化粧品の商品リニューアルで起きる「困りごと」とは?回避策を解説

  • 2023.09.11
化粧品 リニューアル

長く消費者に愛される化粧品のロングセラー商品。それでも時折、ラインナップのマンネリを防ぐ目的で、リニューアルが実施されます。新鮮な見え方にすることで商品がより魅力的に映り、新たな顧客獲得効果が期待されます。

化粧品のリニューアル周期は、一般的にはおよそ発売から2〜3年ごとで、リニューアル対象は容器やデザインだけでなく、処方などバルク(中身)に及ぶこともあります。

そんな商品リニューアル、ポジティブな影響はよく耳にしますが、ネガティブなできごとはあまり聞こえてきません。しかし実態は、うまくいくことばかりではないのです。そこで今回は「リニューアルによって起こった困りごと」をご紹介し、その回避策を見ていきましょう。

目次
1.化粧品リニューアルでよく起こる「困りごと」事例
1-1.パッケージ関連
1-2.バルク関連
1-3.販売関連
1-4.その他の困りごと
2.化粧品リニューアルで気を付けるべきこと
3.まとめ

化粧品リニューアルでよく起こる「困りごと」事例

「より良い商品を」との思いで実施したにも関わらず、リニューアルが原因で思わぬトラブルにつながることは少なくありません。化粧品リニューアルにおいて、具体的にどのような困りごとがあるのか、カテゴリ別に見ていきましょう。

パッケージ関連

・対象顧客層の若返りを狙ってパッケージを若者向けに変更したところ、これまで愛用してくれた超優良顧客が離反してしまった。
・リニューアルを機におしゃれなパッケージに変更。文字色を薄く小さくしたため、シニア層から「読めない」とのクレームが相次いだ。
・ エコの観点からジャー容器を軽量化したところ、「内容量が減った」とのクレームが続いた。
・バルクの品質強化を行ったのに、容器およびパッケージを変更しなかったため、顧客へ浸透しなかった。

バルク関連

・ テクスチャーを大きく変更した結果、顧客が減ってしまった。
・ 医薬部外品にリニューアル。キー成分が配合できなくなり、商品の訴求力が弱くなってしまった。
・中身にさほど変更を加えていないにも関わらず、肌トラブルのクレームが相次いだ。
・リニューアルのポイントが技術的過ぎて、「結局何が変わったの?」と顧客に上手く伝わらなかった。

販売関連

・従来商品の終売とリニューアルのタイミングがうまく噛み合わず、「品切れ中」期間が発生してしまった。
・終売品を破格の安値でセールしたところ、リニューアル新商品の初速販売に悪影響が出てしまった。
・美容液を乳液に近い高保湿テクスチャーに変更した結果、ラインナップのクリーム商品の売上が減少してしまった。

その他の困りごと

  • 毎年のように化粧品リニューアルを実施していたら、常連顧客から「そんなにコロコロ変えないでくれ」と指摘された。
  • 当時の開発スタッフが退職してしまい、リニューアル時に何を残し、何を変えるべきなのかがわからず困った。
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化粧品リニューアルで気を付けるべきこと

このように、化粧品リニューアルによって、既存の愛用者から反発を受ける、離反が起きることは珍しくありません。その声が一部であり、それよりも新たな顧客獲得につながるのであれば多少は仕方がありませんが、本来の商品の良さが失われてしまい、「これならリニューアル前の方がよかったのに」との声が高まってしまうと、本末転倒です。

ここで注意すべきは、「何のためにリニューアルするのか?」という本質的な考え方です。「もう発売して期間も経つことだし、そろそろ・・・」といった曖昧な動機で、「リニューアルありき」で実施するのはリスクを伴います。

リニューアルの本来あるべき姿は、「市場(消費者)のニーズを見極め、長所を伸ばし(弱点を補強し)てよりよい商品にすることで、さらに多くの方に愛される商品にする」ことです。

つまり、化粧品リニューアルにおいては、対象商品のバルクおよびパッケージの見直しだけでなく、自社のラインナップ商材との兼ね合いなど販売戦略も含めて、慎重に検討、計画する必要があります。

まとめ

いかがでしょうか。化粧品リニューアルによって、ポジティブな影響があるばかりではなく、今回ご紹介したような困りごとが発生してしまうこともあるでしょう。仮に既存の愛用者から反発を受けることがあっても、リニューアルを行う目的が明確であれば、リニューアルの意義があるといえます。曖昧な目的や動機でのリニューアルは避けるようにしましょう。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2024年8月15日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2024年5月31日時点、自社調べ)

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