化粧品・コスメOEMで「小ロット製造」のメリット・デメリット
- 2022.07.15
化粧品OEMを検討する際、「小ロットから製造を頼みたい」というニーズは非常に高いもの。「商品がヒットするかどうかわからないので、なるべく少量で製造して、市場で試してみたい」というのは、ごく自然の考え方です。
しかし、OEM会社は「小ロット歓迎!」と謳うところと、「小ロットはあまりお勧めしません」というところに分かれます。いったいなぜでしょうか?
そこで今回は、化粧品OEMにおける「小ロット」とはどのくらい?といった基礎知識から、小ロット製造する場合のメリットとデメリット、製造ロット数を検討する際、注意すべきポイントまでを解説していきます。
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- 目次
- 1.化粧品・コスメのロットとは?
- 2.化粧品・コスメOEMでの小ロットはどのくらい?
- 3.化粧品・コスメOEMで小ロット製造するメリット
- 4.化粧品・コスメOEMで小ロット製造できる理由
- 5.化粧品・コスメOEMで小ロット製造するデメリット
- 5-1.1商品あたりの製造原価が高くなる
- 5-2.資材やOEM会社の選択の幅が狭くなる
- 5-3.欠品による機会損失のリスク
- 5-4.商品に関する提案力に欠ける場合も
- 6.まとめ:目的は「小ロットで作る」ことではない!「売れる」化粧品OEM開発の3つのポイント
- 6-1.消費者のニーズを知る
- 6-2.競合(ライバル)の調査を行う
- 6-3.原価率20%未満を目指す
化粧品・コスメのロットとは?
化粧品・コスメの「ロット」とは、同じ条件で製造される商品の、生産・出荷の最小単位のことです。化粧品・コスメの容器や外箱に表示されている数字や、アルファベットの組み合わせがそれにあたります。
このロットには特に決まった単位があるわけではなく、10個からであったり、1,000個からであったり、10,000個だったりします。
このようにロットの単位が異なる理由は、製造側の効率化とコスト管理に基づく考え方の違いです。同品質、同工程で大量に作るのと、少量だけ作るのでは当然、少量の方が手間とコストがかかります。要するに、小ロットでの製造は、商品単価が高くなるのです。
化粧品・コスメOEMでの小ロットはどのくらい?
OEM会社によりまちまちですが、たとえば「化粧品 OEM 小ロット」で検索すると、「50個から」「100個から」「500個から」といった宣伝文句が並びます。
ごく普通にオリジナルの商品を製造する場合、5,000個からとしているところも多く、こうした小ロットで対応してくれるOEMメーカーは魅力的に映ります。
化粧品・コスメOEMで小ロット製造するメリット
・低予算ではじめられ、価格・費用を抑えられる
開発コストはかかったとしても、小ロットの製造で商品化できれば、全体予算は低くおさえられます。「最初はなるべく予算を抑えたい」とお考えの場合、小ロットは魅力的です。
・在庫をかかえなくてよい
小ロットのメリットは、在庫を抱えなくて済むことです。倉庫などの費用が少なくて済みますし、売れ残り商品の品質劣化もリスクです。在庫を抱えずに済むことは大きなメリットです。
・テストマーケティングが可能
テストマーケティングとは、新しい商品やサービスを本格展開する前に試験的に市場に展開して、そこで消費者の反応を知り、商品の改良・改善に活かすことです。小ロットで製造してテストマーケティングすることで、さまざまなリスクを軽減できます。
化粧品・コスメOEMで小ロット製造できる理由
「50個から」「100個から」といった小ロットでの製造。なぜこのようなことが可能なのでしょう?当然、そこには理由があります。
小ロット対応を謳うサイトには、その理由が「無駄を減らしている」「仕入れや製造過程を工夫している」「自社の利益を削るなどの経営努力により」などと書かれています。
もちろん、こうした取り組みで小ロット製造を可能にしている企業もあるでしょう。しかし、常識的に考えて、それらには限界があります。
化粧品のOEM製造でいえば、化粧品の原材料や容器などは「変動費」、工場を保有し管理する費用や事務や営業にかかる費用が「固定費」です。小ロットの場合は当然、化粧品1商品あたりの固定費は高くなります。さらに、小ロット=1度に作る生産数が少ないと、製造ラインを洗浄する、組み立て直すといった頻度も増え、工場の生産性が落ちる結果、製造する化粧品の原価も上がります。
そうなると、どこを削るか。原材料や容器などのバリエーション、すなわち選択の余地を絞り、「ある程度用意されている中から選ぶ」ということになるかもしれません。要するに、競合に負けないオリジナリティに富んだ商品開発をしたいが、どこかしらで「我慢」しなければならない可能性があるかもしれない、ということです。
また、「当初はすべて含まれていると聞いていた各種費用が、少し仕様が変わっただけで追加費用を請求された」といった声もよく聞かれます。
こうしたトラブルを未然に防ぐために、事前に小ロットで製造可能な「条件」「どこまでが費用に含まれているのか」などを、しっかり確認しましょう。
化粧品・コスメOEMで小ロット製造するデメリット
