睡眠改善サプリOEMのヒント集。市場トレンドから紐解いて解説
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- 2023.01.19
睡眠改善サプリメントのOEMにおけるヒントをご紹介していきます。ストレス・睡眠市場の歴史を振り返り、商品開発において何がポイントになるのかを、覗いていきましょう。
- 目次
- 1.ストレス・睡眠市場の歴史
- 1-1.市場全体の傾向
- 1-2.企業の取り組み
- 2.ストレス・睡眠市場の今後
- 2-1.ストレス・睡眠市場全体
- 2-2.ストレス・睡眠市場の食品分野
- 3.ストレス・睡眠市場向け商品開発のポイント
- 3-1.「スリープテック」の活用
- 3-2.「切磋琢磨」する市場をつくる
- 3-3.「サプリメント市場」の知見を活用する
- 4.睡眠改善サプリOEMでのポイント~キーワード
- 4-1.「体感性」
- 4-2.「機能性表示食品」の活用
- 5.睡眠改善サプリOEMでのポイント~原料
- 5-1.ロズマリン酸
- 5-2.サフラン
- 5-3.ラフマ
- 6.まとめ
ストレス・睡眠市場の歴史
睡眠改善サプリメントのOEMを検討されている場合、まずはストレス・睡眠市場の歴史を紐解きながら、今後のヒントとなる消費者が求めていることを考えていきましょう。
市場全体の傾向
10年前の2013年には10億円程度だったストレス・睡眠の食品市場は、2020年には15倍にまで拡大しており、食品分野にとどまらず、今なお非常に勢いがあります。
元々、ストレス・睡眠市場は枕や布団などの寝具が中心でした。食品分野については、1998年にハーブ類の規制が緩和され、主に「セントジョーンズワート」や「バレリアン」といったハーブ主体で形成されました。しかし、セントジョーンズワートは抗うつ剤の薬物代謝に影響し、抗うつ剤が効きにくくなるという作用によって、薬を服用されている方への配慮が必要となり、市場が停滞することになります。
しかし、2015年4月に機能性表示食品制度がスタートすると、“ストレスの緩和”、“睡眠の質向上”などの明確な機能を表示できるようになり、市場が再び活性化。2016年は前年対比170%となるなど、大きく伸長しました。
また、厚生労働省が2016年4月に「ストレスチェック制度の施行を踏まえた当面のメンタルヘルス対策の推進について」を通達するなど、各企業へ従業員に対するストレスチェックを義務付けたメンタルヘルス対策を推進するようになり、働く私たちにも身近なものとなってきています。
加えて、2017年に「睡眠負債」がユーキャン新語・流行語大賞のトップ10に選ばれ、ストレス・睡眠改善が社会に浸透したことを示す事例となっています。
企業の取り組み
機能性表示食品制度の開始を契機に、味の素株式会社は市場における存在感をさらに高めました。同社の「グリナ」に配合されるアミノ酸・グリシンをはじめ、GABAやテアニンなどのハーブ以外のアミノ酸商品が注目されたのです。これらの商品は機能性表示食品制度以前から存在していましたが、より明確な機能が訴求できるようになったことが要因です。
また、同時期に株式会社ヤクルトも「Yakult(ヤクルト)1000」に代表される飲料など食品形態の商品がブレイクし、その結果、2022年には「Yakult(ヤクルト)1000」がユーキャン新語・流行語トップ10に選ばれるほどになっています。
飲料など食品タイプの健康食品は、顆粒・サプリメントなどの伸長から少し遅れて成長する傾向にありますが、新型コロナの感染拡大を背景としたストレス、睡眠に悩みを持つ消費者が増加するなど、社会背景とあいまって各社のプロモーション活動が功を奏したと言えるでしょう。
ストレス・睡眠市場の今後
ストレス・睡眠市場全体
では、ストレス・睡眠市場は今後どうなるのでしょう。とても気になるところだと思います。
食品や寝具などを含めたストレス・睡眠市場全体で考えると、拡大することは間違いないでしょう。例えば睡眠アプリなどのスリープテック市場は、世界的に見て今後10年以内に2倍以上に成長すると予想されています。
OECD(経済協力開発機構)の2021年版調査によれば、日本人の平均睡眠時間は7時間22分と算出され、加盟国30カ国のうち最下位を記録しており、この傾向は数年前から続いています。そのため、「睡眠時間の確保」は日本社会でも大きなテーマとなっています。
ストレス・睡眠市場の食品分野
食品業界はどうでしょう?上記のような背景や社会的情勢を見ても、今後も成長するという考えが一般的です。
ある調査会社の調べによれば、ストレスや睡眠に及ぼす機能を訴求するようなサプリメントの国内市場規模は、2022年に前年比24%超の伸び、164億円が見込まれています。
ストレス・睡眠市場向け商品開発のポイント
それではここからは、ストレス・睡眠市場向け商品開発におけるポイントを、注目のキーワードと共に、見ていきましょう。
「スリープテック」の活用
そもそも「スリープテック」とは、広義では睡眠をサポートするための技術や製品全般を指し、特にITやAIの技術を用いた科学的な分析によって睡眠改善することが代表例になります。
上述したように、このスリープテック市場は今後10年以内に2倍以上の成長が予想されており、ストレス・睡眠市場での展開を考えるうえで無視できない要素となります。また、さらなる多様化も予想され、コミュニケーションツールとしても使えるスリープテックには、ビジネスの機会が転がっています。
