OEMメーカーの選び方講座~化粧品OEM・健康食品OEM先はどう選ぶ?
- 2020.10.01
自社に適したOEMメーカーをどのように選べばいいか、迷うことでしょう。そこで今回はOEMメーカーの選び方について解説します。化粧品OEMも健康食品(サプリメント)OEMも選定の重要なポイントは共通しているため、本記事ではまとめてOEMにおける基礎知識から選び方をご紹介します。
関連情報:サプリメント・健康食品OEM完全ガイド~最新トレンドからオススメの原料まで一挙ご紹介
- 目次
- 1.OEMメーカー選定における基礎知識
- 1-1.OEMとODM
- 1-2.OEMの流れ
- 2.OEMメーカーを選ぶ際の観点
- 2-1.OEMかODMか
- 2-2.レスポンスの速さ
- 2-3.得意な剤形・テクスチャ
- 2-4.得意顧客層
- 2-5.自社工場かファブレスか
- 2-6.品質の高さ
- 3.会社タイプ別 OEMメーカーの選び方
- 3-1.①売れる商品・流行っている商品を作りたい!~「販売会社」カラーが強い企業の場合
- 3-2.②独自の訴求・ストーリー性を持った商品を作りたい!~「メーカー」カラーが強い企業の場合
- 3-3.③次なるヒット商品を生み出したい!~「通販会社」カラーが強い企業の場合
- 3-4.④データを重視したい!~「マーケティング」カラーが強い企業の場合
- 3-5.⑤即断即決!スピード重視~「ベンチャーマインド」カラーが強い企業の場合
- 4.OEMメーカーの探し方
- 4-1.①業界紙
- 4-2.②展示会
- 4-3.③インターネット検索
- 4-4.④書籍・ガイドブック
- 4-5.⑤業界団体
- 5.まとめ
OEMメーカー選定における基礎知識
化粧品OEM・健康食品(サプリメント)OEMを検討する場合、基本的な知識から押さえることで失敗する可能性を避け、円滑に進められるようになります。OEMメーカー選定の前に、理解しておきたいOEMに関する基礎知識を解説します。
OEMとODM
前提知識として、一般的にOEMメーカーと一括りで呼称されますが、実は大きく分けて2種類が存在することをご存じでしょうか?
OEMとは、「Original Equipment Manufacturer」の略語。日本語にすると「受託製造者」という意味です。OEMはお客様が企画した(持ち込まれた配合の)商品の「製造のみ」を請け負います。要するに、OEMメーカーが他社ブランド商品を製造するということです。
そしてもう一つはODM。ODMとは、「Original Design Manufacturer」の略語です。ODMは、独自性のある原料を開発して提案してくれたり、機能性表示食品や特定保健用食品の開発をサポートするといった、「企画から製造まで」を請け負うという違いがあります。
そのため、正確には「OEM」と「ODM」を分けて記載すべきなのですが、本記事では一般的な呼称として、ODMも含めて「OEMメーカー」と記載します。
OEMの流れ
化粧品OEM・健康食品OEMともに、大まかな流れは以下になります。全体の流れは、開発する商品や容器、包装仕様などによっても異なります。
工程①:商品企画・OEM(ODM)先選定
工程②:試作
工程③:各種試験・調査
工程④:パッケージデザイン検討
工程⑤:諸法規関連対応(届出~受理)
工程⑥:製造
工程⑦:発売
各工程別に行うことや注意点など詳細については、化粧品OEMの流れ、健康食品OEMの流れ、それぞれ以下をご覧ください。
OEMメーカーを選ぶ際の観点
では、長期的な付き合いができるくらい相性の良いOEMメーカーを見極めるうえで、重要なポイントを解説します。
OEMかODMか
上述したようにOEMとODMは異なるため、OEMメーカーを選ぶ前提として、OEMとODMのどちらで依頼すべきか検討するようにしましょう。
- ODM:製品設計や開発から相談できる
- OEM:製品設計や開発自社で、製造だけを外注する
東洋新薬のように実際は両方を兼ねている受託先が多いのですが、企画や処方が完全に固まっているコスト優先の案件ならOEM、企画から相談したいならODM、という基準で意思決定しましょう。
レスポンスの速さ
OEMは製造業であるため、IT系など他の業界と比べると、その対応はややゆったりとしています。提案を出すのに1ヶ月、見積を出すのに1ヶ月・・・ということも珍しくありません。
レスポンスの速さを見分ける方法として、問い合わせフォームにメールをして、すぐ反応があるかどうかをチェックしましょう。今後、長くお付き合いをする上で、あまりに遅い企業は注意しましょう。
得意な剤形・テクスチャ
OEM受託企業にも得手不得手があり、どんな種類のOEMでも得意である会社はありません。健康食品のOEMであればタブレットが得意、粉末が得意、化粧品OEMであれば色物(メイクアップ系)が得意、などのように、得意領域が異なります。
得意ではない領域のOEMを委託すると、必要な製造設備を持っていない場合は外注になってしまい、コストが上乗せされる、納期がより長くかかる、といった場合があるため、注意が必要です。
得意な顧客層
