P2Cとは?メリットやデメリット、販売戦略における6つの注意点を解説
- 2022.04.11

ユーチューバーやインスタグラマーなどのインフルエンサーの発信力を武器に、SNS時代のビジネスモデルとして話題のP2C(PtoC)。「これからの時代はD2CよりP2C」とまで言われる理由は、何なのでしょう?今回は、自社の健康食品・サプリや化粧品・コスメ商品の開発・販売方法としてP2Cを活用したい、とお考えの方に向けて、
• そもそもP2Cとは何なのか?
• P2CとD2Cは何が違うのか?
• なぜP2Cが注目されるのか?
• どんなP2Cが話題なのか?成功事例は?
• P2Cに参入する上でのメリット・デメリットは?
• P2Cを自社商品開発・販売に活用する際の注意点は?
について、詳しく解説します。
- 目次
- 1.P2Cとは?D2Cとの違い
- 2.P2Cが注目される理由
- 3.健康食品・サプリ / 化粧品・コスメ ジャンルでのP2C成功事例
- 3-1.VALX
- 3-2.ReZARD beauty
- 3-3.MEGOOD BAUTY
- 3-4.リカフロッシュ(RICAFROSH)
- 3-5.souplesse(スプレーゼ)
- 4.P2Cのメリット・デメリット(リスク)
- 5.P2Cを商品開発・販売に活用する際に注意すべきポイント
- 5-1.①なるべくファン層が濃いインフルエンサーと組む
- 5-2.②人気インフルエンサーを獲得するには
- 5-3.③プロジェクト中の丁寧なコミュニケーション
- 5-4.④タイアップ・広告感をなるべく出さずに開発プロセスを公開する
- 5-5.⑤初速だけで終わらせない、発売後のストーリーを設計しておく
- 5-6.⑥炎上・アンチに注意。SNS上のリスクマネジメントをした商品設計
- 5-7.⑦スマホ映え、動画(ライブコマース)映えする商品を揃える
- 6.まとめ
P2Cとは?D2Cとの違い
P2C(PtoC)とは、「Person to Consumer」の略称です。Person=個人がオリジナルのブランドや商品・サービスを構築し、TwitterやInstagram、YouTubeなどのSNSやブログ・メールマガジン・オンラインサロンなどを通じて、ブランドや商品への思いやこだわりを発信しながら、ネット上で直販するというビジネスモデルです。
一方のD2C(DtoC)とは、「Direct to Consumer」の略称。商品を製造するメーカーが卸や小売店を経由せずに、自社のECサイトで販売するメーカー直販のビジネスモデルです。
この2つのビジネスモデルはいずれも「インターネットを通じてダイレクトに消費者に商品を販売する」ことは共通していますが、その主体がP2Cは「個人」、D2Cは「企業」である点が、大きな違いです。
【D2C関連記事】
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P2Cが注目される理由
P2Cは2020年頃から登場し、D2Cに次ぐ販売モデルとしてトレンドになっています。
中でも、YouTuberやインスタグラマーなど個人の「インフルエンサー」が自ら商品を開発し、販売代理店や小売店を通さず、インターネット上のさまざまな媒体でダイレクトに消費者に販売するという手法が、P2Cの代表的なスタイルです。
「D2Cの宣伝にインフルエンサーを活用するインフルエンサーマーケティングと、何が違うの?」と疑問に思う方も多いと思いますが、「P2Cはインフルエンサー自身の役割がより大きい」という点が“違い”です。
P2Cでは企業が主体のD2Cよりも、インフルエンサー自身がより深く商品開発に関わります。そして自身のチャネルで、ファンに対して商品開発にまつわる想いやストーリーを発信、ユーザーに共有することで、より強力なプロモーションが行えることがメリットです。
健康食品・サプリであれば成分やテイスト、化粧品・コスメであれば原料や色合い、使い心地。そして商品パッケージやデザインなどについても自身が打ち合わせに参加して「自らこだわって考え、作っているよ」といったシーンを、YouTubeやInstagram、Twitterなどの自分のソーシャルメディアで逐次発信します。
こうしたインフルエンサーのその商品に対する「思い入れ」や「熱量」が伝わることで、よりユーザーの興味・関心や期待感が高まります。
いまやYouTuberやインスタグラマーの影響力は非常に強力なものがあります。P2Cが注目される背景には、インターネットやSNSという土俵では企業と個人の格差がなくなり、時に企業のプロモーションを凌駕するほどの宣伝効果や販売力があるためでしょう。
