三相乳化とは?化粧品事例もご紹介!

  • 2020.10.01

神奈川大学が発明した新しい乳化法~三相乳化法とは~

三相乳化 神奈川大学が発明した新しい乳化法

スキンケアで多用される乳液やクリームのエマルジョンと呼ばれる剤型は、大まかに言うと「水」と「油」が混ぜ合わさることからできています。通常、交じり合わない水と油を混ぜ合わせる為に、一般的には界面活性剤という製剤が媒介役となり、水と油を繋ぎ合わせます。

その界面活性剤は時に肌への刺激物質となる可能性もあり、肌を刺激から守るバリア機能にダメージを与えてしまう恐れがあります。そんな界面活性剤を使わなくても水を油を繋ぎ合わせる画期的な技術が大学発で発明されました。それが、神奈川大学が発明した乳化技術「三相乳化法」です。

>関連情報:「界面活性剤」とは? 化粧品に欠かせない乳化と可溶化

無料三相乳化法のご紹介

うるおい成分「モイスチャーナノ粒子」で乳化!?

三相乳化 うるおい成分「モイスチャーナノ粒子」で乳化!?

水と油を混ぜる際、従来の乳化法として用いられてきた界面活性剤の化学的作用に頼らず、「ファンデルワールス引力」と呼ばれる不可逆的な力を用いて微細なモイスチャーナノ粒子を油滴の周囲に引きつけコーティングします。そうすることで油滴が水の中に分散することができるのです。モイスチャーナノ粒子は肌にとってはうるおい成分で肌にもやさしい成分です。

技術的なメリット

  • 1種類のモイスチャーナノ粒子で無極性油、極性油、シリコーン油など様々な油剤を乳化することができます。(一つの乳化剤で)種類が異なる油剤の共存、混合が可能です。
  • 水で希釈してもエマルションを保持することができます。
  • エマルションに水を加えて希釈しても、エマルションは破壊されません。
  • 水質に関係なく乳化することできます。
  • 海洋深層水など塩を含む水でも影響を受けません。
  • 乳化粒子の大きさにかかわらず安定した状態を維持できます。

安定性が非常に高く、乳化粒子の大小にかかわらず分離が起こりにくいです。さらに、熱や時間の経過に伴う経時安定性にも優れています。

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テクスチャーのメリット

三相乳化 テクスチャーのメリット

そんな新世代の乳化技術は、どのようなテクスチャーなのでしょうか。三相乳化の乳液、クリームを手に取った人は、「すごく伸びが良い」「軽やか」「軽いのに仕上がりはしっかり。一体コレはなぜ?」と感じるでしょう。

三相乳化のバルクを肌になじませるとまず感じるのは、軽やかなみずみずしいテクスチャー。それは、モイスチャーナノ粒子が油滴の周囲を完全にコーティングしている為、外側の水相、内側の油相との間に明確な境界線を作り出していることが要因。水と油の相がそれぞれ独立していると言えます。

外側の水相が油相からしっかり独立をして存在をしているため、さっぱりした水の相が最初の肌に触れることになります。そして、手で肌になじませるたびに内側の油の相が肌に広がり、仕上がりはしっかりとしたうるおいを生み出しています。

一般的な界面活性剤を用いたバルクには三相乳化ほどの明確な水相と油相の境界線はなく、三相乳化バルクのような「軽やかさ」と「しっとりさ」を兼ね備えることはとても難しいのです。

例えば50%の油を高配合したクリームを三相乳化と界面活性剤バルクで比較すると、三相乳化のテクスチャーはやはり軽やかなままですが、界面活性剤バルクはかなり重く、その違いは一目瞭然です。

高い密着性

界面活性剤は、そもそも水と油を仲良くつなぎ合わせる役割をしています。界面活性剤のバルクは、外から降りかかる水や汗とも仲良くなってしまいます。そして、その水や油と混じり、肌の上で乳化を起こしてしまいます。それを「再乳化」と言います。

例えば、日焼け止めを塗って汗をかくと白く浮き出てきませんか?日焼け止めは顔料が含まれることも多い為、それも一緒の浮き出し白さが際立ちますが、タオルなどで拭くと日焼け止めは一緒に落ちてしまいます。

三相乳化 高い密着性

一方、三相乳化はどうでしょうか。そもそも、水と油をつなぎ合わせる界面活性剤が含まれていないため、水や汗と仲良くなる術がありません。(三相乳化では、皮膚に塗布すると、内側の油の相によって汗や皮脂に強いヴェールが形成されます。)そのため、三相乳化のバルクは水や汗に強く、肌への密着性が高いのです。この作用を活かし、三相乳化では日焼け止め、またはハンドクリームにも応用されています。

【三相乳化を用いた化粧品紹介】
>「美容液クレンジング」
>「日焼け止め」
>「低刺激保湿クリーム」

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三相乳化技術を活用した商品例

化粧品開発に欠かせない乳化技術の一つである三相乳化法。前述の通りさまざまな特長を持っており、商品訴求として、以下のような消費者へのアピールが可能です。

●界面活性剤不使用
ベビーやデリケートな肌の方向けの保湿クリームやオールインワンジェルは三相乳化法を活用すれば、完全界面活性剤フリー設計が可能です。やさしさを打ち出す商品にはまさにうってつけ処方です。

●みずみずしいテクスチャー
三相乳化の大きな特徴としてあげられる、つけた瞬間のみずみずしいテクスチャー。はじめに肌に触れるのは「水」の相であり、ファーストタッチは非常に軽やかです。馴染ませていくと内側から油の相が広がり、うるおいヴェールを作り出します。ベタつきを嫌う男性向け商品や、春夏用商品にピッタリです。特に水分保持力の低い男性肌は「隠れ乾燥肌」とも言われています。みずみずしい使用感と保湿力の体感、両方を感じていただけるアイテムの開発が叶います。

●汗水に強い密着性
前述の通り、なじませていくと油が広がり、うるおいヴェールが作られるのが三相乳化の特長です。そのため、汗をかく時期に使用する日焼け止めや、手洗いなど水に触れることの多い手元のケアアイテムでも効果を発揮する技術です。

>関連情報:日焼け止めOEM商品~三相乳化を用いた『ノンケミUV』
>関連情報:ボディクリームのOEM 「低刺激保湿クリーム」
>関連情報:三相乳化を用いたクレンジングOEM「美容液クレンジング」

まとめ

界面活性剤を使わない画期的な乳化技術「三相乳化法」。東洋新薬では三相乳化の技術を用いた多種多様な処方を持っております。三相乳化法の心地の良い軽やかで独特なテクスチャーは実際に手に取ってみるとすぐにわかります。ご興味がある方は東洋新薬まで、お気軽にお問い合わせください。

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神奈川大学が発明した界面活性剤を使わない乳化特許技術と化粧品への活用例をご紹介します。

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※1:日本製薬団体連合会ホームページ、医薬品等承認情報に基づき集計。調査期間:2016年1月1日~12月31日(当社調べ)
※2:消費者庁2024年8月15日発表情報より作成【許可取得実績数300件】
※3:消費者庁公開情報の製造受託を主たる業務とする企業の届出情報を基に、届出件数、独自エビデンス数を抽出・集計。(2024年5月31日時点、自社調べ)

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