UV耐水性とは?知っておきたい化粧品の広告表現

  • 2025.06.04

商品パッケージなどで、SPF/PA表記と並んで「UV耐水性★★」といった表記を目にすることは増えていませんか?この表示は、2022年12月から始まった紫外線防止効果の耐水性に関する業界団体の自主基準によるものです。

今回は、化粧品・コスメの効果的な広告表現と、特に販促広告で注意したい「ウォータープルーフ」表現を含めた日焼け止めにかかわる表記について、最新情報を交えて解説します。

目次
1.ウォータープルーフの表現に関する業界団体の自主基準とは?
2.日焼け止めに関する表示の基本 ― 紫外線防止効果、UV耐水性とは?
2-1.UV耐水性
2-2.SPF
2-3.PA
3.UV耐水性とは、どんな試験?
4.UV耐水性を表示する際の注意点
5.UV耐水性試験で「汗に強い」は訴求できる?
6.メイク持ちの良さとUV耐水性基準の関係
7.まとめ

ウォータープルーフの表現に関する業界団体の自主基準とは?

2022年11月末まで、「ウォータープルーフ」「汗・水に強い」「海やレジャーにも安心」などの水に対する強さに関する表現は、各社の基準に委ねられていました。しかし、消費者の目線に立つと、パッケージや広告に書かれている内容では商品比較が難しいことが課題でした。そこで2022年12月1日、業界団体によって日焼け止めを含む紫外線防止効果に関する耐水性測定法に基準が策定されました。

紫外線防止効果の耐水性に関する業界団体の自主基準を一言でお伝えすると、「外側からの水に対して、SPF機能をどれだけ保持できるのかを示す指標」であり、UV耐水性★または★★(☆または☆☆)で表されます。

この基準は、2022年12月から2024年11月末までは経過措置期間として自社基準・新基準の両方の商品が市場に出ている状況でしたが、2024年12月1日からは新基準に完全移行となりました。

業界団体の自主基準移行

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日焼け止めに関する表示の基本 ― 紫外線防止効果、UV耐水性とは?

日焼け止め商品特有の表記は、それぞれ国際規格に沿った測定方法で試験を実施し、表示内容が決まります。ただし、表示の方法は発売国によって異なります。

また、UV耐水性・PA値は単独での表示は認められておらず、SPF値とセットで表記する必要があります。

UV耐水性

1つ目は、新たに加わった紫外線防止効果に関する耐水性を示すUV耐水性。
測定法:国際規格ISO18861
表記:UV耐水性★または★★(☆または☆☆)

UV耐水性は、外側からの水に対して、SPF機能をどれだけ保持できるのかを示す指標です。★の数が多いほど、紫外線に対する耐水性が高いことを意味します。

SPF

次に、主に表皮に作用し、肌に赤く炎症を起こすUVB波の防止効果を示すSPF(Sun Protection Factor)。
測定法:国際規格ISO24444
表記:SPF1~50の整数(日本では、50+が最高値)

SPFは、紫外線B波(UVB)から肌を守る効果を示す数値です。数値が大きいほど、紫外線防御効果またはUVB防御効果が高いことを意味します。

PA

最後に、肌の奥深く真皮まで浸透し、肌を黒くしたり、光老化を促すUVA波の防止効果を示すPA(Protection grade of UVA)。
測定法:国際規格ISO24442
表記:PA+~++++までの4段階表記(日本では、プラスの数で分類)

PAは、紫外線A波(UVA)から肌を守る効果を示す指標です。+の数が多いほど、UVA防御効果が高いことを意味します。

パッケージ記載イメージ

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UV耐水性とは、どんな試験?

UV耐水性試験は、ヒトの背中に試験体を塗布し、一定時間水浴処理を行い、SPF値の変化を測定し、SPFの保持率を算出します。

☆(★)の数は、水浴時間の条件により異なりますが、☆☆のほうが、より高い耐水性をもつことを示しています。もし、これからSPF測定を行う商品であれば、SPF測定とUV耐水性は同時に試験することも可能です。

UV耐水性を表示する際の注意点

UV耐水性を表示する際の注意点

試験実施後、UV耐水性を広告・パッケージで表記する際は、以下の点に注意しましょう。

  • UV耐水性の表記を行う場合、SPF値との併記が必要です(パッケージ記載イメージ参照)。
  • 試験を行うと、水浴前後のSPF値がそれぞれ結果として得られますが、「水浴前」のみ表示を行ってください。水浴後(耐水性試験後)のSPF値の表示は認められていません。
  • 「ウォータープルーフ」「水に強い」という表現はUV耐水性の表示をした上で、他の場所に追加で記載することができます。言い方を変えれば、「ウォータープルーフ」を標ぼうしたい場合は、「UV耐水性」の表示が必要です。
  • 水浴条件により「UV耐水性★」「UV耐水性★★」の2段階の表示があるため、「UV耐水性★」の表示の場合、「スーパーウォータープルーフ」と表現するのは、不適切とされています。
  • ファンデーションやBBクリームといったメイクアップ商品であっても、紫外線防御効果(SPF値)を表記している商品は、今回の紫外線防止効果に関する耐水性基準の対象となります。
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UV耐水性試験で「汗に強い」は訴求できる?

結論からお伝えすると、訴求できません。汗は皮膚の内側から出てくるものですが、今回の基準は皮膚の外側からの水に対して耐久性を評価しているからです。
そのため、UV耐水性試験の結果は「汗に強い」という訴求には使用できません。汗に対する耐性を訴求する場合は、別途試験を行う必要があります。

メイク持ちの良さとUV耐水性基準の関係

化粧持ちの良さ(崩れないこと)はUV耐水性の業界団体が定めた基準の対象外です。
そのためこれまで通り、各社基準で表現することができます。

ただし、SPF機能を持つ商品で化粧持ちのよさをPRする場合は、「紫外線防止効果の耐水性」と誤認される表記は避けるよう注意をする必要があります。

新基準は、紫外線防止効果(SPF値)に関するものに限定されているので、混同しないよう、ご注意ください。

たとえば、UVカット効果のあるファンデーションで「ウォータープルーフ」と表現したい場合、「メイク崩れを防ぐウォータープルーフ処方」など化粧持ちのよさであることが消費者に伝わるようにするようにしましょう。

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まとめ

いかがでしょうか。今回の記事では、UV耐水性に関する業界団体の自主基準を中心に、日焼け止め製品の表示について解説しました。

今回の自主基準は法的な拘束力はないにせよ、消費者が適切な商品選択ができるよう、定められた基準です。消費者に誤認を与えないよう、新基準のポイントを抑えた適切な表現をご検討ください。

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参考:
日本化粧品工業連合会 紫外線防止効果に対する耐水性測定法基準の制定について
https://www.jcia.org/user/common/download/business/guideline/taisui/taisui-enactment-20211015.pdf
https://www.jcia.org/user/public/uv/

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2024年8月15日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2024年5月31日時点、自社調べ)

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