【化粧品OEM開発のお悩み解決!㉒】「珍しい原料と聞いて配合したのに・・・」希少性の高い機能性原料の注意点①(前編)

  • 2022.12.15

「珍しい原料で差別化したい!」希少性の高い機能性原料を使うメリット

「商品の差別化」の観点で、日本国内でまだ流通が少ない、希少な機能性原料を見つけ出し、配合することは非常に強いアドバンテージになります。当社も「まだ余り知られていない、珍しい美容成分を配合したいのですが」という相談をたびたび受け、その都度自社のデータベースやネットワークを駆使して、探索します。

化粧品のOEMメーカーは多くの国内外の原料メーカー、仲介ディーラーとの取引があるため、日々新たな原料や、日本市場を狙う海外の新規原料情報も入手可能です。珍しい機能性原料の例としては、

  • 日頃なかなか目にしない珍しい植物由来のもの
  • 特定の地域で生育された植物やブランド野菜・果物から抽出されたエキス
  • 新たに効果が確認されたもの


などがあります。また、近頃では定番になりつつありますが、

  • 発酵技術や植物・ヒト由来の幹細胞の培養技術


も、以前は非常にレアでした。

さらに、化粧品の製造会社で独自の原料を開発しているところもあります。
希少原料をお探しの場合は、OEMメーカーに「独自原料はありますか?」と尋ねるのも有効です。

無料化粧品OEM開発のお悩み解決!Vol.1

珍しい原料を採用する際の注意点

このように珍しい機能性原料は一見とても魅力的ですが、ブランドオーナー様の中には「長年の採用実績や流通実績がない原料は、採用しない」ポリシーの企業も存在します。では、まだ注目されていない、珍しい原料を採用する上での懸念点は何なのでしょうか?

それは、やはり「安全性」でしょう。化粧品業界では、過去に大きな事件がありました。2013年、美白の有効成分で2万人にもおよぶ被害者が出た「白斑」の問題がありました。その少し前には、加水分解小麦由来成分によりアレルギー反応を起こす「アナフィラキシーショック」が問題となり、化粧品の安全性そのものが不安視される状況に陥りました。その後、制度の厳格化、また業界全体の安全性への取り組みも高まりましたが、日本はグローバルの中でも「慎重」な姿勢を重視する市場と言えるかもしれません。 

その一方で、「流通している原料は、すべて安全か?」と問われると・・・実はそうとも言い切れないのです。大半の原料メーカーは信頼できるメーカーですが、中には疑わしい業者が存在することも事実です。例えば、化粧品原料に関する経験と知識が非常に乏しく、調査してみると、その会社はたまたま自社ビジネスの中で独自入手ルートがあり、商品として横流し的に原料販売をしているだけだった、ということがわかりました。 

そういった企業は安全性を示す充分なデータや情報を所持していないことも多く、原料の組成や作用のメカニズムに関しても納得できる説明ができません。「お医者さんが使っている原料だから」「海外で認められている原料だから」「書類があるから大丈夫」(何の?)「化粧品の登録がされているから」(化粧品原料は登録制ではありません)など、首をかしげたくなるような説明で押し通そうとします。 

いくら海外で流通している原料であっても、日本人をはじめとするアジア人の角層の厚さは欧米の人の半分程の薄さです。しっかりと安全性を示して頂ける原料メーカーと取引することが、安全安心の製品をお届けすることに繋がるのです。

いかがだったでしょうか。今回は、まだ世の中で認知されていない珍しい原料を使うメリットと、注意すべきポイントについて解説しました。珍しい原料は商品のPRとしては非常に有効ですが、採用に際しては信頼できる原料メーカー、原料ディーラー、そして原料をしっかり審査をすることができる製造会社を見極め、取引することをお勧めします。

なお次回後編では、希少原料が終売になるリスクについてお届けします。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2024年8月15日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2024年5月31日時点、自社調べ)

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