また、ShopifyとInstagramの連携などのいわゆる「ソーシャルコマース」の発達により、個人がネット上に販売チャネルを立ち上げやすくなったことも、P2Cの拡大を後押ししています。
そのため今後もP2Cは、さらなる成長を遂げる市場とみなされているのです。
健康食品・サプリ / 化粧品・コスメ ジャンルでのP2C成功事例
それでは、健康食品・サプリ / 化粧品・コスメ ジャンルでのP2Cの代表的な成功事例を、いくつかご紹介しましょう。
VALX
「筋肉博士」こと山本義徳さんが監修した、高品質のプロテイン・サプリメントを販売するP2Cブランドです。「30年に渡るトレーナーとしての知識と経験をもとに、『本物』をつくりあげ、『本物』を追求する方にお届けしたい」(Webサイトより)との思いで立ち上げられました。ネーミングの由来は、「BULK(バルク)」と「VALUE(価値)」そして「X(無限の可能性)」の組み合わせだそうです。
ReZARD beauty
超人気YouTuberのヒカルさんがプロデュースした、メンズコスメブランドです。ヒカルさんは靴・ファッションのECサイトを運営するロコンドとのコラボ商品が「発売開始4時間半で売上1億円」と話題になりましたが、コスメについても初日だけで定期顧客が6,000人と、大人気になっています。
MEGOOD BAUTY
人気インスタグラマーのMEGBABYさんがプロデュースした、コスメブランドです。「MEGBABYがこれまでに培った美容の知見と独自の美意識を活かし、美容感度の高い日本の女性たちに向けて開発するビューティブランド」(Webサイトより)で、エイジングケアや敏感肌ケア、環境ケアなど時代のニーズにあったアイテムや、芸能人とコラボしたブランドも次々と展開しています。
リカフロッシュ(RICAFROSH)
10代、20代からの絶大な人気を誇るYouTuber、古川優香さんとブランディングプロデュースカンパニーDirect Techとの協働プロデュースコスメブランドです。「10代、20代がいま一番真似したい」アイコンとしてフォロワー200万人のパワーで、LOFTなど一般流通にも展開。P2C成功事例の代表例と言われています。
souplesse(スプレーゼ)
https://www.makuake.com/project/souplesse/
化粧品研究職だった経験を活かし化粧品の科学的な解説や成分に優れたおすすめ商品などを発信、登録者数40万人を超える人気YouTuber「すみしょう」こと住田祥さんがリリースした、乾燥しにくいクレンジングオイルブランドです。「元会社員が脱サラして人気YouTuberとなり、視聴者からの要望に応えるカタチでブランドを立ち上げる」というストーリー性が、P2Cならではですね。
P2Cのメリット・デメリット(リスク)
それでは、「自社商品の開発・販売方法としてP2Cを活用する」際の、メリット・デメリット(リスク)を見ていきましょう。
商品開発におけるP2Cのメリット
- ○ インフルエンサーがより深く商品開発に関わることで、マーケット(フォロワー)のニーズに合致した商品企画・開発が可能
- ○ インフルエンサーの影響力をブランド価値に昇華できるため、高単価商品が狙える
販売におけるP2Cのメリット
- ○ インフルエンサーが抱えるフォロワーの数から販売数の推測・計画が立てやすい
- ○ インフルエンサー自身が商品に対する想いを伝えることができるので、購買率が高い
- ○ 既に存在するフォロワーへの販売のため、集客コストが抑えられる
一方、P2Cのデメリット(リスク)については、
- ✓ 協業してくれるインフルエンサーの発掘が難しい
- ✓ インフルエンサーへのロイヤリティ支払いが発生する
- ✓ インフルエンサーありきのため、アンチコメントや炎上のリスクが高い
- ✓ フォロワー以外の新規獲得が難しい
といった点が、挙げられます。
P2Cを商品開発・販売に活用する際に注意すべきポイント
こうしたメリットとデメリット(リスク)を踏まえて、P2Cを商品開発・販売に活用する際に注意すべきポイントはどのような点でしょうか。
①なるべくファン層が濃いインフルエンサーと組む
インフルエンサーへのロイヤリティの支払い額は、契約やスタイルによりまちまちですが、おおよそ「収益の10~50%」と言われています。
1ブランドあたりの構築コストは誰と組んでも同じなので、「なるべくフォロワー数が多く、そのファンが濃いインフルエンサーと組みたい」のが本音です。(初期費用はブランドの規模感や在庫量によりますが、およそ300-1,500万円程度と言われています)。交渉相手は事務所に所属していないインフルエンサーもオススメです。
②人気インフルエンサーを獲得するには
