し、商品を販売しています。

商品を紹介する人は「主播」と呼ばれ、中国トップレベルの「主播」は年間300億元(4,600億円)以上の売り上げを叩き出す人もいると言われています。

中国化粧品市場トレンドワード③ 伝統的中国医薬

3つ目はTCMと言われる「伝統的中国薬」です。古代にまでさかのぼる中国の文化と哲学には、中医薬*とその成分の伝統に深く根ざしています。

2016年に発売が始まった中国の価値観とフランスのノウハウをあわせたスキンケアブランド「Cha Ling」は、強力なアンチエイジング、保湿、肌の癒しを求め、プーアル茶を製品に利用することで、中国の消費者の間で注目を集めています。外国語のラベルでタグ付けされたものに夢中にならず、自分たちの文化に自信を持っている消費者も増えているため、国内製品に対する認識にも好転しています。

上海を拠点とする「Inoherb(相宜本草)」は、科学的に効果的であることが証明されているTCM(伝統中国医学)をテーマにしたスキンケア製品を製造するブランドです。中国のハーブ化粧品を宣伝する戦略により中国のオーガニックスキンケア市場での地位を確立することに成功し、2013年から2018年まで2桁の連続成長率を示しています。

このような伝統的中国薬を取り扱った化粧品を開発・販売するブランドが生まれてきています。中国化粧品市場で勝ち抜くためには、このような中国の価値観や学問、伝統的な技法に根ざした中国ローカルプレーヤーからも学ぶことが多々あると思います。

*中医薬:中国の伝統医学のこと。日本でいう漢方薬。

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中国化粧品市場トレンドワード④ メンズコスメ

最後に、今、中国化粧品市場でトレンドの一つになりつつあるメンズコスメです。

中国人男性は、かつて美容製品に興味がそれほどなく、10年前には保湿、水分補給、皮脂バランスのための基本的な製品を使用することさえも嘲笑されていました。しかし、社会動向の変化、消費主義の台頭により男性の美意識が向上し、「ハンサム経済」と言われる現象を生み出しました。

スキンケアとメイクアップは多くの1990年以降、2000年以降生まれの男性消費者にとって日常の行為になっています。統計によれば1995年以降に生まれた中国人男性の平均20%がBBクリーム、リップクリーム、または口紅を使用しており、そのうち10%がアイブロウとアイライナーを使用していると言われています。

また、彼らは毎日のスキンケアトリートメントにおいてフェイシャルマスク、乳液、美容液、抗UV、メイクアップ、アンチエイジングを使用する傾向にあるということです。

まとめ

いかがでしょう。本記事では、中国の化粧品市場をトレンドとなっているキーワードから紐解いて解説しました。このような状況を踏まえて、中国で化粧品の販売を行うには「NMPA登録」が必要になります。東洋新薬では中国薬事の経験者がさまざまな質問にお応えしており、安心して中国進出に臨めるようお手伝いをいたします。

中国進出にご興味がありましたらぜひ一度、ご相談ください!

>関連情報:美容男子が増加中!メンズコスメのトレンドや男性の肌の特徴について解説

参考:MarketingToChina https://www.marketingtochina.com/6-beauty-trend-in-china-in-2020/

>関連情報:健康食品・サプリメントOEMサービス

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2024年8月15日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2024年5月31日時点、自社調べ)

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