化粧水のOEMガイド~製造の流れから開発ポイント、費用までご紹介

  • 2022.07.05
化粧水 oem

毎日のスキンケアで欠かせないアイテムである化粧水。化粧品の売上構成比の中でも、単独剤型で最も高いシェアを誇ります*1。透明でさらさらなテクスチャーをイメージする化粧水ですが、最近では高付加価値アイテムとして、化粧液と呼ばれるとろみのあるタイプや2層式・カプセルタイプなど、さまざまなアイテムが発売されています。

今回は化粧水の種類からOEM商品開発時のポイント、商品企画例をご紹介します。

目次
1.OEMで化粧水を製造するメリット/デメリット
1-1.メリット
1-2.デメリット
2.化粧水OEMにおける全体の流れ
3.化粧水OEMの商品企画・開発時のポイント
3-1.化粧水の役割や種類を理解して進める
3-2.化粧水のテクスチャーをイメージする
4.化粧水OEMの商品企画・開発事例
4-1.事例①:「水」に特徴をもたせる
4-2.事例②:「薬用アイテム」として開発
4-3.事例③:「ミスト状」の化粧水
4-4.事例④:見た目がユニークな「映える」化粧水
5.化粧水OEMの費用
6.まとめ

OEMで化粧水を製造するメリット/デメリット

化粧水製造をOEM企業に委託するメリット

自社製造ではなく、OEMメーカーに化粧水製造を委託するメリットとして、以下の3点があります。

メリット①:初期投資・許認可申請が不要
メリット②:小ロットから始められる 
メリット③:「売り」に集中できる

化粧水に限らず、化粧品・コスメにおいてOEMメーカーに依頼する場合は同様のメリットを享受できます。それぞれのメリットの詳細は以下の関連記事をご覧ください。

>関連記事:化粧品・コスメOEMとは?~ODMとの違い・工程と期間・依頼時のコツ

化粧水製造をOEM企業に委託するデメリット

デメリットとして、OEM企業は「お客様のオーダー(仕様)に従い、商品の製造を行うこと」が主のため、商品企画・設計はお客様ご自身で行うことになります。本記事では、その商品企画におけるポイントを後述します。
そのほかのデメリットについては、以下の関連記事も合わせてご覧ください。

>関連記事:化粧品・コスメOEMとODMの違い~メリットとデメリット・選び方とは?

無料OEM 商品企画~製造の流れガイド~【化粧品編】

化粧水OEMにおける全体の流れ

化粧水をOEMで製造して販売することになった場合、全体の流れは以下のようになります。なお、化粧水の処方や容器、包装仕様などによって詳細は異なりますが、これらの工程にかかるおおよその期間目安として、通常の化粧水であれば6か月程度、医薬部外品であれば最短8か月かかります。

工程①:商品企画・OEM先選定
工程②:容器選定、バルク試作
工程③:各種試験・調査
工程④:パッケージデザイン検討
工程⑤:薬事申請
工程⑥:製造
工程⑦:発売

メリット同様、化粧品・コスメ開発の流れと基本的には同じであり、各工程の詳細については以下の関連記事をご覧ください。

>関連記事:化粧品・コスメOEMとは?~ODMとの違い・工程と期間・依頼時のコツ

化粧水OEMの商品企画・開発時のポイント

上述した通り、化粧水OEMにおいて商品設計は自社で行う必要がありますが、企画・開発時に以下のようなポイントを押さえると、円滑に進むようになります。

化粧水の役割や種類を理解して進める

オリジナル化粧水を製造する基礎中の基礎として、役割や種類を把握したうえで商品設計を進めましょう。
化粧水の役割は、水分を与え、うるおいのある肌にすることです。特徴別に細分化すると、下記の3タイプに分けられます。

・保湿化粧水
一般に化粧水と呼ばれ、商品分類別構成比で9割を占めるメジャーなタイプです。保湿成分を配合し、角質層にうるおいを与え、肌を柔らかく保ちます。

・収れん化粧水
毛穴の引き締め作用や皮脂分泌抑制作用を持つ化粧水です。アルコールを配合している場合が多く、すっきりとした使用感で脂性肌やTゾーンのみの使用がおすすめです。

・ふきとり化粧水
余分な角質や簡単なメイク、クレンジングで残った余分な油分のふき取りができる化粧水です。コットンにつけて使用します。洗い流す必要がなく、すっきり感を得られ、ごわつきやざらつきに効果的です。

「収れん化粧水」や「ふきとり化粧水」は、続くマスク生活の角質・毛穴・ニキビ対策アイテムとして話題になったように、消費者の利用シーンも想像しながら化粧水のタイプを決めていきましょう。

化粧水のテクスチャーをイメージする

化粧水のテクスチャーも商品企画・開発時に検討するとよいでしょう。テクスチャーがイメージできたら、その希望をOEMメーカーへお伝えください。

テクスチャーには大まかに、

・粘度(とろみ)
・見た目(透明〜白濁)
・塗布後の後肌(さっぱり〜しっとり)
・浸透力(ゆっくり〜はやい)

といった項目があります。

まったくイメージがない場合は、ターゲットやイメージしている商品をOEMメーカーに伝えると、近い処方を提案してもらえますので、ご相談ください。

化粧水の主成分は水系の成分です。そのため、保湿効果を与えたり使用感を良くするエモリエント剤(オイル)の配合が難しく、おりや沈殿が発生しやすいため、安定性を注視しながら処方検討を行う必要があります。