人気インフルエンサーは、広告収益や他のタイアップ案件などで十分な収入があり、必ずしも今すぐP2Cブランドを立ち上げたいとは限りません。そのため、うまくモチベートして巻き込まないとそもそも商品化に至らなかったり、商品化できても本人が熱量を持ってPRしてくれず、微妙なプロジェクトになってしまうこともあり得ます。
「お金を払っている側だから」という意識を捨てて、インフルエンサーが本気になってくれるようなプレゼンテーションが求められます。
③プロジェクト中の丁寧なコミュニケーション
プロジェクト始動後も、インフルエンサーからの要望にはなるべく応えることが重要です。ただし、インフルエンサー自身はサプリやコスメの「専門家」ではないので、たとえばパッケージデザインなどでコストを度外視した要望が来ることもあり得ます。そんな時に「自社の利益率を下げるから」と言った理由で切り捨ててしまうと、当然インフルエンサーは商品への熱量が下がってしまいます。
インフルエンサーのこだわりが反映されて、愛着の持てる商品になるよう導き、丁寧なコミュニケーションを取っていくことが重要です。広告費がかからないP2Cブランドでは、一般的なD2Cブランドに比べ商品原価が高い傾向にあります。
④タイアップ・広告感をなるべく出さずに開発プロセスを公開する
事前のストーリーなしにいきなり商品をリリースしてしまうと、いわゆる「広告感」「タイアップ案件感」が出てしまいます。「インフルエンサーが本気で取り組んで創った」、というストーリー性のあるコンテンツ発信が重要です。
サプリやコスメを発売する予定であれば、あらかじめそのジャンルに興味や関心がある投稿を継続的に行っておく必要があります。さらに、開発過程を細かく、しっかり記録しておきましょう。たとえば工場の研究者と議論している打ち合わせ、試作品を評価している様子、パッケージ印刷の立ち会いの様子などを動画や写真で記録しておきましょう。
そして、商品が徐々にできあがっていく様子を発売前後にチラ見せしていくことで、インフルエンサー自身の本気度をPR。それがファンの熱狂度につながります。
⑤初速だけで終わらせない、発売後のストーリーを設計しておく
P2Cにおいて「初速を出す」ことは、非常に重要です。初動の売上が上がることで初めてインフルエンサーやその周りのメンバーも、本気になってくれます。
しかし、発売した瞬間は爆発的に売れるが、後が続かないP2Cブランドは少なくありません。これを防ぐためには、ユーザーである消費者との接触回数を増やすための、継続的な話題作りが欠かせません。
たとえば「発売後3日で品切れした」となれば、それが話題になります。「お客様の喜びの声」が届けばそれを配信する。「店舗への配架が決まった」というのも話題。このように発売後に商品のヒットが次々と連鎖していくそのサクセスストーリーを仕込んでおくことで、ファンを魅了し続けることができます。
⑥炎上・アンチに注意。SNS上のリスクマネジメントをした商品設計
インフルエンサーは発信力がある分、悪い評価も通常のブランドより広がりやすい傾向が強いです。発売した途端、SNS上では専門家による成分分析や、いわゆるアンチと呼ばれる人の厳しい審査にさらされると覚悟しましょう。
これを抑えるには商品の品質や安定性・安全性はもちろん、商品を継続的に安定供給ができるかどうかなど、品質や供給面の妥協がないようにしておきたいところです。
⑦スマホ映え、動画(ライブコマース)映えする商品を揃える
商品は、ライブ配信やスマートフォンの動画に最適化されている必要があります。あるP2Cブランドは、ライブ配信中にインフルエンサーが自分で使用し、目に見えて効果がわかるフェイスパックで爆発的な売上を記録しました。
まとめ
いかがでしょうか。今回はいま話題のP2Cについて、健康食品・サプリと化粧品・コスメの商品開発、販売戦略に活用する上での注意すべきポイントについて解説しました。
東洋新薬は健康食品・サプリと化粧品・コスメのOEM/ODM商品開発・製造のプロとして、P2C向け商品開発についての実績も多数あります。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
【P2C解説~第2弾~】
>インフルエンサーとの商品開発・販売戦略の実践アイデア・Tipsを徹底解説!

東洋新薬は健康食品・化粧品業界を陰で支えるODEM(ODM&OEM)メーカーとして、世界の人々の『健康と美』への期待に『価値』で応えていくことをミッションとしています。 本サイトでは通販ビジネスにかかわるすべての皆様に様々な情報をお届けしています。
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