OEM受託企業に対して、どういった顧客が多いのか、そしてその顧客層に対するノウハウを必ず確認するようにしましょう。通販とMLM(マルチレベルマーケティング)、大手と中小では求められる企画や品質、コストが違うので、マッチしない提案が上がってくることも多々あります。ネット通販系の受託開発が多い企業を選ぶと良いでしょう。
自社工場かファブレスか
自社工場を持っていないOEM先を、「企画OEM」や「ファブレスOEM」と呼びます。
ファブレスOEMメーカーは、「自社で工場を持たないこと」自体がその企業の事業方針であり、特色です。その利点・強みは、工場を所有・管理するリソース、コストが不要なため、身軽な経営が可能なこと。その分、研究開発や商品企画などに専念できます。
特定の研究に専念している、独自の技術や処方を所有している企業もあるほか、そこに依頼をしないと製造できないもの、使えない成分などもあります。商品企画に優れた提案型の企業や、業界での幅広い繋がりを駆使したコンサル型OEMメーカーも存在します。
ただ、このようなOEM先に依頼する場合、コストはどうしても高くなりますので自社の目的に最適な方を選びましょう。
品質の高さ
多くの企業様にとって、オリジナルの商品を作ることがOEMの主な目的だと思いますが、オリジナリティ以前にOEM委託先が担保している「品質」も重要なポイントです。OEM各社のWebサイトで製造体制/品質保証などの情報を確認しましょう。第三者的な認定として健康補助食品GMP適合認定、ISO国際標準化機構(International Organization for Standardization)などがありますので、保有の有無をチェックしましょう。
以下で貴社のOEM商品の信頼性を高める効果が期待できる主要な工場認証4つをご紹介します。
①cGMP適合認証
cGMPはアメリカの法規制(FDA Dietary Supplements cGMP)に準じた、第三者による認証規格。ダイエタリーサプリメント(健康食品)の製造、包装、表示及び保管において適切な管理を行うための標準規格で100か国以上で使用されているガイドラインです。国際レベルのより高い水準が求められる品質管理基準となっています。
②健康食品GMP適合認定
健康食品GMPは、①適切な管理組織の構築及び作業管理(品質管理、製造管理)の実施「GMPソフト」及び、②適切な構造設備の構築「GMPハード」による、製品の品質と安全性の確保を図ることを目的としています。
厚生労働省では、健康食品の安全性確保の方策として「錠剤、カプセル状等食品の適正な製造に係る基本的な考え方について」を示しており、原材料の受け入れから最終製品の出荷に至るまでの全工程において、製品の品質と安全性の確保に努めることを推進しています。事業者が自主点検を行い、第三者機関に認証されるとGMP適合認定工場であるということができます。
(財)日本健康・栄養食品協会
https://www.jhnfa.org/gmp-0.html
(社)日本健康食品規格協会
http://www.jihfs.jp/gmpn01.html
③ISO22000認証
ISO 22000は、「国際標準化機構(ISO)」が、安心・安全な食品を製造するために必要な仕組みとして2005年9月に制定した、食品安全マネジメントシステムの国際規格です。ISO9001の品質管理手法と、HACCPの食品安全分析手法を組み合わせたシステムです。
また、ISO22000は、従来の食品安全関連規格と異なり、工場の食品衛生のみならず、原材料の調達から最終ユーザーまでの表示や情報発信も含めて管理する総合的食品安全対策であると言えます。
④FSSC22000認証
世界食品安全イニシアチブ(GFSI)で承認された食品安全マネジメントシステムに関する国際規格です。ISO22000の内容をベースに衛生管理など前提条件プログラムについてより具体的に手法を設定しています。また、アレルゲンの管理や製品のラベル付けなど食品安全対策等についても、追加要求事項で補強しています。
会社タイプ別 OEMメーカーの選び方
上記のようなOEMメーカーを選ぶうえでのポイントに加えて、あなたの会社のタイプに適した選び方もご紹介します。
売れる商品・流行っている商品を作りたい!~「販売会社」カラーが強い企業の場合
あなたの会社が「とにかく売れている訴求、流行っている成分の商品を!」 という傾向が強ければ、「スピード」と「コスト」を強みとするOEMメーカーを選びましょう。
すでに市場で売れている、流行っている商品と競い合うことになるため、製造にはスピードが求められ、コストも安く抑えることが最優先。その代わり、ものづくりの面でのこだわりやクオリティについては(もちろん一定の水準をクリアした上で)、ある程度目をつぶる「割り切り」が必要です。
独自の訴求・ストーリー性を持った商品を作りたい!~「メーカー」カラーが強い企業の場合
自分たちのストーリーやオリジナルの訴求をカタチにしたい場合は、「ヒアリング力」「開発力」を持つOEMメーカーを選びましょう。
こだわりや独自ストーリー性を商品というカタチにするためには、ヒアリング力が必要です。もちろん、その情報を商品に仕上げる開発力がなくては、商品開発は進みません。近年ではSDGs、サステナビリティといった新たなニーズにも応える必要があります。そのような世の中のトレンドにも敏感で、情報収集力のあるメーカーなのかを確認しておきましょう。
