「美白」化粧品・コスメOEM商品開発・成功のヒント

  • 2025.09.19
美白化粧品のイメージ画像

美しい肌を求める消費者ニーズが高まる中、美白化粧品市場は年々拡大を続けています。しかし、商品開発において「どの美白成分を選べば効果的なのか」「OEM商品開発で差別化するポイントは何か」などの疑問をお持ちではないでしょうか?

そこで本記事では、化粧品・コスメの商品開発ご担当者に向けて、シミやそばかすを防ぐ有効成分の選定から、医薬部外品としての美白アイテム開発、さらにはOEM製造の具体的プロセスまで、成功のヒントを詳しくご紹介します。

自社ブランドで魅力的な美白化粧品OEM開発をしたいとお考えの方、必見の内容です。

目次
1.美白化粧品市場の最新動向と消費者ニーズ
1-1.美白化粧品の市場規模推移と成長予測
1-2.年代別に見る美白ニーズの変化とトレンド
1-3.グローバル市場における日本の美白化粧品技術の位置づけ
2.美白有効成分の選定と最適配合のポイント
2-1.医薬部外品承認の美白有効成分の特徴と作用機序
2-2.トラネキサム酸とナイアシンアミドの効果比較と相乗効果
3.化粧品OEMによる美白化粧品開発成功のポイント
3-1.美白化粧品OEM開発の全体プロセスと必要期間
3-2.医薬部外品申請の具体的手順と承認取得のコツ
3-3.美白製品の品質評価と有効性試験の重要ポイント
3-4.OEM製造における課題解決とスケジュール管理術
4.成功事例に学ぶ美白製品の差別化とコスト最適化戦略
4-1.市場で成功した美白製品の例と成功要因分析
4-2.美白効果の訴求ポイントと表現方法
5.まとめ

美白化粧品市場の最新動向と消費者ニーズ

美白化粧品の市場規模推移と成長予測

美白化粧品のOEM開発において市場動向の理解は、効果的な製品戦略を立てる上で非常に重要です。

美白化粧品市場は、2015年以降、国内景気の回復やインバウンド需要の高まりにより順調に拡大してきました。コロナ禍で一時落ち込んだものの、コロナ明けの外出増加やレジャーに伴うニーズ回復が本格化したことにより回復。

2023年の市場は前年比5.9%増の2,696億円となり、2024年は2023年比5.0%増の2,831億円と、美白化粧品市場は確実に成長しています。

今後は、国内需要の回復とインバウンド需要で緩やかな増加が見込まれています。

年代別に見る美白ニーズの変化とトレンド

美白ケアに対するニーズは、年代によって大きく異なります。

  • 10代後半~20代: 予防を重視し、また「プチプラ」で手軽に始められる製品を好む傾向があります。SNS、特にInstagramからの情報収集が特徴的で、コスパの良さを重視します。
  • 30代: 肌のターンオーバーが遅くなって肌悩みが本格化するので、シミ予防だけでなく、すでに生じた色素沈着への対応を求めるようになります。
  • 40代: 肌の美白に悩む人の割合は20代の2倍以上に増えます。肌の水分量低下が気になる方も増えるため、保湿との両立を重視し、より本格的な美白ケア製品への関心が高まります。
  • 50代以上: 人口構成を見ても美白市場のボリュームゾーンであり、また効果実感や安全性も重視する層でもあることから、高機能かつ信頼性の高い医薬部外品への支持が強くなります。

美白化粧品OEM開発においては、これらの年代別ニーズを踏まえた製品設計が成功の鍵となるでしょう。

年代 主な特徴 重視ポイント 主な情報収集
10代後半〜20代 予防重視 手頃な価格・コスパ SNS(Instagram)
30代 色素沈着への対応 効果の実感 口コミ・レビュー
40代 保湿との両立 複合的な効果 雑誌・専門サイト
50代以上 ボリュームゾーン 高機能かつ信頼性 店頭・カウンセリング

グローバル市場における日本の美白化粧品技術の位置づけ

日本の美白化粧品に関する技術は、グローバル市場において高い評価を得ています。

特にアジア太平洋地域では日本の美白製品が市場をリードしており、その高品質な製品と独自技術が競争優位性を確立しています。

代表的な有効成分であるアルブチンやトラネキサム酸、ナイアシンアミドなどは、日本の薬事制度によって効果と安全性が認証されており、日本独自の医薬部外品として信頼性を支えています。これにより日本の美白化粧品は、アジア諸国はもちろん、欧米でも「確かな効果」「低刺激」「継続使用による肌変化」を求める消費者から高い支持を獲得しています。

