【化粧品OEM開発のお悩み解決!⑧】一般的な化粧品と医薬部外品の違いを教えてください~医薬部外品化するメリットとデメリット~

  • 2021.10.25

Vol.8の今回は、一般的な「化粧品」を「医薬部外品」化する際のハードルと、医薬部外品のメリット・デメリットについて、事例を交えてご紹介します。

目次
1.あるお客様企業の事例
2.医薬品・医薬部外品・化粧品の定義
3.「化粧品」と「医薬部外品」の違い
4.化粧品を薬用化粧品(医薬部外品)化するメリット・デメリット
5.医薬部外品OEMの選び方
5-1.OEMメーカーが保有する処方とコスト
5-2.競合優位性のある製品が作れるか
6.まとめ

あるお客様企業の事例

あるお客様企業の事例

この企業では化粧品のロングセラー乳液を「シワ改善」効果で医薬部外品化する、リニューアルを検討されました。
その乳液には20種以上の機能性成分が配合されていたのですが、調査の結果、その中の10種類のトレンド性のある機能性成分が医薬部外品では使えない原料であることが判明。さらに検討を進めると、商品のメイン成分がそもそも医薬部外品では使えないものであることがわかりました。メイン成分を失ってでも「シワ改善」効果を強く訴求できる医薬部外品化すべきか・・・お客様は悩んだ末、リニューアルではなく「追加商品」という位置付けで、再検討されることになりました。

無料化粧品OEM開発のお悩み解決!vol.2

医薬品・医薬部外品・化粧品の定義

分類 定義
医薬品 日本薬局方に収められており、病気の診断、治療または予防に使用されるもの
身体の構造または機能に影響を及ぼす目的としたもの
医薬部外品 次の目的のために使用されるもの

  • イ)吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
  • ロ)あせも、ただれ等の防止
  • ハ)脱毛の防止、育毛又は除毛


保健のために、ねずみ、はえ、蚊、のみ、その他これらに類する生物の防除目的として使用されるもので、機械器具等ではないもの
医薬品と同等の目的のために使用するもののうち、厚生労働大臣が指定したもの

化粧品 人の身体を清潔にする、美化して魅力を増す、容貌を変える、または皮膚や毛髪を健やかに保つために使用され、人体に対する作用が緩和なもの

出典:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000145
>関連情報:「知らなかった」では済まされない!「薬機法」にまつわる失敗談と、違反しないための2つのポイント

「化粧品」と「医薬部外品」の違い

「化粧品」と「医薬部外品」の違い

「医薬部外品」とは日本の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法)に定められた、医薬品と化粧品の中間的な分類です。簡単に説明すると「医薬品ほど作用が強くないが、厚生労働省により効能効果が認められており、一般の商品よりも一定の効果が期待できるもの」。この医薬部外品には除毛剤や殺虫剤なども含む広い概念であり、化粧品の場合は「薬用化粧品」が医薬部外品にあたります。

化粧品は、「薬機法」によって「化粧品」と「薬用化粧品(医薬部外品)」に分類されます。「化粧品」は主に清浄や肌の保湿などを目的とし、表現できる効能の範囲が制限されているのに比べ、「薬用化粧品」はそれに加えて肌荒れや美白などの効果を持つ「有効成分」が配合されていて、定められた範囲で効能効果を表現できます。

要するに、治療や予防を目的とした「医薬品」と「化粧品」の中間に位置し「有効成分が配合されていて、予防効果が期待でき、作用が緩和なもの」が「薬用化粧品(医薬部外品)」ということになります。

>関連情報:医薬部外品OEM商品 「シワ改善オールインワンジェル」
>関連情報:医薬部外品OEM商品 「シワ改善保湿クリーム」
>関連情報:化粧品の「医薬部外品」とは?~OEM開発時のメリットと注意点

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化粧品を薬用化粧品(医薬部外品)化するメリット・デメリット

化粧品と医薬部外品(薬用化粧品)の大きな違いの一つは、標ぼう可能な効能効果です。薬用化粧品(医薬部外品)は、「美白」「ニキビ予防」など、有効成分ごとに認められた効果があることを表現できます。これにより商品や広告の訴求力が強まることが、販売元にとって大きなメリットです。

しかし、化粧品と比べて医薬部外品は、使える原料候補数がグッと減少する点が、デメリットです。
化粧品の原料は世界中に数えきれないほど存在します。しかし、医薬部外品で使える原料は、日本独自の「医薬部外品」に沿った、非常に厳しい基準に則った規格を取得しているものだけに限られます。

例えば、化粧品原料でメジャーな原料「ホホバ種子油」。これにも、医薬部外品で使える原料と使えないものがあります。「ホホバ種子油」は、世界中の複数の原料メーカーが独自に開発したものが多数、流通しています。それぞれ産地が異なり、こだわりの製法、あるいはオーガニック認証を取得していたり、ユニークな効果データを取得していたり・・・。化粧品の場合はさまざまなメーカーから自由に選択可能です。

しかし、医薬部外品の場合はそういう訳にはいきません。A社の「ホホバ種子油」は医薬部外品でも配合できるよう、試験や申請で時間とお金をかけて規格を取得しているので使うことができますが、日本でのシェアが低い海外B社製は日本独自の医薬部外品の規格を取得することは彼らのビジネスとして採算が合わず、そもそも考えにもないため、使用することができません。

化粧品から医薬部外品に変えたい、という予定がある方は、まずはOEM/ODM製造会社に「これらの成分は医薬部外品でも使えますか?」「使えない原料はありますか?」「何かほかの成分で代替できるものはありますか?」と尋ねてみてください。

今回例に挙げた「ホホバ種子油」のように、現状もし化粧品限定の原料を配合していたとしても、医薬部外品で使える別メーカーの原料が存在すれば(特定の産地や独自性にこだわらなければ)、スムーズに移行ができる場合もあります。

医薬部外品OEMの選び方

OEMメーカーが保有する処方とコスト

医薬部外品は製造コストに加えて、厚生労働省に申請する費用が必要になります。ただし、OEM会社が保有する既存の処方をそのまま使用する場合はこの申請費用は不要ですので、費用をおさえて短期間で商品化したい場合は、OEM会社に承認済み処方を持っているかを確認すると良いでしょう。

また、OEM会社には工場を持たないファブレスメーカーもあります。工場を所有している、製造を外注しているかで費用はもちろんやり取りに必要な時間も変わってきますので、あらかじめ確認しておくことをお勧めします。

競合優位性のある製品が作れるか

「絶対売れると思ったが、似たようなコンセプトの商品が実は世の中にいっぱいあった」ということは珍しくありません。競合状況を踏まえて、「売れる製品」を作れるのか、どの程度実績があるのか、という点もOEMメーカーを選ぶ際に重要なポイントです。

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まとめ

いかがでしょうか。今回は化粧品を薬用化粧品(医薬部外品)化する際のメリット・デメリットをご紹介しました。東洋新薬では、薬用化粧品(医薬部外品)として承認済みの有効成分と組み合わせの豊富なデータを保有しています。化粧品・コスメの商品開発にまつわるお悩みは、ぜひお気軽にお問い合わせください。

>関連情報:化粧品OEMサービス
>関連情報:医薬部外品OEM商品例 「シワ改善オールインワンジェル」
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化粧品OEM商品開発における「よくあるお悩み」について、具体的な解決のためのヒントを解説します。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2024年8月15日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2024年5月31日時点、自社調べ)

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