敏感肌とは?その要因やメカニズム、おすすめのスキンケアまで解説

  • 2021.03.12
敏感肌とは

ぽつんぽつんと顔に赤い吹き出物。今まで使っていた化粧水なのに、急にピリピリ感じるようになった…これって敏感肌?対策はどうしたらいいの?今回は、そんな疑問にお答えすべく、敏感肌のメカニズムやおすすめのスキンケアまで解説します。

目次
1.敏感肌とは?
2.敏感肌の原因
2-1.敏感肌は「バリア機能の低下」によって発生する
2-2.肌の「バリア機能」とは何か

3.敏感肌をまねく「バリア機能の低下」の要因
3-1.肌の乾燥
3-2.生活習慣の乱れ・生活環境の変化

3-3.不適切なスキンケア・メイク
3-4.加齢や体質

4.バリア機能が低下した敏感肌で引き起こされること
4-1.肌トラブルの例
4-2.肌トラブルのメカニズムと悪循環

5.敏感肌の方におすすめの対処法・スキンケア
5-1.クレンジングと洗顔
5-2.保湿

5-3.紫外線対策

6.まとめ

敏感肌とは?

敏感肌とは、紫外線や化粧品、ほこりなどで皮膚トラブルを起こしやすく、多くの人には刺激にならない物質に対して敏感に反応してしまう肌のことです。また、疲れ、睡眠不足、季節の変わり目、精神的なストレスなどにより一時的にトラブルを起こしやすくなる「不安定肌」も含みます。

敏感肌による肌トラブルの内容は、赤み、かゆみ、乾燥、肌荒れ、ニキビなどさまざまで、季節の変わり目にこうしたトラブルが増える人が多いといわれています。特に冬から春は気温の変化が大きく、また花粉症の影響もあるようです。こうした揺らぎがちな肌に悩む方は増えており、下のグラフの通り、敏感肌コスメ市場規模が拡大中です。

また、コロナ禍における日常的なマスクの使用により、さらに慢性的な肌荒れに悩む方が増えると予想されます。

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敏感肌の原因

敏感肌は「バリア機能の低下」によって発生する

健康的な肌は、紫外線や化粧品、ほこり、細菌などの刺激から生体を守るバリア機能がある状態です。しかし、さまざまな要因によって、肌の「バリア機能」が低下することで、肌内部に刺激物質が入って炎症を起こし、赤みやかゆみといった症状が出てくるようになり、これが敏感肌状態です。つまり、肌の「バリア機能」の低下によって、敏感肌になってしまうといえます。

肌の「バリア機能」とは何か

肌のバリア機能とは、肌が持っている防御機能のことです。ほこりや紫外線、乾燥などの外的刺激から肌を保護すると同時に、肌内部の水分を保持し、うるおいが逃げないようにする役割を持っています。そもそも皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3つの層で成り立っており、敏感肌やバリア機能に関連するのは表皮の最も外側の角質層という箇所になります。その角質層で肌のバリア機能を司っている三大因子は、次の通りです。

①皮脂・・・皮膚表面に膜をつくり、水分の蒸発を防ぐ
②細胞間脂質(セラミド、脂肪酸など)・・・角質層の中にあって、細胞と細胞の間をつなぎ水分蒸発を防ぐ
③NMF(アミノ酸などの天然保湿成分)・・・角質細胞内でうるおいを保持する

これら3つの働きによって健康的な肌が保たれていますが、なんらかの要因によってこれらの成分が少なくなり、働きが弱くなると、十分なバリア機能を果たせず「敏感肌」になってしまうのです。

敏感肌をまねく「バリア機能の低下」の要因

では、敏感肌をまねく「バリア機能の低下」はどういった要因が考えられるでしょうか。単に一つの理由によって引き起こされるだけでなく、複合的な要因で敏感肌になってしまうケースもあります。

肌の乾燥

最も多い要因が肌の乾燥であるといわれています。冬季の空気の乾燥は言うまでもありませんが、夏季もエアコンを使用することで空気の乾燥にさらされます。ほかにも、花粉やほこりが多く舞うような環境や紫外線も乾燥につながります。

生活習慣の乱れ・生活環境の変化

普段の生活の乱れや環境変化なども敏感肌へ影響すると考えられます。過度な飲酒、栄養バランスが偏った食生活、仕事のストレス、睡眠不足などの生活習慣の乱れは肌のバリア機能が低下する要因の一つといわれています。
また、居住空間や職場環境など身の回りの生活環境の変化というのも見過ごせない要因の一つでしょう。

