D2Cとは?特徴からメリット・デメリット、成功のコツまで解説
- 2020.12.09
今回は、EC・通販で注目度の高いD2Cについて、その特徴からメリットとデメリット、そして成功のためのコツを解説します。化粧品や健康食品は、D2Cの代表的なジャンルです。その特徴を理解するため「総合通販」との比較もご紹介します。
- 目次
- 1.D2Cとは?
- 1-1.D2Cの概要と特徴
- 1-2.D2Cと「単品通販」
- 1-3.「単品通販」と「総合通販」の違い
- 2.D2Cの市場規模
- 3.D2Cのメリット
- 3-1.D2Cのメリット①売りたい商品をしっかりアピールできる
- 3-2.D2Cのメリット②リピート率と利益率が高い
- 3-3.D2Cのメリット③投資コストを抑えてスタート・運営できる
- 3-4.D2Cのメリット④顧客生涯価値(LTV)を高められる
- 4.D2Cのデメリット
- 4-1.D2Cのデメリット①ターゲット顧客と市場が限定的
- 4-2.D2Cのデメリット②顧客獲得費用が高くなりやすい
- 5.D2Cビジネスを成功させるコツ
- 5-1.D2Cビジネスに特化した経営戦略を立てる
- 5-2.リピートされやすい・継続メリットの感じられる商品を選ぶ
- 5-3.オリジナリティのある商品であること
- 5-4.消費者に刺さりやすい訴求を表現できる商品であること
- 6.まとめ
- 1-3.「単品通販」と「総合通販」の違い
「D2C」とは?
D2Cの概要と特徴
D2Cとは、「Direct to Consumer」の略で、製造業者が消費者に対して商品を直接的に販売する仕組みのことです。
従来の流通経路では、製造業者から卸売業者、小売業者を経由して消費者に製品が届くのが一般的でしたが、D2Cではこれらの中間業者を排除し、製造業者が直接消費者に販売します。これによって、中間マージンを削減できるだけでなく、消費者との直接的なコミュニケーションを通じて、より高度なマーケティングやサービスの提供ができるようになります。
化粧品や健康食品などがD2Cの代表的なジャンルと言えます。
「D2C」と「単品通販」
「単品通販」とは、元来、“1つの商品だけを取り扱うEC通販のビジネスモデル”のことでしたが、1商品だけではなく、いくつか商品があっても同じジャンル、同じブランドであればこう呼ばれます。一般的には、「あえて1商材に絞ってプロモーションし、1商材のみのLPで販売される」といったビジネスモデルを総称してこう呼ぶことが多いようです。
このように、「D2C」と「単品通販」は異なる定義を持つ言葉ですが、一般的に単品通販はD2Cであることがほとんどなため、D2Cと単品通販は一括りに称されることが多いようです。
「単品通販」と「総合通販」の違い
D2Cの特徴をさらに理解するために、「D2C=単品通販」として、「単品通販」と「総合通販」を比較しながらご説明します。
※以降の見出しにおいても、随所で単品通販(D2C)と総合通販の比較に関する言及があります。
「単品通販」が基本的に1種類、もしくは1ブランドの商品を取り扱うのに対して、「総合通販」はさまざまなカテゴリ、ブランドを取り扱います。「ニッセン」「通販生活」など、カタログ形式でさまざまな商品を取り扱うビジネスモデルをイメージしていただくと、違いが分かりやすいと思います。
品揃えが豊富な「総合通販」の方が集客、売上の面で有利に思えるでしょう。しかし、「単品通販」には既存顧客のリピート率が高いという特徴があります。というのも、1つの商品(ブランド)に絞っているため、ファン化しやすく、薄利多売になりがちな「総合通販」よりも利益率が高い傾向にあります。
また、「単品通販」ではAmazonや楽天など大手のショッピングモールではなく独自にECを展開することが多く、価格競争に巻き込まれにくいという特徴もあります。
D2Cの市場規模
最新調査*によれば、2020年のD2C市場は、昨年対比 109%の2兆2,200億円に達する見通し。2021年には2兆4,100億円、2025年には3兆円に達すると予測されています。
D2C市場規模がここまで伸長すると想定されている理由は、言うまでもなくインターネットやスマートフォンが普及したことで、消費者はテレビに代表されるマスメディアからSNSなどデジタル領域にシフトし、ECでの商品・サービス購入が当たり前となってきたことが大きく影響しているでしょう。事業者側もECに対応すべく、ECサイト・プラットフォーム、物流などの環境整備も進んでいます。
加えて、コロナ禍も消費者の購買行動に影響を及ぼし、EC市場は急激に拡大しています。中でもSNSなどを利用し、企業と消費者が店舗を介さずに直接接点を持つ「デジタル D2C」モデルが注目を集め、高い水準で成長を遂げています。
*株式会社売れるネット広告社調べ、2020.9
D2Cのメリット
上記のような背景から盛り上がりを見せるD2Cですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
D2Cのメリット①売りたい商品をしっかりアピールできる
D2Cは、商品を絞り込んで販売するため、注力して販売したい1つの商品に絞って「こだわりの製法」「商品に込めた想い」「お客様からの声」などを、多角的にアピールできます。アピールには、LP(ランディングページ)という、1つの商品のことをさまざまな視点でアピールするページを作ることがほとんどです。商品の魅力をしっかりアピールできる広告+LPが、成功ポイントの1つです。
D2Cのメリット②リピート率と利益率が高い