次なるヒット商品を生み出したい!~「通販会社」カラーが強い企業の場合
創業社長自らTV通販番組に出演するようなタイプの企業の場合は、「柔軟性」「対応力」の高いOEMメーカーを選びましょう。
市場の変化に合わせ、人気商品を生み出し続けるには、良い意味での「朝令暮改」が求められます。そんな時、普通の「製造業」然としたOEMメーカーでは、「いまさら変更できません」と揉めることが必至です。社内事情を理解し、急な方向転換にも柔軟に対応してくれるかをしっかり確認しておきましょう。
データを重視したい!~「マーケティング」カラーが強い企業の場合
販売会社でもメーカーでもなく、データを重視するマーケティング型企業の場合は、リクエストに応じてデータを示してくれる、あるいは調査を実施してくれるOEMメーカーを選びましょう。
OEMメーカーの多くはあくまでも製造会社、というカラーが強く、データを保有している企業ばかりではありません。事前に確認することをお勧めします。
即断即決!スピード重視~「ベンチャーマインド」カラーが強い企業の場合
商品企画から市場投入までのスピードを重視する企業では、発注から納品までのリードタイムの短さに加えて、在庫リスクを軽減したい、発注ロットは極力少なくしたいという思いも強いと思います。
そのため、コストやクオリティは多少目をつぶり、とにかく短納期・小ロットで対応してくれるOEMメーカーを選ぶことをオススメします。
OEMメーカーの探し方
自社のタイプ別のOEMメーカーの特性をご紹介したところで、そのようなメーカーをどうやって探すか?について、5つの方法を解説します。
業界紙
健康産業新聞、健康産業流通新聞、週刊粧業など、「業界紙」と呼ばれる媒体には、OEMメーカーや原料サプライヤーなどの広告が掲載されています。また、定期的にOEMメーカー特集なども掲載されるため、所在地や特長などの情報が手に入ります。業界紙は通年発行され、バックナンバーが入手できる場合もありますので、情報が入手しやすい点もメリットです。
展示会
健康博覧会、食品開発展、健食原料・OEM展 などの健康食品・サプリメントに関する展示会に行き、OEMメーカーの情報を集める方法もあります。展示会によっては、多くのOEMメーカーが出展するため比較もしやすく、実際に会って話を聞く、その場で相談することもできるメリットもあります。ただし、商品開発ニーズと展示会の開催時期が合わないケースもあるため、他の方法も並行する必要があるでしょう。
インターネット検索
いつでも、探したい時に探せるという点では、インターネット検索は便利です。ただし、1社ずつ見ていく必要があり手間がかかる、さらに自社に合ったOEMメーカーなのかは、Web上の情報だけでは判断できず、資料請求や問い合わせといったひと手間がかかる点はデメリットでしょう。
書籍・ガイドブック
数は少ないものの、業界紙の発行元などが発行するガイドブックも有効な手段です。
例)「健康食品・化粧品等 受託製造企業ガイドブック 2022年版」
https://www.kenko-media.com/archives/1708
業界団体
化粧品、健康食品業界には、複数の業界団体があります。ものづくりに関する一定の安全性が第三者により担保されているOEMメーカーから探す、という視点では業界団体が発信する情報を活用するのも有効です。
例えば「公益財団法人 日本健康・栄養食品協会」 では、安全な健康食品の製造に必要な規格としてGMPの工場認定を行っています。WEBサイト上で認定工場一覧を掲載しており、検索が可能です。
https://www.jhnfa.org/gmp-0.html
以上、OEMメーカーを探す5つの方法をご紹介しました。これらでOEMメーカーを知り、各社の特長は把握できるとはいうものの、「自社に合う」かどうかは問い合わせし、実際に話をして判断することを推奨します。
まとめ
いかがでしょうか。今回は自社に合ったOEMメーカーの選び方を解説しました。OEM先選定は、会社のブランド作りにおいても非常に重要なパートナー選びです。本記事でご紹介したポイントをチェックして、自社に適した企業をお選びください。
東洋新薬は化粧品、ならびに健康食品・サプリメントにおいて、商品企画から製造はもちろん、配送、販売促進支援までトータルでサポートしています。機能性表示食品総合力No.1、特定保健食品許可数No.1の実績を持ち、OEM&ODMの「ODEM」を掲げ、企画力、開発力、業界ノウハウには自信があります。
また、試作品をお客様とともに創り上げ、ものづくりのスピードアップに活用いただける「クイックラボ渋谷(QLS)」では、健康食品・サプリメントのものづくりの「こうしたい」を、実際に見て・触って体感いただけます。お気軽に東洋新薬までご相談ください。
【参考】
> 化粧品ODM/OEM開発サービス
> 健康食品ODM/OEM開発サービス
東洋新薬は健康食品・化粧品業界を陰で支えるODEM(ODM&OEM)メーカーとして、世界の人々の『健康と美』への期待に『価値』で応えていくことをミッションとしています。 本サイトでは通販ビジネスにかかわるすべての皆様に様々な情報をお届けしています。
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