また、技術力の評価は海外企業による買収事例にも表れています。P&G傘下のSK-Ⅱや、ロレアルによるタカミの買収など、日本発ブランドの技術をグローバル展開に取り込む動きが加速。これらは、日本の美白化粧品がメラトニンアプローチだけでなく、肌全体の透明感・なめらかさ・均一性を追求する技術として評価されていることを物語っています。

美白有効成分の選定と最適配合のポイント

医薬部外品承認の美白有効成分の特徴と作用機序

美白有効成分は、主にメラニンの生成を抑制し、しみ・そばかすを防ぎます。
その作用機序は成分ごとに異なっていますので、具体的な成分を下記に示します。

  • ビタミンC誘導体やアルブチン、コウジ酸、エラグ酸: チロシナーゼ活性を抑制する。
  • トラネキサム酸: 紫外線などの外部刺激によって生じるプラスミンの活性を阻害し、色素沈着を防ぐ。
  • アデノシン一リン酸二ナトリウム(AMP): 表皮ターンオーバーを促進する。
  • ナイアシンアミド: メラノソーム輸送を抑制する。

美白化粧品OEM開発では、これら有効成分の特徴を理解し、商品コンセプトを検討していく必要があります。

トラネキサム酸とナイアシンアミドの効果比較と相乗効果

トラネキサム酸とナイアシンアミドは、美白化粧品OEM開発において人気の有効成分の二つです。

トラネキサム酸はプラスミンの活性を抑え、メラニン生成を促す因子の発生を防ぎます。特に紫外線による色素沈着や肝斑に高い効果を示します。

一方、ナイアシンアミドは、メラニンが角質細胞へ引き渡されるメラノソーム輸送を阻害することで、シミを防ぎます。

2つの成分の最大の特徴は、作用機序が異なる点です。この特性を活かして、美白化粧品OEM開発において併用することで、メラニン生成の複数経路を同時に抑制する相乗効果が期待できます。

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化粧品OEMによる美白化粧品開発成功のポイント

成功、ポイントのイメージ画像

美白化粧品OEM開発の全体プロセスと必要期間

美白化粧品OEM開発は、企画立案から製品化まで通常1年程度の期間を要します。化粧品OEMメーカーへの発注から納品までだけでも約4ヶ月必要となります。

  • 開発プロセス: まず商品企画からスタートし、製品コンセプトやターゲット層、機能性などをOEMメーカーと綿密に打ち合わせます。OEMメーカーが決まっていなければ探す工程も必要となりますし、複数OEMメーカーによるコンペとなると、さらに期間が必要です。
  • 処方開発段階: 配合成分の選定や試作品の作成、使用感テスト、安定性試験を実施。その後、見積・発注へと進みます。美白化粧品は医薬部外品として申請する必要があり、承認まで6ヶ月程度かかることもあります。ただし、化粧品OEMメーカーが既存の承認済み処方を持っており、それを活用することができれば、大幅に短縮が可能です。
  • 製造準備: OEMメーカーが容器や原料の調達、製造ラインの確保を行います。
  • 製造工程: バルク製造、充填、包装という流れで進行します。
  • 最終工程: 厳密な品質検査を経て出荷・納品となります。

いずれの工程においても、OEMメーカーとの連携が重要です。

医薬部外品申請の具体的手順と承認取得のコツ

美白化粧品OEM開発で上市をスムーズに行うためには、医薬部外品申請の効率的な手続きが必要です。申請には「製造販売承認申請書」を筆頭に、成分規格、安定性試験データ、製造方法など複数の書類が必要となり、専門的な知識が必要です。

美白化粧品OEM商品開発では、このような申請手続きの知識と経験が、市場投入までの時間短縮と開発リスク低減に直結するため、委託するOEMメーカー選定が重要になってきます。

東洋新薬では医薬部外品承認数4年連続業界No.1の実績に加え、日本初の4種有効成分配合の医薬部外品承認取得の実績などノウハウ・経験を活かし、スムーズな承認取得をサポートしています。

美白製品の品質評価と有効性試験の重要ポイント

美白化粧品OEM開発では、有効性だけでなく、安全性と品質について客観的に評価することが求められます。

  • 安全性評価: パッチテストが必須です。製剤で皮膚刺激が起きないことを確認します。
  • 品質評価: 製品の経時安定性試験も欠かすことができません。有効成分の分解や変色がないかを、長期保存試験、加速試験、苛酷試験を実施して検証します。
  • 有効性試験: メラニン生成抑制試験や色素沈着改善効果の測定が基本となります。特に皮膚色測定器を用いた数値評価や、VISIAなどのデジタル画像解析による「before/after」の視覚的評価が重要です。