こうした理屈を踏まえた上で、小ロット製造のデメリットを見ていきましょう。
1商品あたりの製造原価が高くなる
化粧品・コスメOEM商品開発においては、製造ロットに影響されず変わらない費用があります。たとえば、企画費、開発費などがそれにあたります。一方で、資材と呼ばれる容器、化粧箱などは、少ない数量だと一般的に割高になります。さらに、製造に関わる工場側の固定費も、割高になります。
化粧水か美容液か、もしくはクリームなのかといった種類によって、あるいは配合成分や容器によっても異なりますが、たとえば、バルク費用だけで比較しても、100個製造する場合と1,000個製造する場合で、1商品あたりの原価は数百円変わってきます。さらに商品化のためには資材やデザイン費がかかるため、100個製造の場合、1商品あたり1,000円以上かかることもめずらしくありません*。
*こちらはあくまで相場価格での一例です。同メーカーでも配合する成分や処方や容量によって価格は変動します。
さらに、化粧品・コスメは他の業界の商品に比べ、広告宣伝費など販売管理費が高いのが特徴です。「ロットを抑えたけれど想定より原価が跳ね上がり、利益が出なかった」ということがないように注意しましょう。
資材やOEM会社の選択の幅が狭くなる
前述の通り、意外と見落としがちなのが化粧品の容器です。容器の種類やメーカーによって異なりますが、1容器あたり製造ロットはおよそ3,000個が適正とされます。最近は小ロットにも対応する容器メーカーもありますが、容器サイズが限られている、希望する容量の容器がない、デザインが希望に沿わない、容器の加飾に制限がある・・・といった「制限」が発生します。化粧品・コスメは特に「映える」ことも人気の要素ですので、よく考えたいところです。
また、自分で探して持ち込んだ場合、容器と内容物の相性について安全上問題ないかを確認する必要があり、使えるとは限りません。
そうなると結局、OEM会社が持っている容器の中から選ぶ、ということになり、せっかくの商品にオリジナリティがなくなり、イメージから遠くなっていくかもしれません。
欠品による機会損失のリスク
化粧品・コスメの場合、製造期間(リードタイム)が意外に長くかかります。売上が好調だから、と追加発注しても、すぐに在庫が補充できるわけではありません。在庫切れの期間がしばらく続いてしまうと、機会損失が発生し、ビジネス上のリスクとなります。
商品に関する提案力に欠ける場合も
化粧品OEMメーカーの中には、これまでのOEM実績を活かして商品開発に関してさまざまな角度から良い商品にするための提案をしてくれるメーカーもあります。しかし、小ロット製造となった場合は提案などの部分のサービスを提供していないメーカーもあり、気軽に相談したい、商品、事業に関する提案が欲しいと思っている方は、事前にそのあたりを確認しておくと良いかもしれません。
まとめ:目的は「小ロットで作る」ことではない!「売れる」化粧品OEM開発の3つのポイント
いかがでしょうか?ここまで、化粧品・コスメOEMで小ロット製造するメリット・デメリットと、注意点を解説してきました。もちろん、初期のコストを抑える上で、小ロットで製造するメリットは大きなものがあります。しかしその一方で、デメリットや注意点があることがお分かりいただけたでしょうか。
しかしながら、化粧品・コスメOEMの目的は、「小ロットで作る」ことではありません。製造ロットのいかんに関わらず、「売れる商品を開発する」ことが目的のハズです。
競争が激しい時代において「売れる」化粧品・コスメのOEM商品開発は、「消費者のニーズを知る」「ライバル・競合を知る」そして「原価率を適正に保つ」ことが大切です。
消費者のニーズを知る
「誰の」「どんな悩み」を解決できる商品なのか、ユーザーである消費者の心理をしっかりと調べ、正しく理解することが、商品開発の基本です。消費者心理の調査のやり方はいろいろありますが、例えばAmazonに掲載されている「ユーザーの声」を確認するのも一つの方法です。
競合(ライバル)の調査を行う
「絶対売れると思ったが、似たようなコンセプトの商品が実は世の中にいっぱいあった」ということは珍しくありません。市場やライバル商品の調査はしっかり行いましょう。競合となる商品はすべて買って試す、違うジャンルでも売れている商品のプロモーション施策、デザインから言葉づかいまで、しっかりチェックしましょう。そしてそれらの情報から、差別化や優位性ある成分、コンセプトや価格などを決めていきましょう。商品や広告の訴求力で差別化するために、有効成分ごとに認められた効果があることを表現できる薬用化粧品(医薬部外品)を検討するのも良いでしょう。
原価率20%未満を目指す
「原価率20%?化粧品は儲かる!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際には膨大な広告費や、EC・通販の場合には配送料もかかります。そのため、原価が高すぎると利益が出ないのです。化粧品・コスメ商品の適正な原価率については諸説ありますが、上場企業の決算書からうかがい知ることができます。EC・通販を販売チャネルとする場合は、目標値として「原価率20%以下」を参考にしてください。
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