D2Cには化粧品や健康食品など、定期的に購入される商材が向いています。気に入ってもらえれば定期的にリピート購入され、結果として利益率も高まります。リピート購入を促すために、初回から定期コースに誘導する、あるいは初回はモニター商品としておいて定期コースに誘導するなどのパターンがあります。
D2Cのメリット③投資コストを抑えてスタート・運営できる
豊富な品揃えを確保し、広く継続して販売するためには初期投資や広告費、維持費、流通、人件費など多額のコストがかかります。その点、D2Cは比較的、初期投資を抑えて事業が行えます。
D2Cのメリット④顧客生涯価値(LTV)を高められる
マーケティングの効率を図る需要な指標の「顧客生涯価値(LTV)」。このLTVを高めるには、リピート率が重要です。D2Cは絞り込んだ顧客とのコミュニケーションを多くとることができ、顧客の声を商品開発や経営に反映することでファン化しやすく、リピート率が高まる結果としてLTVも高められます。
D2Cのメリットをまとめ、総合通販と比較すると以下のようになります。
D2Cのデメリット
メリットがある一方で、もちろん、D2Cにも以下のようなデメリットがあります。
D2Cのデメリット①ターゲット顧客と市場が限定的
D2Cは、取り扱う商品(カテゴリ)が少ない(狭い)ため、ターゲット顧客が限られます。ニーズはあるものの市場が小さい場合は、売上も限定的になります。そのため、D2Cビジネスモデルを立案する際はターゲット顧客と市場の見極めが重要です。
D2Cのデメリット②顧客獲得費用が高くなりやすい
D2Cは取扱商品が少ないため、集客に苦戦しがちです。商品やブランド認知がない場合、「知ってもらう」ための広告を打つ必要があり、豊富な品ぞろえにより自然検索(SEO)で集客できる「総合通販」に比べると顧客獲得費用が高くなりやすい傾向があります。効果的な広告表現ができると一気に拡大も狙えますが、そのためにはある程度、多額の広告費用が先行投資として必要になります。
D2Cビジネスを成功させるコツ
これらのメリット・デメリットを踏まえ、D2Cビジネスを成功させるには何が必要なのでしょうか。成功のポイントを探ってみましょう。
①D2Cビジネスに特化した経営戦略を立てる
D2Cを成功させるためには、これまでに説明したメリット、デメリットをしっかり理解した上で、以下の流れに沿った経営戦略を立て、適切に運営する必要があります。
1.広告などを利用して多くの「見込み客」を効率よく集める
↓
2.集めた見込み客の多くを商品注文まで誘導し「新規顧客」化
↓
3.獲得した新規顧客を定期コースに誘導して「既存顧客(リピーター)」に移行
↓
4.リピーターをロイヤルカスタマー化する
そして、これらの流れを効率的に管理できる仕組みと、業務フローの確立も重要です。
②リピートされやすい・継続メリットの感じられる商品を選ぶ
経営戦略を立てることに加えて、D2Cを成功させるために重要なカギと言われているのが「リピートされやすい商品」であること。消耗品や生活必需品、もしくは継続して利用する必然性の高い(効果を感じる)商品を企画することが求められます。成功事例としては日常的に使用され、かつ体感性の高い化粧品や健康食品などが挙げられます。
③オリジナリティのある商品であること
商品には大きく、「型番商品」と「オリジナル商品」の2種類があります。「型番商品」は大手企業がスーパー、コンビニで販売する商品で、どこでも手に入れられることから当然、EC通販には不向きとされます(大きい、重いなどの理由でECでも売れる商品もあります)。
D2Cに向いているのは「オリジナル商品」です。店舗限定や一部の認可を受けた提携店でのみ販売など、「そこでしか手に入れられない商品」はEC、中でもD2C向きということになります。成功事例としては「他社と差別化されたオリジナルブランド商品」としての訴求が挙げられます。
<関連記事>
・他社との差別化を図るポイント①~原料の選び方&付加価値の高め方
・他社との差別化を図るポイント②~「商標」「特許」による付加価値向上
・他社との差別化を図るポイント③~「権威付け」「工場認証」による信頼感醸成
④消費者に刺さりやすい訴求を表現できる商品であること
D2Cでは、1つの商品(ブランド)だけを販売するので、訴求内容つまり消費者のメリット・ベネフィットがはっきりしている商品であると、消費者の購入につながります。ただし、健康食品や化粧品のD2Cでは、広告表現への規制に注意しなくてはなりません。ここでの成功事例としては、エビデンスを基に規制をクリアしながら訴求内容を表現できる「医薬部外品」や「機能性表示食品」、「特定保健用食品」などが挙げられます。
まとめ
いかがでしょうか。今回は注目の高まるD2Cの特徴やメリット・デメリットを踏まえ、D2Cビジネスにこれからチャレンジする方に向けて、成功させるコツについてお伝えしました。
東洋新薬では単品通販(D2C)に最適なリピートされやすい健康食品、化粧品の商品開発にさまざまなノウハウと実績があります。ぜひお気軽に、お問い合わせください。
【参考】
>化粧品のODM/OEM開発にご興味のある方はこちら
>健康食品・サプリメントのODM/OEM開発にご興味のある方はこちら
東洋新薬は健康食品・化粧品業界を陰で支えるODEM(ODM&OEM)メーカーとして、世界の人々の『健康と美』への期待に『価値』で応えていくことをミッションとしています。 本サイトでは通販ビジネスにかかわるすべての皆様に様々な情報をお届けしています。
関連情報
この資料では、いまEC・通販で注目度の高い「単品通販(D2C)」について、メリットとデメリット、成功のためのコツ、定期販売促進のコツ、定期販売に必要な決済手段とEC機能を解説します。
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