不適切なスキンケア・メイク

自分の肌に合っていない化粧品、洗顔料、クレンジング剤、シャンプー、ボディソープなどを日常的に使い続けると、皮膚へのダメージが蓄積されてしまいます。顔に限った話でなく、頭髪、身体全体でも同様です。
また、メイクやスタイリング剤などの汚れが落としきれていない、落とそうと過度にこすってしまうといった行為も敏感肌を誘発してしまいます。

加齢や体質

そのほか後天的な要因として、加齢によって肌は薄くなるため、皮膚に含まれている成分が少なくなり、バリア機能の低下につながります。先天的な要因としても、バリア機能を保つ成分が少ない、アレルギー体質、肌が弱いといったことが考えられます。

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バリア機能が低下した敏感肌で引き起こされること

上述のような要因でバリア機能が低下し、敏感肌になってしまうことが分かりました。ここからは、敏感肌によってどんなことが引き起こされるのかを説明します。

肌トラブルの例

自分は敏感肌であると思っている方は、以下のような肌トラブルを感じるようです。
・赤み
・かゆみ
・肌荒れ
・ニキビ

肌トラブルのメカニズムと悪循環

バリア機能が低下するということは、肌のうるおいも逃げやすくなるということ。上述のトラブル以外にも、肌の乾燥や、水分不足からくるくすみやごわつきといった症状も出てきます。炎症や乾燥状態が続くと肌機能が低下し、ターンオーバーが乱れてバリア機能を十分に果たせない未熟な角層が生まれてくることになり、敏感肌症状が続くという負のスパイラルに陥ってしまいます。

また、外部刺激の影響を受けやすい敏感肌は、炎症により肌深部のダメージを引き起こすことも。過敏な状態が続くと、より敏感になったり、シワ、くすみ、たるみなどの肌年齢にも影響を及ぼしたりする可能性があります。

敏感肌の方におすすめの対処法・スキンケア

敏感肌の方には、起きてしまった乾燥・炎症を鎮め、バリア機能を保護&立て直すケアがおすすめです。

クレンジングと洗顔

クレンジングはミルクやクリームタイプなどのソフトなものにしましょう。クレンジングに含まれる界面活性剤は、どうしてもセラミドなど保湿成分を取り去ってバリア機能を低下させてしまいがち。強い洗浄力のタイプのクレンジングは避け、クレンジングにかける時間を短くするように心がけましょう。また、ゴシゴシと強くこすり落とすのではなく、なじませながらやさしくぬるま湯で洗い流しましょう。

洗顔も同様に、洗顔料で強くこすって顔を洗うのではなく、洗顔料をよく泡立てて、その泡で顔を押すようにやさしく洗い、ぬるま湯でしっかりと洗い流しましょう。

保湿

洗顔後は、セラミドや抗炎症成分が配合された化粧品がおすすめです。乳液やクリームで皮脂の代わりとなる油分も補いましょう。

また、化粧品の中には、肌あれケアや皮膚の乾燥を予防する医薬部外品もあります。抗炎症作用やバリア機能サポート作用のある有効成分が規定量配合された医薬部外品を選ぶことで、より肌のお悩みに効果的にアプローチができます。

紫外線対策

外出時には紫外線対策も行って、敏感肌を防ぎましょう。日焼け止めの中でも、洗顔料で落とせるタイプであれば、クレンジング時の負担を軽減できます。そのほか、帽子やアームカバー、日傘などで紫外線から物理的に肌を守る対策も有効です。

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まとめ

いかがでしょうか。今回は敏感肌とは何か、原因やメカニズムから解説しました。かゆみやヒリヒリとした痛みなどがある場合は敏感肌になっている可能性があります。その際は、肌の「バリア機能の低下」の要因となりうる乾燥や生活習慣などを特定して、改善可能なものから対処していくとよいでしょう。

参考
・全薬工業株式会社「アルージェ」敏感肌研
https://www.arouge.com/labo/basic/report181031.html
・「化粧品分野での敏感肌の定義と皮膚特性」フレグランスジャーナル2020.10
・株式会社矢野経済研究所 敏感肌化粧品市場に関する調査を実施(2020年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2385

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