このような拡大と多様化が期待されるスリープテックをプロモーションにうまく活用することで、差別化の一つとなりえるでしょう。
「切磋琢磨」する市場をつくる
市場を拡大させるには、1つの商品が独占状況をつくるより、いくつかの商品が互いに競争しあうことが欠かせません。現在、睡眠商品といえば、サプリメントや飲料ではそれぞれ前述した商品が代表的ですが、日本の睡眠負債を解決するためにも皆さんで次なる商品を創り出し、市場を活性化していきましょう。
「サプリメント市場」の知見を活用する
前述の通り、サプリメントの市場は食品や飲料市場に先だって成長します。これは、サプリメントは通販市場が主なためです。店頭と違い通販では、コミュニケーションツールも多様化。潜在的な消費者層への啓蒙につながります。逆に言えば、サプリメントをよく知る方・精通する消費者の声を取り入れることが、商品開発のヒントとなる可能性があります。
睡眠改善サプリOEMでのポイント~キーワード
では、ストレス・睡眠市場向けの具体的な商品として、「睡眠改善サプリメント」のOEMを想定した場合のポイントをキーワードと共に確認しましょう。
「体感性」
「Yakult(ヤクルト)1000」が売上を伸ばした要因の一つは、「体感性」です。もちろん有名芸能人のCM・プロモーション効果もありましたが、SNSで拡散された要因には、多くの一般消費者の「体感した」との口コミ効果が大きかったと言われています。ストレスを感じる方・眠れなくなる方にとって「体感性」は、非常に重要です。
その「体感性」の要素として、睡眠改善サプリメントの「形状」が論点の一つになります。 「Yakult(ヤクルト)1000」はドリンクタイプで、有効成分が比較的早く吸収されやすいという特徴があります。その他にも、有効成分がゆっくり吸収されるカプセル・錠剤タイプ、素材純度が高い粉末タイプ、粉末タイプよりも飲みやすい顆粒タイプなどが存在します。製品に合わせた形状の選択も重要になります。
「機能性表示食品」の活用
一般食品や健康食品は、機能性の表示を行うことができません。事業者が消費者庁に対して、国の定めるルールに基づき、食品の機能性・有効性と安全性に関する科学的根拠などの必要事項を販売前に届け出ることで、機能性の表示が可能となります。
事業者自らが有効性と安全性を担保する必要があるため、容易なことではありませんが、睡眠改善サプリを機能性表示食品として開発することで、差別化の観点で大きなアドバンテージとなります。それが可能となる原料を選択することも検討しましょう。
睡眠改善サプリOEMでのポイント~原料
睡眠改善サプリOEMにおいて、上述のキーワード以外に「植物由来」の原料も大きなポイントとなります。
人類は長い歴史の中で、ハーブを活用してストレス緩和をしてきました。植物由来の成分が、我々にストレスの緩和をもたらしてくれていたのです。その一例が、「セントジョーンズワート」。これはヨーロッパで多く流通するハーブですが、上述の通り、抗うつ剤の薬物代謝に影響するという安全性の面での懸念があります。
しかし現在では、あらゆる植物由来の成分でストレスへの効果が報告されています。より安全な植物由来の成分が市場にも進出していますので、体感性を高める素材として、植物由来を商品開発のキーワードにするのも1つのヒントです。
以下、注目の植物由来成分をご紹介します。
ロズマリン酸
ロズマリン酸とは、ローズマリーから発見されたポリフェノールの一種。スペアミント、レモンバーム、シソなどのシソ科ハーブ類の植物に多く含まれる成分。海外でもよく知られています。ロズマリン酸には抗酸化作用や抗炎症作用、アレルギー反応を抑える働きがあることに加えて、近年、ストレスや脳機能への効果が確認されています。
サフラン
サフランはアヤメ科の植物で、サフランライスで知られるスパイスの1種。サフラン由来クロシン、サフラン由来サフラナールなどは、機能性表示食品として届出されています。パエリア、リゾット、ブイヤベースのほか、サフランライスなどに使われるなど身近な存在のサフランですが、実は高級スパイスとしても有名です。
ラフマ
セントジョーンズワートが西洋のリラックスハーブであれば、ラフマは東洋のリラックスハーブです。ケルセチン配糖体がセロトニンと呼ばれるいわゆる「幸せホルモン」に作用することで、睡眠やストレスへの効果が報告されており、機能性表示食品として注目が高まっています。ケルセチンはタマネギなどに含まれる食経験も豊富なポリフェノールというところも、魅力的です。
これらのほか、アロマテラピーでよく知られる、植物から抽出される「香り成分」の抗ストレスや睡眠効果にも、注目です。
まとめ
いかがでしょうか。今回は、ここ数年非常に顕著な伸びを示すストレス・睡眠市場について解説し、その実例としての睡眠改善サプリメントOEMのポイントをご紹介しました。
東洋新薬では、長年の研究と商品開発の実績を基に、睡眠改善サプリメントを含むストレス・睡眠市場向け商品開発においても、他社と差別化が図れるご提案やサポートが可能です。ぜひお気軽に、お問い合わせください。
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