とろみタイプは塗布時のしっとり感を感じやすく、高保湿・敏感肌向けを訴求する商品が目立ちます。
一方、さらさらタイプは肌なじみの良さを感じられることからメンズ向けが多く見受けられます。

見た目が特徴的な白濁タイプはオイルを高配合し、エマルジョン化(乳化)していることから肌の表面に膜をはり、水分を保持するエモリエント力が期待でき、塗布後のもっちりとしたハリ感を感じられます。

ターゲット層に合わせたテクスチャーの検討を行うとよいでしょう。

無料OEM 商品企画~製造の流れガイド~【化粧品編】

化粧水OEMの商品企画・開発事例

事例①:「水」に特徴をもたせる

化粧水の主成分である水を「温泉水」「果実水」などに置き換えることで、特別感を演出することができます。

また、サステナブルな取り組みの一つである水資源の保護*2という観点でも、植物や果物からエキスを抽出する際の副産物である「果実水」「コラーゲン水」「シルク水」を利用した化粧水が発売されています。

精油を製造する際の蒸留水を利用した「芳香蒸留水」も水の代替が可能な化粧品原料の一つです。化粧水の開発で界面活性剤フリーかつ香料の香りを感じさせたい場合に利用されています。芳香蒸留水を利用する場合は、水すべてを置き換えることはできないため、注意が必要です。

いずれの場合も、水の代わりにエキスを配合することとなるため、開発する際に、コスト含めて実現可能か確認し、進めることが大切です。

事例②:「薬用アイテム」として開発

機能性の高さをアピールしやすく、注目のカテゴリです。

いわゆる「薬用化粧品」「医薬部外品」とも呼ばれ、シワ改善、メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ、抗炎症(肌あれ、ニキビを防ぐ)といった訴求が選択する有効成分によって、定められています。ターゲットや訴求したい内容を伝えると、OEMメーカーから提案を受けられるでしょう。

事例③:「ミスト状」の化粧水

エアゾール容器やミストスプレー容器にはいっており、霧のように細かい粒子が肌の上に均一に広がるアイテムです。メイクの上からも使える化粧水やメイク崩れを防ぐフィックスミスト、肌に触れる負担を最小限にした敏感肌向けローションとして発売されています。

容器との相性も大切になるため、バルクと容器をセットで検討することが大切です。

事例④:見た目がユニークな「映える」化粧水

SNSでコスメを検索することが当たり前になった今、見た目がユニークな「映える」アイテムは消費者の目を引きます。

肌の上に乗せると崩れる崩壊性カプセルを配合した化粧水や、水と油に分かれており、使う前に振って使う二層式ローションがあげられます。カラフルなカプセルや使う瞬間に混ぜるひと手間が、使用時のワクワク感を生み出せます。

カプセルの中には機能性成分を配合しているものもあり、見た目だけでなく、スキンケア効果もあります。ただし、カプセルを配合することで、テクスチャーに制限が発生する場合もあり、OEMメーカーと相談しながら進めることが大切です。

化粧水OEMの費用

化粧水OEMのメリットとして「初期投資が不要」と上述しているように、費用は気になるところでしょう。しかし、コストについてはさまざまな要因により変動するため、なかなか一概には言えません。まずは基本的な考え方、大きな変動要因について理解することから始めましょう。

化粧水のOEM・製造に関わるコストには、大まかに以下の項目があります。

  • 商品企画
  • バルク(中身)の開発(試作/検査)
  • バルク(中身)の製造(量産)
  • 容器(調達/材質選定)
  • パッケージ(デザイン、加工費※)※デザインを印刷する刷り版や化粧箱・内箱をカットする型代
  • 包装
  • 運送

これ以外に、通常の「化粧水」か「医薬部外品」かによっても変動し、生産ロットも費用算出に大きく関わってきます。

費用内訳や変動要因の詳細については、以下の記事で解説していますので、こちらをご覧ください。

>関連記事:化粧品・コスメOEMとは?~ODMとの違い・工程と期間・依頼時のコツ

無料OEM 商品企画~製造の流れガイド~【化粧品編】

まとめ

いかがでしょうか。今回はスキンケアアイテムの主力商品である化粧水をOEMで製造する場合について取り上げ、メリット/デメリット、全体の流れ、企画・開発時のポイント、費用などをご紹介しました。化粧品・コスメ全般のOEM製造と基本的には同じですが、製造したい化粧水の特徴・種類によって企画やスケジュール、費用などが変動します。

東洋新薬では、数多くの化粧水商品のOEM開発・製造実績があります。上記の点でお悩みがある場合や「売れる」化粧水のOEM商品企画をご検討の際は、ぜひお気軽にお声がけください。

参考:
*1 富士経済 化粧品マーケティング要覧 2022
*2 水の国際行動の10年 – 2018-2028 世界的な水危機を回避するために

>関連情報:化粧品OEMサービス

無料OEM 商品企画~製造の流れガイド~【化粧品編】

医薬部外品の商品開発を例に、化粧品・コスメのOEM製造の流れをまとめた資料です。お客様側とOEM側のそれぞれの対応や注意点などをご紹介します。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2023年1月20日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2022年8月31日時点、自社調べ)

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