試験結果は製品開発にフィードバックし、配合濃度や処方の最適化に活用します。

OEM製造における課題解決とスケジュール管理術

美白化粧品OEM開発では、開発過程で生じる課題への迅速な対応とスケジュール管理がポイントとなります。

よくある課題として、開発段階における試作品の色味や香り、使用感のバラツキ・改良点がうまく伝わらないことなどがあげられます。これらを未然に防ぐには、綿密な仕様確認、評価項目評価方法や基準のできるだけ定量的な表現をブランドオーナーとOEMメーカーの間で合意しておくことが効果的です。

製造スケジュールの管理では、全工程を可視化して、発注者とOEMメーカー間で共有することが必須です。特に、医薬部外品申請が必要な美白製品では、承認取得に要する期間は余裕をもって設定することが重要です。定期的な進捗確認ミーティングを設け、問題発生時には速やかに対応を検討する体制を整えましょう。

最短期間での美白製品開発を実現するコツは、OEMメーカーとの密なコミュニケーションと、既存の承認済み処方の活用です。

成功事例に学ぶ美白製品の差別化とコスト最適化戦略

市場で成功した美白製品の例と成功要因分析

市場で成功を収めた美白化粧品をいくつか挙げてみます。独自の美白有効成分は、開発に莫大な時間と費用がかかりますので、なかなか難しい側面はあります。成功したといわれる美白製品は、いずれもさまざまなマーケティング上の工夫をしているといえます。

  • HAKU(資生堂): 資生堂独自の新しい美白有効成分「4MSK」を配合した医薬部外品。
  • 雪肌精(コーセー): コーセーが独自に開発した甘草由来の美白有効成分「グリチルレチン酸ステアリルSW」を配合。厚生労働省から「美白」および「肌あれ・あれ性」の効能について日本で初めて承認を取得した新しい医薬部外品成分。
  • メラノCC(ロート製薬): メーカー独自の有効成分ではないが、マス広告ではなく、インフルエンサーやユーザーの口コミで成功。
  • クラリフィック ブライトニング セラム(ランコム): 6つの承認効能をもつ医薬部外品。ウォーターピーリング発想をスキンケアに応用した “ピーリング×美白”の融合型アプローチが斬新。
    • ターゲット層に合わせた美白だけにとどまらない訴求も、実は成功に大きく影響しています。

      雪肌精やクラリフィック ブライトニング セラムは良い例といえます。自社のターゲットが若年層なのか、年配層なのかなどもよく考えて、美白という訴求だけでなく、「美白×○○」という訴求などをよく検討する必要があります。

      ユーザーニーズに応える製品設計をしっかり行うことで、顧客満足度向上につながりリピート購入が増えます。

美白効果の訴求ポイントと表現方法

医薬部外品の美白化粧品に関する広告表現は、薬機法に基づいて厳しく規制されています。
以下に、広告で使える表現・使えない表現をわかりやすく整理しました。

認められる広告表現(医薬部外品)

表現例 条件・補足
「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」 厚生労働省が承認した効能効果。美白の基本表現。
「美白」と記載し、*にしばり表現を併記 例:「美白 *メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」

認められない広告表現

NG表現 理由
「肌が白くなる」 肌本来の色が変化する治療的表現はNG。
「シミが消える」「そばかすがなくなる」 既にできた色素沈着の除去は医薬品レベルの表現。
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まとめ

いかがでしょうか。今回は、自社ブランドで魅力的な美白化粧品OEM開発をしたいとお考えの方向けに、シミやそばかすを防ぐ有効成分の選定から、医薬部外品としての美白アイテム開発、さらにはOEM製造の具体的プロセスまで、成功のためのヒントを詳しくご紹介しました。

東洋新薬は、化粧品の商品企画から開発、製造、そして広告表現・表示に関するサポートまで、お客様のビジネスをトータルにサポートします。専門知識豊富なスタッフが、最新の法規制に基づいた適切なアドバイスを行い、お客様のOEM/ODM商品開発を成功に導きます。

美白化粧品のOEM/ODM商品開発をご検討中のブランドオーナー様、商品開発ご担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください

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東洋新薬では化粧品の医薬部外品OEMに対応しています。
この資料では当社で対応可能な有効成分や開発期間など医薬部外品に強い理由をご紹介しています。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2024年8月15日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2024年5月31日時点、自社調べ)

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